ミュージシャンから男性セラピストへの転身! 深く重いゴリアロマとは? メンズセラピストサロンL with U ゆっくん先生#1
ミュージシャンからエステティシャンを経て、男性セラピストへの転身を遂げたゆっくん先生こと東雄一さん。おじいちゃんに肩もみをしたときに泣いて喜んでくれたことが、東さんをセラピストの道へと誘いました。
まるでダンスをしているかのように美しい東さんのトリートメントは、ロミロミやバリニーズなど神秘的でトラディショナルな手技に、解剖生理学に基づいたスキルをミックスさせたもの。男性の大きくて厚い手から生まれる、深く重い圧の「ゴリアロマ」にファンが集中し、80%を超えるリピート率を実現させています。
お話をお伺いしたのは…
メンズセラピストサロンL with U
代表 ゆっくん先生/東雄一さん
ミュージシャンからエステティシャン、セラピストへと転身。深く重く美しい「ゴリアロマ」創設者。コロナ禍での独立だったが、一度も赤字を出さず、2か月待ちの人気サロンに急成長中。プリンセスの部屋、クイーンの部屋という名がついたお姫様仕様の施術ルームは、スタッフの手作りなんだとか。2022年マッサージワールドカップ総合世界2位。2022年fann channel awardリラク部門優勝。
おじいちゃんへの肩揉みでセラピストの可能性を見出す
――エステティシャンからのスタートとお伺いしました。
それまで音楽の仕事をしていたんですが、なかなか思うようにいかなくて、美容業界に興味を持つようになりました。最初はエステティシャンになるべく、いくつものスクールに問い合わせましたが、男性ということでほとんどが門前払い。最終的に、すでに男性エステティシャンとして活躍されている方が学ばれたスクールに入ることになり、そこで解剖生理学や皮膚のことを学びながら、併設サロンでエステティシャンとしてのスキルアップを目指しました。
――セラピストに転向したきっかけは?
学び始めて2年くらい経ったときでしょうか。僕、めちゃくちゃおじいちゃんっ子で、一緒にハルカスに上ったり、ボウリングしたりするほど仲が良かったんですね。そんなおじいちゃんが体調を崩した時期があって、そのときに肩もみをしてあげたんです。生粋の大阪人のおじいちゃんは、「わしゃええわい、くすぐったいわ」と言って拒んだんですけど、僕が肩をもみ始めたらすごく静かに受けてくれました。「孫にこんなんしてもらえるなんて、うれしいわ。おおきに」とめっちゃ泣いて喜んでくれたんです。これが、セラピストの可能性に気づかせてくれた出来事となりました。
――おじいちゃんに肩もみしたことが転機になったんですね。
整体師かセラピストか迷いましたが、元々ロミロミなどのトラディショナルな施術に興味があって。本を読んだり、映像を見て学ぶうちにアロマオイルを使ったトリートメントと整体をかけ合わせたら面白いんじゃないかなと思ったんです。学びを実践するために、関西で口コミ件数トップの男性セラピストサロンに勤めることになりました。そこで2年目から店長を任され、トータル4年間でセラピストとしての技術を深めていきました。
深く重く美しい「ゴリアロマ」が完成するまで
――「ゴリアロマ」とはどんな施術なのでしょうか?
通常のアロマトリートメントは、フランスのリンパマッサージに由来するので、表層を流していくような軽めのタッチが多いんですが、僕の施術は、深く重いトリートメントです。そもそも男性という時点で体も大きいし、手も大きい。ということは、深い圧がかけやすいんです。深く強くではなくて、深部の筋肉を流すために、深く重く。そうすると、圧倒的に不調の改善に効果的です。
――深く強くではなく、深く重くなんですね。インスタで東さんのダンスするような美しいトリートメントを見て、「なんだこれは?」と思ったんですよ。
うれしいです。あれを見て来ていただくお客様が、実際に施術を受けると重たく感じるんです。流れるように見えて、実はズシ~ンと入ってくる。
――あの流れるような美しい動きは、どんなふうに作り上げたのですか?
先ほど、トラディショナルなマッサージが好きと言いましたが、タイ古式、ロミロミ、バリニーズなどに共通しているのは、主義の美しさだと思うんですね。お祈りから始まる神秘的な手技に対して、西洋や東洋の手技は解剖生理学に基づいた物理的なもの。その相反するものをミックスさせたらおもしろいんじゃないかなと思ったんです。絵になるようなきれいな流れのトリートメントの中に、体の不調を改善するような深い圧をかけたらオリジナリティが出るんじゃないかと。
――音楽をされていたということで、見せる技みたいなものは元々備わっていたのでしょうか。
ギターを弾く中で、リズムが身についたんだと思います。リズムが整っているということは、トリートメントの技にも繋がるすごく大事なこと。指先が器用に動くことも、セラピストの仕事に生かされているかもしれませんね。
それから、ダンスやフィギュアスケートなどいろいろなスポーツを見ていると、やっぱり上手な人は軸がしっかりしていますよね。自分の体を壊すような姿勢だと、きれいに見えない。軸をしっかりさせることは、常に課題ですし、意識しています。
――では、男性セラピストのメリットは?
やっぱり、深い圧が簡単にかけられることです。これまでのアロマトリートメントでは満足できなかった人にも絶対に満足していただけると思います。あとは、恋愛相談されやすいかな(笑)。
――施術中に?
僕の場合、施術中は集中するほうなので、そのすべてを受け取りたいというお客様が多いんです。だから、施術前後に相談を受けることが多いですね。
――男性セラピストということで、初回は緊張してこられる方も多いのでしょうか。
確かに以前はそうでしたが、SNSでトリートメント動画を投稿するようになってからは、ワクワクしている方が多いように感じます。「やっと予約がとれた」、「やっと来られた」とか、施術後は「心身ともに癒された」、「感動した。もう、ここしか来れない」という口コミを見ると、唯一無二のものを届けられているのかなと思っています。8割くらいの方が次回予約をとられるのも、その証かなと自負しています。
東さんが男性セラピストとして成功した理由は
1.おじいちゃんへの肩もみで、人を癒したいという思いを強固にした
2.トラディショナルな手技×解剖生理学に基づいた
物理的な手技をミックスさせ、「ゴリアロマ」を完成させた
3.大きく厚い手で、深く重い圧がかけられる
後編では、コロナ禍での独立にも関わらず、赤字を出さずに2ヶ月待ちの人気サロンを作った勝因とお姫様仕様のサロン内装への想いをお伺いします。2022年マッサージワールドカップ総合世界2位受賞についても!
取材・文/永瀬紀子