ALBUMのブランド力をもっと広めるために正社員を増員。どこよりも徹底した教育を提供【槙野光昭さん】#2

元カカクコムの創業者でIT業界を盛り上げてきた槙野光昭さん。現在は株式会社オニカム代表として、顧客管理&スタッフ教育アプリ「IKINA」を広めるために、「ALBUM」を立ち上げ、サロン経営をしています。サロン激戦区にてALBUMは「低価格」「高品質」を叶える。そんなALBUMに憧れて美容師志望の若者が続々と門を叩きます。若者に支持される秘訣とはなんでしょうか。また、ALBUMは最初、業務委託形態でのスタートを切りましたが、正社員雇用に力を入れ始めます。その理由とともに、ALBUM独自のサービスや働き方に迫ります。

お話を伺ったのは…

株式会社オニカム代表 槙野光昭さん

大学卒業後、パソコン周辺機器のメーカーに営業職として従事し、退職後は「価格.com」の前身となるサイトを開設。2001年に会社を売却し、2014年に美容室「ALBUM」を創業。現在は、東京都心部に5店舗も拡大し、幅広い層から支持を集めている。

サロン「ALBUM」立ち上げのきっかけになったアプリ「IKINA」とは?


――ALBUMの強みとも言える、アプリ「IKINA」にはどんな機能があるのでしょう?

ヘアサロン向けの顧客管理とスタッフの教育ができるようになっています。

顧客管理はその名の通り、来店されるお客様の情報を細かく記録したり、写真を撮影して残したり、管理するための機能。どのスタイリストが担当して、どんな髪型になったのかなど、スタッフ側が共有できることはもちろん、アプリをDLしてもらうことでお客様側も自分のヘア情報が見られます。そのほか、アプリを介して担当スタイリストとチャットで会話ができたり、来店スタンプ機能などもあります。

――サロン側で簡単に共有できて便利ですし、スムーズに予約もとれそうですね。スタッフの教育面では何ができるのか、教えてください。

スタッフの教育に関しては、美容師にとって大切な技術や知識といった約30の項目があり、それらを全て数値化し、スタッフ内で順位付けをして自分の足りないところが可視化される仕組みになっています。

――自分の苦手な部分が目に見えて分かるなんて、画期的ですね。

感覚的要素が強い職業だからこそ、可視化されないとなかなか気づけないことも多い。でも、その足りないところが目に見えて分かると補うための努力をしますよね。

ALBUMが「低価格」「高品質」で提供するためには必要な機能です。

今後目指すべきなのは、ALBUMのブランド力を強化すること

「美容師は何よりセンスがカギ。そのセンスを引き出せるためのカリキュラムとして役立ててほしいですね」と、槙野さん

――ALBUMの一人ひとりのブランド力を高めていくことが目的なのですね。業務委託から社員雇用に切り替えた理由に関係ありますか?

もちろん関係しています。サロンオープン直後は、業務委託&社員のハイブリッド型サロンとも言われるほど話題になりましたし、実際に業務委託制度に対する風向きが良い方向に変わりました。

会社的にも、最初から技術を持った美容師が働いてくれることはとてもメリットだったのですが…業務委託から社員にシフトした理由は、ALBUMのブランド力を強めたい一方で、業務委託の人は帰属意識が薄く、個人プレーが目立ったから。サロンALBUMをブランド化する目的を果たすためには、個人よりも「チームのため」に力を尽くしてくれる社員が必要だと感じたのです。

そうした考えから、社員の教育に力を入れ始めました。やるならどこよりも最高の教育を施したいと思って作ったのが、1年でデビューが目指せる「アカデミー」制度です。

――1年でデビューが目指せるのは、魅力に感じるポイントの一つではないでしょうか。

個人的に美容師の基本のカットやカラー技術が備わっていて、自信があるならデビューできると思っています。何より、美容師はセンスが大事。センスがある人は説得力があります。いかにお客様が要望するスタイルに近づけるか、マニアックな技術でなくてもセンスがあればそれは実現できる可能性が高いです。デビュー前に完璧に技術を仕上げることにこだわり続けるのではなく、ある程度ベーシックな技術がしっかりとしている、なおかつデビューしてさらに磨いていく気持ちがあれば、どんどんデビューを早めてしまっても良いと思っています。

常々美容師はスタイリストになれるまで時間がかかり過ぎていると感じていたし、どう考えても早くデビューできるに越したことはないと思って。それを基盤にアカデミーを作りました。

――アカデミーではどんな学び方ができますか?

とにかくデビューする際に大事なベーシックなことを明確にして盛り込み、チャプターごとにカリキュラムを作成しました。それも教習所の査定表を参考に、誰にどのサインをもらえたら合格=デビューできる仕組みに。指導は、サロンALBUMで実際に働いている社員に声をかけて講師をお願いしています。

まずは講義を受けてもらい、動画を繰り返し見て学ぶ。動画は、専門学校などが行っていた動画講習の方法を真似して取り入れました。授業を休んでしまっても同じ内容の授業の動画を見て学べたことに感銘を受けたんです。デビューまでの技術はベーシックなのだから、同じ動画を何度も見て学べるツールとして動画が最適だと感じました。反復が大事ですからね。

――徹底したカリキュラムがあることで、ALBUMの実力と再現性が保たれているのですね。これからALBUMが求めるのは、個人プレーでなく、チームのために尽くすことができる人材と伺いましたが、他には?

向上心がある人ですね。入社してから精一杯カリキュラムをこなして、スタイリストデビューまで一連の過程を乗り越えたあとも技術だったり、接客だったり、「ALBUMのスタイリスト」として粘り強く打ち込み、業界の先頭に立ち、有名になるぞって姿勢があるとすごく良い。そんな人をALBUMも全力でサポートします。

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ALBUMが求められている3つの理由

1 Instagramを強化し、美容業界で新しい位置付けをした

2 アプリ「IKINA」を導入し、デジタル化することで技術や情報を可視化して作業効率を上げる

3 ALBUMのブランド力を保つために独自の社員育成カリキュラムを考案

取材・文/東 菜々(レ・キャトル)

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