夫婦2人で経営するサロンは「人との繋がり」が信条『lea LEA』
古民家を再生、カラフルでいかにも楽しげな内装も魅力のサロン「leaLEA」。ご夫婦2人で昨年9月にオープンして以来、大阪市内はもちろん京都や滋賀からもお客様がこられる人気店となっています。完全予約制のプライベートサロンで、お客様一人一人の時間を大切にしたいという思いから、飛び込みのお客様もお断りしているそう。この店の魅力を、オーナーの浅田充彦さんにおうかがいしました。
奥さんが働きやすい店を
――この店がオープンするまでの経緯はどのようなものだったのでしょうか。
「学校を出てからは梅田のヘアサロンで7年間働いていたのですが、その時点では独立に対してそれほど意欲的ではありませんでした。働き始めた当初は、いずれ自分の店を持って…と考えていましたが、徐々に『本当に独立って意味あるのかな』と考えるようになっていました。しかし、その職場で出会った今の奥さんと結婚することになって、あらためて独立を決意して、店を辞めて3年半ぐらいフリーランスで資金を集めてオープンにこぎつけました」
――結婚=独立だったのですね。
「夫婦2人でやる店を作りたかった…というか、奥さんが働きやすい店を自分たちで作りたかったんです。元々彼女は美容師が大好きで、お客さんが大好きだったので。それでこういう風に働きたい、こういう店にしたい、という話を3年半でじっくり詰めて、今の形にした、ということです」
――その、奥様が働きやすい店、ということですが、浅田さんご本人の思いは?
「あんまりなかったですね(笑)。奥さんが一生働ける環境を作れればよかった。僕は別に雇われる側でもいいやというタイプなんで。自分の店を持つかどうかについても、もし奥さんが店を出したくないって言ってたら出さなかったですね」
お客様一人一人と向き合う
――その、奥様が働きやすい店のコンセプトとは?
「ひとりのお客さんにしっかりと向き合いたい、というのが第一条件。となると、重なった予約とかはダメなので、完全予約制にしようかと。そういう形で、したいことを決めたうえで出来ないことを排除していったのです。ひとりのお客さんにかかる時間は…、一般的にはカット&カラーで2時間ぐらいなんですけど、奥さんが施術する場合は足りない。いろいろなことを喋りたい人なので」
――奥様はお客様とどのような事をお話になられるのですか?
「髪の毛の悩みも1から10まで聞きたいし。プライベートで悩んでることも聞いてあげたいし…ということで、他のお店よりも施術にかかる時間が長いです。カットカラーで2時間半、最低でもね。人によっては3時間になる人もいます」
人との繋がりこそが大切
――経営的に考えるならば、なるべく短い時間で多くのお客様を回したいと考えるのが普通だと思いますが。
「そうなると、普通のお店と変わらない。それは『楽しくない』という考え方です。以前働いていた店が、売り上げ重視で、単価を下げて、いっぱい回そうというスタイルだったのですが、それで美容院を嫌いになった人もいるので」
――一売上重視では、この職業は続かない、ということでしょうか。
「もちろん商売だからそういうのも大事やと思うんですけど、ちょっとそれが美容業界に出過ぎてるかなと。『それって、この先、やばくない?』って僕は思うので、そんな美容室を作っても仕方がない。うちは人との繋がりを大事にしようという店。そのためにちょっと売り上げが下がってもかまわない。これで生活ができなかったら考えないといけないですけど、そんなこともないので」
――その繋がりが強ければ、お客さんはちゃんと常連でいてくれると。売り上げ自体は結果的には安定していくのでしょうね。
「そうなれば、と思っています。それでつぶれたら僕の考え方が甘かったと思っといてください(笑)」
――奥様的にも、その繋がりが大切、ということですね。
「奥さんもこれから年齢が上がってくると、体力も減るだろうし。そうなってくると短時間でお客さんを回すようなスタイルだと負担にしかならない。そのせいで美容師が嫌いになったりするかもしれない。せっかく美容師が好きでこの仕事をしているのに、その環境がないというのはダメなんで。僕は奥さんがいつまでも楽しく働いてくれることが願いなのです」
奥様が働きやすい店を、と考えた結果、完全予約制のプライベートサロンに。成り立ち自体がステキなこの店が一番大切にするものとは、人との繋がりを重視すること。そのために一人一人のお客様に注力するという。後編では、その独特な内装について、そして施術における特徴やスタッフの育成などについて、引き続きオーナーの浅田充彦さんにお聞きします。
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