デザイン力と洗練された空間で厚い支持を集める『NERO HAIR SALON』
渋谷駅と代官山駅の中間にあり、閑静な街並みのなかにたたずむ『NERO HAIR SALON』。洗練されていながらナチュラルな雰囲気で、訪れる人をリラックスさせてくれる空間が広がっています。流行に流されないデザインを確立することで、5年目を迎える人気のサロン。どのような経緯でオープンされたのか、オーナーの坂本直樹さんに伺いました。
一度辞めたからこそ見えた、美容師の魅力
――このサロンができた経緯を教えてください。
「僕は地元で2年美容師として働いたあと、東京に出てきて7年働いたのですが、実は一度美容師を辞めているんです。美容師の仕事は好きだったし、勉強だと思っていろいろ学ばせてもらっていたのですが、そのとき働いていたサロンと僕の考え方に差が生じてきてしまったところがあって。その後アパレルの仕事に就きました。アパレルは楽しかったんですが、やっているうちに美容師に戻りたいという思いが強くなったんですね。というのも、美容師の仕事はお客さんが僕に会いに来てくれるということに気付いたんです。アパレルももちろん楽しかったんですが、僕じゃなくてもいいのかなと思ってしまって。そこで美容師に戻り、戻るからには、独立して自分の考えや理念をもとにサロンを作ろうと心に決めました。そこで5年前にオープンしたのがこのサロンです」
――お店の特徴はどんなところでしょうか？
「『ナチュラルでちょこっとエッジィ』というデザインのコンセプトを明確に打ち出しているところです。それに合わせ、お店の内装、インテリア、音楽、アロマにもこだわり、ナチュラルな感じを大切にしつつ、ハイセンスで落ち着ける空間を目指しました。デザインのコンセプトについては、自分たちの価値とは一体なんだろう？どこで他のサロンと差別化が図れるだろう？と考えたときに、カットやカラーが特徴というだけでは、ちょっと曖昧かなと思ったんです。そこで出てきたのが『ナチュラルでありながらエッジィ』というテーマでした。そうやってサロンのテーマを明確にすることで、スタッフともイメージ共有ができ、サロンのあり方が明確になっているかなと思います」
納得して仕事を進めてもらうことで、同じ方向を向いて進んでいける
――新卒採用を積極的に行い、人材育成にも力を入れているとお聞きしました。スタッフはどんな方がいらっしゃいますか？
「新卒採用がほとんどなので20代のスタッフが多いです。みんな真面目で一生懸命ですし、美容やファッションが根っから好きというようなスタッフが多いですね。サロンとしてスタッフに求めるものを素直に吸収し、実行してくれているのでとても助かっています。アットホームな雰囲気で、スタッフ同士で遊びにいくことも多いですが、なあなあの関係ではなく距離感は大切にしています。美容室は技術も大切ですが、社会人としての態度、お客さまサービス、おもてなしの心は第一に持ってもらいたいと思っているので、そこは真剣に伝えるようにしていますね」
――人材育成で気を付けていることはありますか？
「僕からこのような形で仕事をしてほしい、と押し付けるのではなく、仕事に納得して取り組んでもらうということですね。そのためにもスタッフ同士の対話はとても大切にしています。あとは今年度から売上目標を明確にするということを始めました。数字を出すのはセンシティブな問題だと思うので、最初は抵抗がありました。ただ設定をしたことで、自然と自分たちのよさを語れるような力がついてきたかなと思っています。このサロンは高い技術力、リラックスできる内装、独自のスタイリングセンスなどお客さまに満足していただけるものを用意できていると思っています。でもそれをスタッフがお客さまに伝えられなければ、満足は得られません。また目標を達成したら給料を上げる、福利厚生を充実させるという、わかりやすい指標があることで、スタッフのモチベーションアップにもつながっています」
サロンの出す、スタイリング、デザインのテーマを絞ることで、お客さまに認知されファンが増えてきたと言う坂本さん。後編では、具体的にどのようなことをされているのか、さらに掘り下げてお話を伺います。
Salon Data
NERO HAIR SALON
〒150-0031
東京都渋谷区桜丘町5-7 グランスイート渋谷桜丘町1F
03-6427-0654
http://salon.nero-hair.jp/
