履歴書はサロンへの手紙。どれだけ自分の気持ちが伝えられるかがカギに【sand Ginza 河野涼さん】#2

美容師を目指す学生、新天地を目指すスタイリストさんにとって、避けては通れない就職活動。採用を勝ち取るためには、どんな準備が必要? 心がまえは? そんな疑問を、実際のサロン採用担当者にインタビュー!

「誰もが笑顔になれる場所」をテーマに、多くのお客様を幸せに導くサロン「sand」。前回に引き続き、スタイリストとして活躍しながら採用を担当しているsand Ginza所属の河野涼さんにお話を伺います。

第2回目は、応募時の提出書類について。sandは書類選考がないとのことですが、面接へ向けて好印象を持たれる履歴書作成時のポイントのほか提出書類の重要度とその理由をお聞きします。

お話を伺ったのは…
sand Ginza 河野涼さん

前職を経て、2019年にsandに入社。前職でリクルートを担当していたことから2年前に採用担当に就任。会社説明会や外部で行われる就職イベントに精力的に参加し、sandの認知度&募集人数アップに励んでいる。

自己PRの濃さで面接への期待度アップ! 過去と未来の自分をありのまま伝える

――必ず提出してもらっている書類を教えてください。

履歴書と成績証明書の2つ。どちらも重要な資料ですが、成績証明書の重要度は結構高いです。

――まずは、履歴書について伺います。
履歴書の形式は決まっている?

いえ、特に決まってないです。市販のものに記入して提出する人や学校が指定した専用のものを使用している人など、それぞれ。わりと自由度は高いです。

――履歴書で一番求めているものはどの項目でしょう?

自己PRでしょうか。sandに対する熱量が面接に強く影響すると感じます。また、学生時代に取り組んだことについて明確に書かれていると、面接のときに質問するのが楽しみです。どんな気持ちで取り組んで、どういう結果や経験ができたのかが分かることが望ましいですね。

――経験上、評価が高くなると思う内容は?

今まで取り組んできたことやこれからどうしたいのかまで、書かれていると深掘りしたい気持ちになります。

当たり前ですが、目指しているスタイリスト像がしっかり分かっている方が、こちらがサポートするときの想像がつきやすいので評価は高いですね。

履歴書はサロンへ宛てる手紙。読む人への配慮を忘れない意識が高評価に

――好印象な履歴書の特徴は?

僕は、履歴書は学生からもらう唯一の手紙だと捉えていて。文章の構成や字の丁寧さなど、細かいところまで配慮された内容だと、僕たち読み手の気持ちを考えられている履歴書として好印象に感じます。親しい友人や恋人に気持ちを伝えるイメージで作成すると、想いは伝わりやすいのかなと。

――では、期待が持てないと感じるのは?

一番目に付くのは、余白があること。パッと見で目立つくらいなら、想いが弱いのかなと思ってしまいます。手書きの場合、文章量がしっかりしていても殴り書きだったり、誤字や脱字があったりするのも想いが足りないように捉えられてしまうかもしれませんね。

第一に、見る人への配慮が足りない履歴書はあまり好ましくないですね。

――今までで良いと思った履歴書はありますか?

学生時代での取り組みやがんばったことが年表のように書かれていたものは、感激しました。その人の今までのアルバイトやワインディングの経験が、パッと見で分かりやすく、しかも詳細に明記されていたんです。おそらく、学校側が用意したフォーマットなんだろうと思いましたが、ベースを自分なりに活かせる人だと感じて高評価につながりました。

自身の気持ちを直接ぶつけることはもちろんですが、自分にとってプラスになりそうなものは全部味方につけてアピールしてほしいです。

成績証明書も自己PRに。確実な採用を勝ち取るためには明確な理由が必須

――冒頭で重要度が高いと話していた成績証明書について伺います。
その理由は?

出席率と遅刻の数は、必ずチェックしています

sandは他のサロンと比べても忙しさは割と上位。そのため、出席率や遅刻が多い人だと懸念が残るんです。ちゃんと来られるのかな、大事なときに遅刻しないかなとか。

ただし、遅刻や欠席が多いから即座に不採用になるわけではありません。面接の際に質問をするので、そこで素直に答えてもらえればOK。採用にあたって不安な要素は一つずつ潰していく必要がありますから、その時々の事情や状況を聞いて懸念点が残らなければ問題ありません。

――まとめると…履歴書は想いや目標を明確に書くこと、成績証明書は嘘偽りのない姿を意識することで面接時の期待度は高くなるのですね。

履歴書は、面接前にその人の特徴をつかんでおくための資料です。なるべく、今までの経歴や取り組みをありのままの気持ちと共に載せてもらい、面接時に「もっと聞きたい!知りたい!」と思わせてもらえるような内容を期待しています。

面接時に期待できる履歴書の作成ポイント

1.今までの取り組みや経歴を明確に記し、サロンに想いを伝える

2.手紙を送る気持ちで、読む人の気持ちに配慮した構成にする

3.自分の強みを最大限にアピールできる方法を模索して活用する


取材・文/東 菜々

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