面接では熱意をチェック! サロンワークは周囲との連携がとれていると高評価【AI TOKYO 執行役員・統括マネジャー 中島翼さん】#3
美容師を目指す学生、新天地を目指すスタイリストさんにとって、避けては通れない就職活動。晴れて採用を勝ち取るためには、どんな準備が必要? 心がまえは? そんな疑問を、実際のサロン採用担当者にインタビュー!
前回に引き続き、所属スタイリストの「やりたい」「なりたい」を尊重し、強力なバックアップが強みのサロン「AI TOKYO(アイトーキョー)」にて、執行役員・統括マネジャー であり、「AI TOKYO S」スタイリストの中島翼さんにお話をお聞きします。
第3回となる今回は、面接の際のポイントをチェック! AI TOKYOでは募集時期ごとに面接フローが違うのだそう。それぞれの時期で行っている流れと注目しているところを詳しく教えていただきます。
お話を伺ったのは…
AI TOKYO 執行役員・統括マネジャー
AI TOKYO S スタイリスト 中島翼さん
都内にある有名サロンで5年間勤務後、3年前に仲間と一緒にAI TOKYOを設立。店長を経て、1年半前にAI TOKYO 執行役員・統括マネジャーに任命されたと同時に採用担当の責任者に。傍ら、再現性の高いヘアスタイルづくりが話題のプレイヤーとしても活躍している。
緊張する場でも自分の流れに変えられる人は期待大
――面接の流れを教えてください。
通常の試験の流れは一次面接が通過したら二次面接に進み、合否を決めるのですが、昨年実施した早期の採用試験では、サロンワークを導入したため、通常とは少し違う流れで進行しました。一次面接を通過したらサロンワーク、そのあと面談を行い、合否を決定するフローになっていて、一次面接は大体1人15分ずつ、個別で実施。サロンワーク後は、集団で面談をします。基本的にいずれの面接も、全て対面で行っています。
面接官の顔ぶれについては、早期も通常の募集でも多少の変動はありますが、社長と各役職の者、各店舗の店長と僕が出席しています。いずれの試験も一次面接では、履歴書に目を通しつつ、それぞれが気になった項目があれば質問をするイメージです。
――面接の際に見ているところは?
やっぱり人柄でしょうか。
うちは個別で面接を行うので、1人対大勢の状況下、どうしても緊張してしまうと思っていて。それでも、場の雰囲気を自分の流れに持っていける人は期待値が高いですね。緊張感のあるところで、いかにその場の空気を自分のものにするのか。人を惹きつけられる話し方をする人は通過している印象です。
――必ず聞く質問項目はありますか?
よく聞くのは「苦手なタイプの人はいる?」という質問です。
――その意図は?
誰しも、苦手だと感じる人はいるはず。例えば、サロンワークをする際、苦手な人がいるとします。苦手とはいえ、一緒に働かなければなりませんよね。一緒に気持ち良く働くためにどういう行動をとるのか、対応を見ています。必要以上に仲良くする必要はないですが、サロン全体を盛り上げていくには円滑なコミュニケーションが求められます。
サロンワークで大事なのは、他人の動きをよく見ているか
――サロンワークの概要をお聞かせください。
一次面接を通過した人は、次の日にサロンワークがあります。体験時間約90分の間で、実際にスタイリストのアシスタントをしてもらったり、掃除やお客様の対応など細々とした雑務が中心。サロンワークは都内にある複数の店舗で3つのグループに分けて実施します。
――サロンワークで見られるポイントは?
立ち位置をチェックしていますね。限られた業務の中で、どうしたら効率良くこなせるのか、そのために周囲と協力する方法を考えられる人は強いと思います。
――面談ではどんな質問を?
一緒に働いたグループの人たちの動きや様子について、必ず聞いています。
――その人自身のことではなく、周りの人の評価を重視していると?
そうですね。一緒に働いていて良いと思った点や改善するべき点などを中心に聞きます。サロンワークをするうえで周囲との団結は不可欠。集団行動になったとき、自分だけではなく人の動きを把握できているかの確認をする必要があると思うんです。
――好感度が高い人は?
細かいところに気づける人は好印象。先回りして行動ができるとサロン全体の動きもスムーズになりますし、スタイリストが気づかないようなところも率先して動いている人は頭ひとつ抜きに出ていると感じます。
一次から気を引き締めて自分の熱意をしっかり伝える方法を考える
――ずばり、最後まで通過する人の特徴は?
一次面接の時点で、満場一致で好印象を受けた人は、大体採用となっている傾向です。あくまで傾向なので、もちろん、そうでない人もいます。一次面接では熱意が伝わってきて評価が高かった人でも、一次面接後やサロンワーク後に、ガラッと印象が変わることもあるんです。
――印象が良くなかった例をお聞かせください。
早期募集で実施した採用試験にて、あった出来事です。サロンワーク後の面談で、周囲からの評価が思ってもいないものだったのか、言い返している場面がある人がいました。自分ができていると感じていても、周囲から見たら違うケースもあります。自分に自信を持つことは大事ですが、時には周囲の意見を受け入れることも必要だと思います。謙虚さを持ち合わせていると嬉しいですよね。
あとは、履歴書に書いてある内容と違ったり、言葉が詰まっちゃったりすると不安を感じてしまいます。こちらから引き出せない場合もあると思いますが、もうひと頑張りしてもらえると熱意は伝わりやすいかと思います。