一流の技術が信頼を生む!『Door代官山』のサロン作りに迫る
2009年にオープンした美容室『Door代官山』。お客さまから信頼を得ていることはもちろん、美容業界からも注目を集めておりセミナーへの登壇をはじめ、雑誌などのメディアからの取材依頼も絶えない美容のプロフェッショナル集団です。また全国で1台しか存在しないオリジナルのパーママシンも開発し、独自の施術で多くのお客さまの理想のスタイルを実現しています。そんな『Door代官山』が安定して成果を残している背景には、安定感を生む技術ベースの経営や競争を生む環境作りがありました。
今回は、代表の吉澤さんにインタビュー。前編では、お客さまから長年愛されるサロン作りの方法に迫ります。
安定感の秘密は、技術ベースの経営にあり
————まずは『Door代官山』が安定した成果を上げている理由について教えてください。
「技術をベースにした経営をしているからです。業界を見渡していると、最近はカラーなど1つの分野に特化したサロンが増えている印象があります。おそらく、SNSなどで上手にマーケティングをして、カラーのニーズを持つお客さまを集めているのでしょう。しかし、それだとリピートにつながるお客さまが限られてしまうと思います。
たとえば、カラーとパーマを合わせてお願いしたい方がいらっしゃった時、カラーに特化していると『パーマはできません』と伝えることになり、言い換えると、この美容師は10人中3人くらいしか満足させることができない技術者です。
一方、すべてのスキルを身に付ければ、必ず8人以上の期待には応えられる美容師になることができます。どう考えても、こちらのほうがリピーターは増える。そのため、すべての技術を大切にするサロンを目指したほうが、安定した集客につながると考えています。また、ただ技術を磨くのではなく、武器を作ることも大切です」
特許庁認定のオリジナル技術とは?
————「武器を作る」とは、具体的にどのようなことでしょうか?
「『Door代官山』では『フレーミングカット』と『ゴムレスパーマ』という独自に開発した技術をウリにしています。2つの技術ともに特許庁の認定を得ており、サロンのオリジナルの技術です。
それぞれについて説明すると、『フレーミングカット』はスタイリングの必要がなく乾かしただけでキマる技法です。開発した理由は『日本人毛やアジア人毛の少しクセのある髪質を美しくカットする方法が必要だ』と感じていたからでした。実は、日本人は10人中7人がクセ毛です。髪の毛がカーブしているので、カットする際に何も考えずに点と点を結んで切ってしまうと、どうしても曲がってしまいます。そこで、より美しく仕上げるために髪の毛を化学的に分析して、論理的に考え抜かれたカット技術を生み出しました。
次に『ゴムレスパーマ』は、ゴムではなくクリップで留めてパーマをかける方法です。科学者の見解からも、パーマの際にもっとも髪に負担を与えているのはゴムの圧力だったのでクリップに目に付けて試行錯誤をして開発しました。他にも『無重力パーマ』も独自の技術ですね」
厳しい環境が、質のよいサービスを生む
————その『無重力パーマ』について教えてください。
「『無重力パーマ』は、オリジナルで開発した機械を用いたパーマ技術です。特徴は大きく2つあり、まずは空中で巻くことです。吊るしながらパーマをかけることで、やわらかな質感が出て、よりリッチな印象を与えることができます。
もう1つは、プラスチックではなくセラミックのロッドを使っていることです。セラミックにすることで髪へのダメージを減らすことができ、お悩みを抱えるお客さまも施術を受けることができます。
ちなみに、この機械は日本に1台しかない珍しいものなのでテレビの情報番組でも紹介されました。また、技術を磨くためには『武器を作る』だけではなく、環境もとても大切です」
————具体的にどのような環境を作ればよいのでしょうか?
「切磋琢磨できる環境を作ることが大切です。そのため、サロンには20名以上のスタッフが働いています。これだけ集まっていれば4店舗ほどの出店も可能ですが、あえて1店舗だけにとどめているのは、競争が生まれる空間にしたいからです。
ちなみに、生産性のノルマは1人100万円です。私の場合は、アシスタントが3人ついているので私も含めて4人になり、最低でも400万円。このノルマを達成できなければ、一人前のスタイリストとして認めていないので、みんな必死です。だからこそ、高い技術の提供が可能になると思っています」
お客さまから長年愛されるサロン作りの極意
スタッフ全員がサロンオリジナルのシザーを使っているという『Door代官山』。お客さまから長年愛されるサロン作りの極意をまとめると、下記の3つでした。
1.技術ベースの経営で安定感を生む
2.オリジナルの技術を開発し武器を作る
3.質のよいサービスを提供するために厳しい環境を作る
後編では、リピート率を高める方法に迫ります。
▽後編はこちら▽
14ステップでお客さまを魅了!『Door代官山』のリピート率の高め方とは?>>