手荒れで辞める美容師|手荒れの原因や対策と辞めたあとにおすすめの転職先
美容師の離職理由はさまざまですが、実は手荒れに悩んで辞めてしまう人もいます。手荒れの原因はひとつではなく、美容師の仕事柄避けられないことがいくつも重なって、悪化してしまうことも。
そんな美容師の手荒れについて、この記事で原因や対策を詳しく解説します。また、手荒れを理由に辞める場合、就職先としておすすめの職業も紹介しますので参考にしてください。
実は多い?手荒れが原因で辞める美容師
美容師は水やお湯、カラー・パーマなどに使う薬剤に触れる機会が多く、手荒れに悩む人も少なくありません。いわば職業病の一種です。
手荒れは、あかぎれやかゆみなどが典型的な症状で、ひどい場合には水膨れやジュクジュクした状態(かき崩し)になることもあります。冬のような寒くて乾燥した季節では、美容師でなくとも手荒れを起こしやすいです。
憧れの美容師になったものの、この手荒れが原因で辞めてしまう美容師も少なくありません。辞めてしまうほどの症状になる理由について、以下で詳しく見ていきましょう。
手荒れのはじまりはアシスタント時代から
アシスタントは、お客様のシャンプーやトリートメントを任されることが多いため、必然的にお湯や水を触る時間も長くなり、手が乾燥しがちです。それが毎日続くので、回復する時間がなく手荒れを引き起こしてしまいます。
入社して間もない時期から、手荒れがはじまる人も多いようです。
赤くなったり少しかゆい程度ならそれほど気にならないかもしれませんが、日に日に悪化していくケースも多々。腫れて指が曲げられなくなったり、ひび割れたりすると業務に支障が出てしまいます。
スタイリストになったあとも治らない人もいる
スタイリストになると、アシスタント時代よりシャンプーやトリートメントをする機会が減り、手荒れが少しずつ落ち着く人もいます。しかし、一向によくならず、ドクターストップがかかってしまう人もゼロではありません。
美容師の手荒れの原因
美容師のなかでも、とくにアシスタントに多い手荒れですが、引き起こす原因は複数あります。対策を講じるためにも、原因を知っておくことが大切です。ここでは、手荒れの原因となっているもののなかで、代表的な2つを紹介します。
乾燥
美容師の手荒れの原因は、水やお湯による乾燥が多いです。水やお湯を多々使うことで、肌の内部にある水分や必要な皮脂まで奪ってしまいます。皮脂には乾燥を予防するバリア機能が備わっているため、それがなくなると乾燥を引き起こしてしまうのです。
また、ドライヤーの熱風も、手を乾燥させる原因のひとつ。熱風が直接当たるため、水分を奪ってしまいます。さらに、薬剤などで手にダメージを負うと乾燥が進み、水やお湯・ドライヤーの熱風などと相まって悪循環に陥ることも。
ほかにも、紫外線のダメージを受けたときや、冬場の湿度が低いときなども乾燥しやすいです。
アレルギーや刺激
カラー剤やパーマ剤に含まれる成分にアレルギー反応をおこし、手荒れにつながることもあります。どちらも強力な薬剤なので、手にダメージを与えやすいです。
また、シャンプーに含まれる界面活性剤や、ハサミなどの金属類・ラテックス製のゴム手袋などでも、アレルギー反応を起こすことがあります。
アレルギーは手荒れだけでなく、頭痛やめまいなどの症状も引き起こす可能性があるため注意が必要です。
また、アレルギー反応ではなくとも、薬剤やシャンプーが刺激になっていることもあります。しっかり洗い流さなければ蓄積されてしまうため、手荒れのリスクをさらに高めてしまうのです。
引用元
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック|ゴム手袋でかゆくなる、ラテックスアレルギーについての患者向けガイド
美容師の手荒れの予防や悪化の対策にはどんな方法がある?
手荒れのおもな原因を理解したところで、今度は手荒れの予防や、悪化を防ぐ対策方法について紹介します。普段の仕事のなかで、意識して取り組むだけで効果が期待できるものも多いので、ぜひ参考にしてください。
シャンプーや薬剤をしっかり洗い流す
前項でもお伝えしたように、洗い残しがあると強い成分が蓄積され、手をずっと刺激してしまいます。その結果手荒れが起きたり悪化の原因になったりするため、シャンプーや薬剤に触れたあとはしっかりと洗い流しましょう。
手洗い後は水を拭き取る
手洗い後、水を拭き取ることも手荒れ防止につながります。手が濡れたままほかの作業をすると、手の内側にある水分も一緒に蒸発して乾燥してしまうため、毎回きちんと拭き取ることが大切です。
こまめに保湿する
仕事中はなかなか難しいかもしれませんが、こまめな保湿ケアを行い皮膚を保護することで、手荒れの予防や悪化対策になります。
手を洗った後はもちろん、プライベートでもこまめに保湿しましょう。手のひらだけでなく、シャンプーやお湯などがつきやすい手首や肘まで保湿するのがおすすめです。
油分だけを含む保湿剤よりは、水分も補給してくれる高保湿クリームのほうが効果は高めです。また、自身の手荒れの症状に合った成分が含まれているものを選ぶとよいでしょう。
【乾燥】
・ヘパリン類似物質クリーム
・ワセリン など
【赤みや腫れ】
・医薬部外品
・グリチルリチン酸ジカリウム など
【ひび割れ・あかぎれ】
・ビタミンE
・ビタミンA
【ごわつき・皮膚が固い】
・尿素
・グリセリン など
手袋やグローブを着用する
カラー材やパーマ材になるべく直接触れることのないよう、手袋やグローブを着用するのもおすすめです。ただし、天然ゴムに含まれるラテックスという成分がアレルギー反応を起こすこともあるため、ラテックスフリーのものを使用するとよいでしょう。
引用元
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック|ゴム手袋でかゆくなる、ラテックスアレルギーについての患者向けガイド
お湯の設定温度を下げる
シャンプーやトリートメント・薬剤などを流す際は、お湯の使用が避けられません。しかし、温度が高いお湯は皮脂を洗い流してしまうため、普段の生活で調整しましょう。できるだけ水を使うか、ぬるめのお湯に設定するなどの工夫をしてみてください。
絆創膏などで保護する
ひび割れやあかぎれは、絆創膏で保護して悪化を防ぎましょう。あらかじめ貼っておいて、予防するのもおすすめです。
水に触れるとはがれてしまうものも多いので、完全防水タイプのものが適しています。また、完全防水タイプのなかでも、関節が動かしやすく指にぴったりとフィットする形ものや、フィルムタイプのはがれにくいものを選びましょう。
皮膚科を受診する|塗り薬の処方やアレルギーテスト
ひどい手荒れには、市販のケア用品よりも病院から処方される塗り薬などのほうが有効です。症状に合った治療をするためにも、皮膚科を受診して適切な診断を受けましょう。早期に受診すれば治療期間も短いので、仕事にさほど支障をきたさずに済みます。
さまざまな予防法を試しても手荒れが改善せず、実はアレルギー反応によるものだったケースも珍しくないため、アレルギーのパッチテストを受けるのもおすすめです。アレルギーの原因がわかることで、使用を避けたり適切な薬を処方してもらったりできます。
引用元
労働者健康福祉機構|第4章 手あれを発症してしまったらどうすればいい?
労働者健康福祉機構|化学物質によるアレルギー性接触皮膚炎についての理解を深めましょう
■美容師の給料・年収を詳しく紹介|収入UPを目指せる7つの方法とは?
■美容師におすすめな資格の種類とは?仕事の幅が広がる資格を紹介!
■美容師向けの求人サイトとは?おすすめの求人サイト16選を紹介!求人媒体の種類とメリット・注意点も解説
手荒れが原因で辞めてしまう美容師におすすめの転職先
残念ながら適切な予防や治療をしても、ひどいアレルギー症状が出たり、悪化がひどくドクターストップがかかったりして、美容師を辞めざるをえない人もいます。そういった人たちの多くは、美容師の経験や資格を活かしたセカンドキャリアを歩んでいるようです。
ここでは、美容師をやめたあとの転職先としておすすめの職業を紹介します。
アイリスト
アイリストが行うまつエクやまつ毛パーマなどの施術は、美容師資格が必須。そのため、今ある美容師資格を活かしたいという場合は、アイリストに転身するのもおすすめです。カウンセリングや提案力など、美容師時代のコミュニケーション能力が活かせるでしょう。
アイリストに関する詳しい情報は、以下の記事でご覧ください。
アイリストとはどんな職業?アイリストになる方法やデビューまでの道のりとあわせておもな就職先や働き方も紹介
アイブロウリスト
眉毛専門の施術を行うのが、アイブロウリストです。アイリストと兼務している人もいます。一般的には美容師免許を必要とするサロンが多いため、美容師の資格が役立つでしょう。美容師やアイリストと同様に、コミュニケーション能力も活かせます。
アイブロウリストになるには資格が必要? おすすめ資格や仕事内容を紹介
ネイリスト
ネイルを施したりネイルケアを行ったりするネイリストは、手先の器用さやコミュニケーション能力など、美容師と通ずるものがあります。
また、ネイリストに必須資格はないので、ネイルの知識や技術がなくても目指しやすいでしょう。実際、未経験歓迎の求人は多く、研修制度が整っているサロンや、ネイルスクールが併設されているサロンなどがあります。
エステティシャン
エステティシャンは、お客様の体や肌を美しくするエステの施術を行います。刺激が強い薬剤は使わないので、手荒れに悩む人にはおすすめです。
未経験者を歓迎しているところが多く、フェイシャル・ボディ・脱毛・痩身・ブライダルなど選択肢も幅広いため、美容の知識を活かして自分の好きな施術ができるサロンを探すとよいでしょう。
美容部員
美容部員は、化粧品やスキンケア用品の販売をする職業です。商品を試してもらうため、実際にお客様の肌にタッチアップを行うこともあります。美容の知識全般が活かせるほか、提案力や接客のスキルも大いに役立つでしょう。
別のサロンに転職して美容師を続ける人も
手荒れに悩む美容師のなかには、肌に刺激が少ない薬剤やシャンプーを導入しているサロンに転職する人もいます。使用する用材や道具が変わったことで手荒れが落ち着き、美容師を辞めずに済むこともあるようです。
また、一日の施術人数が少ないような高級サロンなどに転職して手を酷使しなくなり、症状が落ち着くケースもあります。
手荒れで転職を考えている美容師には求人サイト「リジョブ」がおすすめ
ここまで、手荒れの原因や予防・悪化の対策について紹介しましたが、それでもやはりこれ以上は続けられないという人もいるのではないでしょうか。
手荒れが原因で転職を考えている人には、美容業界に特化した求人サイト「リジョブ」で、理想の職場を探してみるのがおすすめです。
リジョブには美容師をはじめ、この記事でおすすめの転職先として挙げた職業の求人も豊富にあります。美容師資格が歓迎されるところも多いので、新たな道を模索してみるのもよいかもしれません。
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なかには「未経験歓迎」「研修制度あり」「ノルマなし」の求人もあるため、これまでとはまったく違うセカンドキャリアをスタートさせることも可能です。
手荒れは予防や対策が大切!改善しない場合はセカンドキャリアの選択肢もある
美容師の手荒れのおもな原因は、水やお湯を頻繁に使用することによる乾燥と、使用する薬剤やシャンプーなどのアレルギーや刺激があります。職業柄悪化しやすいため、普段から予防・対策を行うことが大切です。
予防や対策・治療を行っても改善しない場合は、美容師の経験や資格を活かせる職業への転職も視野に、セカンドキャリアについて検討してみましょう。
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