食べることは美容師の基本!SENTAC セキタカシさん流ライフスタイル #2
前回、more rejob で朝活・夜活への取り組みを紹介して好評だったSENTAC(センタク)代表のセキタカシさん。
美容激戦区・原宿で20年以上、美容師を続け、以前在籍していたサロンでは一般女性誌などで撮影の仕事もこなしていましたが、「部屋がおしゃれ」「料理が上手」など、美容以外の取材でたびたび誌面に登場するなど、以前からそのライフスタイルにも注目が集まっていました。
朝の時間を利用した朝食会を発端に、2011年12月、原宿に独立開業してからは、ヨガや座禅をする朝活や専門講師を招いてサロンで一般のお客様向けにミニ講座を行う夜活など、サロン発の異業種交流を続けてきたセキさん。
じつは食にも造詣が深く、料理をつくるのはもちろん、自宅のベランダで家庭菜園を耕し、実際収穫したものを家族や友人と楽しむなど、仕事を続けながら、趣味までも謳歌しています。そんな素敵なライフスタイルの原点を聞きました。
健康じゃないとお客様を幸せにできない
――美容師さんは忙しくて、食事もまともに摂れない印象がありますよね。
「今はどうかわからないんですが、僕がもっと若かったときは、食べないことがカッコいいみたいな風潮がありましたよね。忙しいから、という理由もありますが食べることよりファッションにお金を投資しろ、みたいに先輩たちから言われていました。食費を削って洋服を買う、というような。実際、以前いたサロンでまわりの若いスタッフを見ていると、食べなくてもやっていける子とそうでない子がいることに気がついたんです。若いし、食べ盛りなんだから、本当は体によくない。忙しいからと先輩がごはんを食べずにやっていたら、下の子たちだって食べづらいですよね。前サロンでは、僕が率先して裏でおいしいお米でご飯を炊いたり、おかずを持ち寄ったり、本当によく食べていました(笑)」
――食べることは生きていく基本だ、とよく言いますよね。
「そうなんですよ。食に興味のあるスタッフは、いろんなことにも興味があるんですよね。たとえばお客様が何か、特別な経験をなさったという話をしても、リアクションが違うんです。食いつきがいいというか瞬発力がある。そこから会話も広がるんですね。でも食に興味のないスタッフは、ハ~そうですか~という感じで、反応が薄く会話が続かない。もちろん一概には言えないのですが、やっぱり僕たち美容師って、髪の毛だけでなく、お客様のライフスタイルのすべてを知ったうえで、ヘア&メイクのサポートをしたいじゃないですか? 正直、お客様のほうが何倍も意識が高いわけですから、それではダメだな、と。せめて少しでも人間らしい生活をして、お客様とそうしたライフスタイルを共有したい。それには食べること、食への興味も1つの選択肢だと思ったんです」
食を通して、人とつながる
――自宅でよくBBQをする、と聞きましたが、どんな方が集まるんですか?
「僕や奥さんの友人、息子の友人とその家族、ときにはマンションの向かい側の方までお招きして、BBQをしています。(取材を受けた週の)祝日もちょうどやっていたんですよ。自宅が、ベランダのほうが広いか?という造りで、家庭菜園もそこでやっています。土からこだわって、野菜や果物をつくっているんです。以前はお米もつくっていましたし(笑)燻製器で燻製もしますよ、おいしいんですよ。原宿で働いていても、心は郊外にあるというか、好きなんですよね。こうしたことが」
――最近、また違う活動が増えたそうですね。
「BBQなどで 息子の友人のお父さん・お母さんと話していると、皆さんカットに困っていると。新規客としてご来店もいただくんですが、なかなか思うように来られない人もいて、2年前に1度頼まれて、子どもカット講座をサロンで開いたんです。1人1500円から最近は2000円にアップしましたが、道具はすべてこちらで揃えて、カットの仕方を一から教えるという講座です。小さい子用のクロスとハサミ、コームも用意してプレゼントしました。おかげさまで好評で、この前4回目の講座を終えたばかりなんです。
やっぱり最初にワイワイと、一緒に飲んだり食べたりしているからか、皆さん、わりと気軽に参加してくれていますよね。僕としてもお役に立てるのはうれしいですしね。自分は美容師ですから、息子の髪はいつでもカットできますが、忙しいお母さんなど、ちょっとここを切りたいと、チャレンジしたくなりますからね」
美容師として、人として生きていく
「知人の紹介で、映画の専門学校でヘア&メイクの講座を受け持っているんですよ。ヘア&メイク科というところがあって、髪の毛の基本的な扱い方から映画の中のヘアスタイルについて、1コマ90分の講義を多い日で4コマとか。平日の昼間なので、サロン営業は休まなければならないですが、多くの美容師の中から、僕を選んでくれたことと、僕自身、改めて映画製作という視点からヘア&メイクを見直すよいきっかけになって、とてもいい刺激をもらっています。
僕たち40代後半の美容師は、50代、60代の先輩方の背中を追っかけながら、自分たちで試行錯誤して美容を学び、今があるわけですが、そこから学んだものをしっかりと次の世代に伝えていければと思っています」
取材・文/山岸敦子
撮影/石田健一
Shop Data
SENTAC(センタク)
2011年12月、セキタカシさんがスタッフ3人(当時)と開いた、“大人のためのサロン”がコンセプト。原宿・明治通りの裏手の閑静な住宅街に位置。大きな窓から日差しがたっぷりと差し込み、サロンというより、友達のデザイン事務所に遊びに来た、という感覚の、こぢんまりとした造りも特長。朝活・夜活の様子は、Face Bookからも閲覧できる。
http://sentac.jp/
https://www.facebook.com/sentac.jp/
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