韓国風ヘアスタイルに特化し、Instagaramフォロワー3万人へ!「CLIM」種市明日香さん
韓国風のレイヤーカットで一躍人気になった「CLIM」種市明日香さん。その技術は、毎日3~4人のモデルさんを集中して施術し極めたんだそう。現在3万人のフォロワーを誇るInstagaramは、1年前にある投稿が25万「いいね」を獲得。それをきっかけに、投稿するヘアスタイルと自身のファッションやメイクなどに統一感をもたせたことで、「種市さんに施術してほしい!」という声が増え、集客にもつながっているとか。メーカーから依頼されるセミナーやYouTubeの撮影など幅広く手がけられていますが、その秘訣は美容業界の方とのつながりにあるそうです。
今回、お話を伺ったのは…
種市明日香さん
美容師歴7年。「CLIM」の店長を務める。大人っぽい韓国風ヘアや女性らしさを引きだすブリーチなしカラー、上品な色気あふれるレイヤーカットを得意とする。SNS発信に力を入れており、Instagaramのフォロワーは3万人。メーカーからの依頼でセミナーなども行う。
韓国風レイヤーカットへのシフトチェンジで大人気に
――種市さんのお客さまの多くがレイヤーカットをオーダーされているそうですが、レイヤーカットを押し出すようになったいきさつを教えてください。
美容について勉強していくにつれて、カットで失客している美容師さんが多いように感じたんです。たとえハイライトやハイトーンの施術を希望して来店されたお客さまであっても、カットがうまくできなかったり、提案ができなかったりすると失客してしまう。私も元々は別の施術を押し出していたんですが、結局カットで強みを持たないと、お客さまに長くお店に通ってもらうことはできないのではないかと気づいたんです。そこから、カットの技術向上に更に力を入れ始めました。
ちょうどそのタイミングで自分自身をレイヤーカットしてもらい「これ、いいじゃん!」となったことから、韓国風のレイヤーカットの習得に励みました。基礎は代表の大石に教えてもらい、その後、毎日モデルさんを3~4人施術。「練習してInstagaramで発信」というサイクルを続けていたところ、韓国ブームがやってきて、私のレイヤーカットに注目してくださる方が増えました。本当にたまたまで、ラッキーなんです(笑)!
――ヘアスタイルのインスピレーションはどこからうけていますか?
主にK-popアイドルやお客さまからですね。
私の顧客層のメインは、20代前半の女性。流行の移り変わりに敏感な方が多く、ヘアのオーダーから、最新のかわいいヘアスタイルを学ぶことも。いいなと思ったデザインはすかさず練習して習得するようにしています。
またInstagaramも、よくチェックしていますね。モデルさんやアイドルなどジャンル問わず、かわいいと思ったスタイルを保存しています。かわいい写真をたくさん集めていくことで、「自分がかわいいと思うスタイルの整理」ができるような気がしています。
得意施術とファッションの系統を合わせ、ファン化を促進
――現在、Instagaramのフォロワーが3万人いらっしゃいますね!どのようにフォロワーを増やしてきたのでしょうか。
1日に必ず3投稿することと、ストーリーズが途切れないように投稿し続けるということをコツコツ続けていたところ、1年ほど前にあるリールに25万いいねがついたんです。それまでのフォロワーは3000人ほどだったのですが、急激に増加しました。
バズるまでにも、いいねや閲覧数が伸びる投稿があったので「ユーザーは、どんなところをよいと思ってくれたんだろうか?」と分析してみたんです。すると、どれもお客さまの後ろ姿が写っているものばかりだということに気づきました。そこから、後ろ姿をメインで投稿するようになりました。
投稿のポイントは、作り込まれたスタイルというよりは、自然体な写真を載せること。お客さまのファッションやネイル、ピアスなどがちらりと写り、スタイルの雰囲気全体が伝わるようにしています。また、髪をかき分けたときの毛流れが見えるようにするなど、ナチュラルな雰囲気を大事にしています。
――Instagaramからサロンへの来店を促すにあたって、気をつけていることはありますか?
たとえヘアスタイルがかわいいと思っても、「この人に施術をしてほしい」と思ってもらえないと、来店にはつながらないですよね。SNSから来店をしてもらうためには、お客さまに私自身のファンになってもらう必要があると思ったんです。
どうせサロンに行くならば、自分が好きな系統のファッションをしている美容師さんに施術してほしいというのが、お客さまの本音。得意な施術と自身のスタイルが一致していることで、「このスタイルかわいい」から「種市さんに施術してほしい」と動線がつながると気づきました。
実は、コロナ禍くらいから、ヘアやファッション、メイクに至るまで自分自身のスタイルも韓国風にチェンジしたんです。そのタイミングで、k-popにハマったといういきさつもあるんですけれどね(笑)。韓国風ヘアスタイルを押し出している「CLIM」のスタッフには、韓国っぽいファッションをすることをアドバイスしています。「押し出したいスタイル」と「自分自身のスタイル」に統一感を持たせることが大切です!
人とのつながりが、新しい仕事の足がかりに
――セミナーのお仕事などは、どのようなきっかけで始められたのでしょうか。
2022年の11月に初めてのセミナーを行ったばかりなんです。これは、グループサロンの「ADITION」に在籍するスタイリスト・いさなのつながりでお話をいただきました。直近ではメーカーさんから依頼を受けて、YouTubeの撮影やヘアカタログの撮影などにも協力させていただいています。
――お仕事の幅を広げていくにあたり、大事だと思うことはありますか?
私もこれからがんばっていきたいところではあるのですが…。やっぱり「人とのつながり」が大事だと思います。 美容師さんのコミュニティーのなかで、「あのスタイリストさん、いいよね!」という評判からお仕事につながることが多いと思うんです。
最近は美容業界の方とのつながりを増やしたいという思いから、機会があったら美容師が集まる会に参加するようにしています。また、気になっているサロンに直接足を運んで、施術してもらったりもしています。技術面でも学びがありますし、情報交換もできますからね!
あとはやっぱりInstagaramでの情報発信をがんばること。最近の美容の情報は、Instagaramに集約されているに尽きるのでがんばっておいて損はないと思います!
種市さんが美容業界で活躍する3つの秘訣
1.カットとカラーという基礎技術を見直し、施術を極めた
2.Instagaramで押し出す技術と自分自身のファッションに統一感をもたせ、ファン化を促進している
3.別のサロンに足を運んだり、美容師の集いに参加したりして情報収集を怠らず、同業界の知り合いを増やしている
後編では、種市さんが店長を務める「CLIM」が躍進し続けている理由を伺いました。
24歳で店長に抜擢された種市さんは、自分のスタイルに合ったマネジメント方法を探し、「一緒に悩んで、一緒にがんばろう!」というスタンスでスタッフと接しているそう。そうすることで、メンバーの「考える力」が養われているそうです。
さらに、細やかなおもてなしも「CLIM」の人気の理由の一つ。種市さんは施術中、できるだけ長い時間お客さまに接することができるよう努めているんだとか。お客さまが心地よいと思うテンションで接客することも重要だそうです。後編もお楽しみに!