外国人からも支持されるインターナショナルなサロン!「ASSORT」の社員が幸せに働き続けるための経営術
国内外で10店舗(TOKYO 3 – OSAKA 1 – NEW YORK 2 – HONG KONG 1 – AMSTERDAM 1 – SYDNEY 2)を展開し、外国人からも支持される人気サロン『ASSORT』。現在社員は90名にのぼるほど会社も拡大しています。前編では、外国人に支持されるための極意を教えていただきました。
今回は世界を飛び回って活躍する、代表の小林Kenさんが考える社員の幸せやこれからの美容業界の在り方についてじっくりとお伺いしました。
社員の意見を吸い上げる新システム
――――小林さんが会社経営で苦労されることがあれば教えてください。
「現在は店舗数も増え、社員が90名近くいますので、なかなか1人ひとりと話す機会を持てなくなりました。弊社はみんなが自由に声を上げるタイプで、すごくいい意見をくれることが多いのです。『お客さまのためにサロンを変えたい』とか『サービスを増やしたい』とか。そういった声をきちんと吸い上げるために、今年からクラウド型評価システムを取り入れました。社内ミーティングや店長との面談をログ化し、オープンに見られるようになっています。なので、僕が面談に立ち会っていなくても社員の意見を気軽に確認することができるのです」
――――システムを導入後に成果がありましたら、教えてください。
「風通しのよいコミュニケーションが取れるようになったことですね。面談などのログを確認した後、僕がコメントを入れられます。そうすることで社員たちは『自分の話を聞いてくれた』『見てくれている』という安心感を得られるようです。アシスタント1年目でも会社のことを気に掛けてくれていますし、それを実感できたことは大きな成果だと思っています」
社員が長く働くために始める新事業
――――現在はお客さまの大半が外国人とのことですが、今後もターゲットは変えずに運営されていく予定ですか?
「いえ。実は今、日本人向けにシフトしていこうと検討しているところです。今は2020年の東京オリンピック開催を控えて勢いに乗っている状況ですが、もし、また日本で大きな災害が起きたらと考えると集客を外国人中心にすることは、すごくリスキーだと感じています。そこで日本国内で長期的に利益を出していく案として、高齢者を対象にした訪問美容をスタートさせる予定です」
――――訪問美容とは意外です! これまでのデザイン重視のサロンワークから大きく変化しますね。
「社員のキャリアパスの一環として考えています。スタイリストは、年齢を重ねていくうちに若い時と同じ仕事量をこなすことが難しくなってきます。また、子育てと並行しながら美容師を続けたいスタッフもいますので、いろいろな美容師人生を提供していくことが社員の幸せや将来のためになると思っています。すでに5名ほどこの新プロジェクトへの参加を希望していますよ」
――――訪問美容はどれほど拡大する見込みのある事業なのですか?
「高齢化が始まっている今、この事業の必要性と需要は一目瞭然です。けれど、クリエイティブを追い求めるサロンワークとは異なるので、他のサロンもなかなか着手しづらいというのが現状なのかな、と思っています。利益面でも見込みはしっかりと立っていますよ。現在、訪問美容のカット料金は1人あたり2,500〜3,000円ほどで、1時間に担当できるのは3人程度。今後は老人ホームの需要が一層高まっていくにつれ、カット料金はおそらく5,000〜6,000円くらいまで上がってくるでしょう。ここで一定の利益が出せれば社員も安心して働けますので、今のうちにスタートさせたいと思っています」
「長く太く」の関係性を気付く集客方法
――――その他にも集客するために行っている取り組みがあれば教えてください。
「今の日本ではインターネットにお金をかけて顔の見えない大勢に働きかけるよりも、リアルな紹介を重視したPtoP(ペアトゥペア)マーケティングが合っていると思っています。そこで用意したのが、スタッフが働けるバー。デビューしたてのスタイリストなど希望者は、夜にバーテンダーとして立ってお客さまと交流をしながら顧客をつかむという仕組みです」
――――画期的な案ですね。お客さまにとってもサロンへの初訪問のハードルがグッと下がりますね。
「そうなんです。美容室って飲食店などと違って、行ってみて印象と違ったから店を出るというわけにもいきませんよね。であれば、足を運んでもらう前に関係性を作って、太く長く付き合っていく方が確実にお客さまをつかめるのです。そういったリアルな紹介を獲得するためのワンクッションになれば、と思いバーを始めました」
――――個性的なスタッフが揃う「ASSORT」だからこそできる、新しい集客のカタチですね。
「スタッフのなかには自分たちでTシャツを作っているメンバーもいます。彼らのアイテムを展示する場にもなっていますよ。こういった事業や値段の改定など、新しい取り組みはやってみなければわからないことばかりです。だからこそ、いつでもフットワーク軽く、柔軟であり続けることが大切だと思っています」
社員の幸福度を維持する経営の極意
社員が年齢を重ねて「ASSORT」で美容業をいけるよう邁進し続ける小林さん。日常のフォローから未来を見据えた戦略まで取り組まれるなかで、下記3つの極意を教えていただきました。
1.新ツールを積極的に用いて、風通しのよいコミュニケーションを取る
2.未来のビジネスを見据えて経営戦略を打つ
3.集客はリアルな紹介を重視する
海外展開や新事業スタートなど、独自の経営スタイルを貫く「ASSORT」の動向にこれからも目が離せません。
▽前編はこちら▽
世界5カ国に展開するインターナショナルサロン!外国人に支持される『ASSORT TOKYO』の信頼獲得術>>