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特集・コラム 2024-06-03

介護事務は資格なしでも働ける!主な業務やおすすめ資格5選、活躍の場について紹介

介護事務の仕事に興味関心がある方の中には、業務に必要な資格はあるのかどうか気になっている方も多いのではないでしょうか?介護事務の業務内容や必要なスキル、関連する資格について知っておくことで、具体的な仕事のビジョンを描けるでしょう。

本記事では、介護事務の仕事の概要や求められる3つのスキル、キャリアの幅を広げるのにおすすめの資格、資格をとる方法、資格が役立つシチュエーションについて解説します。

介護事務の具体的な仕事内容や資格について知って、希望する職場に転職を果たしましょう。

介護事務の主な仕事内容とは?


介護事務の仕事内容には、介護給付費明細書(レセプト)の作成や請求書の作成、受付・窓口業務など、事務業務や受付業務などが幅広く該当します。また、現場スタッフのシフトを作成し、スタッフや利用者と円滑にコミュニケーションをとる必要があります。

介護事務の主な仕事内容を把握して、自分が働く場面をイメージしてみましょう。

1.介護給付費明細書(レセプト)の作成

介護給付費明細書(レセプト)の作成は、介護事務の主な業務のひとつです。利用者に対して介護サービスの記録をもとに介護給付費を計算して、保険者や利用者が支払う医療費や各自治体が負担する金額を算出して記載します。その後、サービスを提供した翌月10日までに自治体の国民健康保険団体連合会宛てにレセプトを提出しなければなりません。

レセプトの内容に不備があると診療報酬が受けられません。そのため、介護事務は何枚もあるレセプトを正確かつテキパキと仕上げていく必要があります。

2.利用者に対する請求書の作成

利用者がサービスに対して支払う利用料金の請求書・領収書を作るのも介護事務の仕事です。利用者負担は1〜3割程度ですが、利用者の所得によって請求金額は異なります。利用者ごとの状況を考慮して、請求書・領収書をミスなく作成しなければなりません。

3.電話や来客対応などの窓口対応

介護事業所の事務職として働いていると、利用者や医療機関、福祉・介護事業者などからの電話に対応し、来訪者がいれば窓口で対応しなければなりません。相手によって応対の仕方を変え、適切な組織・人に取り次ぐ必要があるので、柔軟な対応力が求められます。

4.勤怠・経理管理

スタッフのシフトを管理して給与計算し、事業所の支出・収入を計算する経理業務なども業務の大きなウェイトを占めるのが特徴です。また、事業所が新たに雇用したスタッフの雇用条件通知書を作成するなど、労務関連の事務作業に従事する場合もあります。

5.現場スタッフのサポート

現場スタッフの人員が足りていない時や事務作業の手が空いている時は、現場スタッフの業務をサポートすることもあるでしょう。事業所によっては、備品補充や施設整備、介護支援専門員の補佐、介護事務でも対応できるような軽作業に従事することもあります。

介護事務に求められる3つのスキル


介護事務には必須資格はありませんが、業務に取り組む上で求められるスキルや素質がいくつか挙げられます。ここでは、介護事務の仕事に必要なスキルを確認しましょう。

レセプト業務を行うのにPCスキルは必須

介護事務の仕事はPCを使用した事務作業が主な仕事です。そのため、パソコンの使用方法や、Word・Excelなどの基本的なソフトの使い方を知っておく必要があります。

手書きのイメージが強い介護事務ですが、レセプトやその他の請求書作成はパソコン作業になっており、関係機関への連絡もEメールを活用することがほとんどです。

介護事務の現場では、パソコンの基本的な操作やソフトウェアの活用スキルが求められることを念頭に置いておくといいでしょう。

関係者とのコミュニケーションスキル

介護事務の仕事は、介護職員とのコミュニケーションや施設利用者・利用者の家族とのコミュニケーションをとるケースも多いです。基本的なコミュニケーションスキルがあり、円滑なコミュニケーションがとれる人材が、介護事務の仕事に向いているでしょう。

介護保険に関する知識

介護事務の業務は介護報酬を請求する際に、介護保険制度に関する知識があり、間違いなく介護報酬を請求できる必要があります。介護報酬請求は、施設職員や施設が受け取るべき報酬金額を決定する上で重要な請求業務です。

介護保険に関する知識や介護報酬請求のスキルを資格などで証明できれば、実践的なスキルを効果的にアピールでき、未経験からの介護事務就職にも役立つでしょう。

キャリアの幅が広がる!介護事務におすすめの資格5選


介護事務が特定の資格を取得しておくと、就職・転職、キャリアアップに有利に働きます。ここでは、介護事務が取得しておきたい資格と講座について見ていきましょう。

キャリアアップや待遇改善に役立つあるおすすめの資格は以下で紹介しています。

介護のお仕事に役立つ資格を紹介|仕事の幅が広がるおすすめ資格とは?

1.介護事務管理士

技能認定振興協会が認定する介護事務管理士は、介護事務に関する一定の知識・スキルを証明する資格です。技能認定振興協会が実施する介護事務管理士技能検定試験に合格することで資格を取得することができます。

介護事務管理士技能検定試験は、日本初となる介護事務に関するスキルを証明する資格試験として2000年より開始されました。法規、介護請求事務などの学科試験と、レセプト作成問題などの実技試験が設けられており、一定の点数をとると合格できます。

2024年4月現在は新型コロナウィルス感染症の感染拡大に基づき、会場試験を中止しており、在宅受験で試験を実施しています。試験の合格率は70%前後です。

受験資格や年齢制限は特に設けられていないので、誰でも試験を受けることが可能です。

介護事務管理士については、別記事で詳しく紹介していますので併せてご覧ください。

介護事務管理士ってどんな職業?資格の概要や取得のメリット、おすすめの講座を紹介

引用元

JSMA 技能認定振興協会:介護事務管理士®技能認定試験とは

介護事務管理士を目指せる講座を紹介

介護事務管理士の資格を取得するための勉強法として、通信講座を利用するのもおすすめです。人気がある通信講座としては、わずか3カ月の短期間カリキュラムで学ぶことができる「ユーキャン」の介護事務資格取得講座があります。

引用元

ユーキャン:介護事務講座

また、豊富なテキスト量で介護事務に関する知識をより詳しく学べる「ソラスト」の介護事務講座などがあります。こちらは最短で1ヵ月(在籍期間は最長12ヵ月)の通信講座となっており、自宅で学習を進めながらオンラインでレポートを提出します。その後3~6回のWebテストを受け、すべてに合格すれば修了となります。

引用元

ソラスト教育サービス:介護事務講座

2.ケアクラーク

日本医療教育財団が実施するケアクラーク技能認定試験は、介護事務従事者に求められる知識と技能を認定する試験で、1998年より開始されています。試験合格者には「ケアクラーク」の称号が与えられます。

ケアクラーク技能認定試験は、介護事務従事者の技能の程度を評価・認定し、介護事務の職業の社会的地位・職業スキルの向上を目的として開催されています。

試験は5月、9月、1月の年3回、在宅で実施されています。学科(介護事務知識/筆記)・実技(介護報酬請求事務/介護給付費明細書作成)の試験科目があります。こちらも受験資格はなく、誰でも受験が可能です。

ケアクラーク技能認定試験を取得することで、介護事務の基本的な知識と実践的なスキルを保有していることをアピールできます。

引用元

一般財団法人 日本医療教育財団:ケアクラーク技能認定試験

試験対策に役立つ講座を紹介

ケアクラークの資格取得のための通信講座として、「ニチイ」の介護事務講座があります。通信講座の期間は4か月となっており、自宅にいながら講師の添削を受け、自分のペースで勉強を進めていくことができます。

受講期間の延長制度や質問回答システムといった、無料のフォロー体制も充実しているため、育児や仕事で忙しい人も無理なく受講することができます。

引用元

ニチイ 学びネット:介護事務講座

3.介護事務実務士

医療福祉情報実務能力協会が行っている介護情報実務能力認定試験は、介護報酬請求事務の業務で求められる能力を有することを証明する資格試験です。介護施設だけでなく、長期療養型病床を持つ医療機関でも必要とされる能力のため、同資格を取得することでキャリアの選択肢や活躍の場を広げることができます。

現在、協会指定校における団体のみで試験が実施されているため、試験日時、試験会場などは公開されていません。詳しくは受講先に確認する必要があります。

引用元

医療福祉情報実務能力協会 :介護事務実務士

試験対策に役立つ講座を紹介

介護情報実務能力認定試験の合格を目指すための講座には、ヒューマンアカデミーが主催する「介護保険請求事務講座」があります。介護施設や医療機関で必要とされる知識やスキルを、基礎からマスターを目指せます。

講座の修了に必要な全5回の添削課題を一定以上の成績でクリアすることで、「介護事務士」の資格を取得することができます。介護事務士の資格取得のために学んだ知識やスキルは、介護実務士の資格取得にも生かすことができるでしょう。

引用元

ヒューマンアカデミー たのまな:介護保険請求事務講座

4.介護事務士

全国医療福祉教育協会では、介護事務士認定講座として介護保険請求事務講座(ヒューマンアカデミー通信講座)が開設されています。受験の必要はなく、講座を修了することで介護事務士の資格が認定されます。

引用元

全国医療福祉教育協会:介護事務士

試験対策に役立つ講座を紹介

ヒューマンアカデミーでは、介護報酬請求事務技能検定試験を目指す人を対象とした介護事務講座が開設されています。講座修了には全5回ある添削課題を一定の水準でクリアすることが必要で、講座の修了と同時に介護事務士の資格を取得することができます。そのため、きちんと学習して課題をこなせば100%資格を取得することができます。

引用元

ヒューマンアカデミー たのまな:介護保険請求事務講座

5.介事管理専門秘書検定

日本能力開発推進協会が実施する介事管理専門秘書検定は、介護報酬請求・ケアマネージャー補助業務・介護福祉制度・医療スタッフのメンタルケアなど、介護業務におけるさまざまな知識とスキルを証明する検定試験です。試験に合格することで、「介事管理専門秘書検定資格」の称号が与えられます。

受験資格は、「日本能力開発推進協会が認定する教育機関等での教育訓練において、全カリキュラムを修了した者」となります。試験は、カリキュラム修了後に在宅にて受けることができます。

引用元

一般財団法人 日本能力開発推進協会:介事管理専門秘書検定

試験対策に役立つ講座を紹介

日本能力開発推進協会が認定する通信講座に、「キャリアカレッジジャパン」の介護事務講座があります。講習期間は3カ月間となっており、テキストや映像、またスマホを活用しながら短期間でスムーズに学習を進めていくことができます。キャリアカレッジジャパンの特徴としては、他の講座では学べないコミュニケーション技術やメンタルケアについても学習できるという点が挙げられます。

講習修了後に介護事務資格の試験を在宅で受け、合格すれば介護事務資格を取得することができます。

引用元

資格のキャリカレ:介護事務講座

介護事務の資格を取得する3つの方法


介護事務の資格を取得する方法は、主に通学・通信制のカリキュラム・独学の3つです。それぞれの魅力と注意点について確認しましょう。

1.スクールに通って学習する

介護事務の資格の中には、指定校で特定の講座を受講した後に試験を受験できるものがあり、試験合格を目指すための短期講座を開講している教育機関もあります。

スクールに通って学習するメリットは、対面授業で疑問点や不明点を解決しやすい点です。また、他の受講生たちと一緒に学ぶことでモチベーションを維持しやすいでしょう。

ただし、受講料が高額になることもあるので講座選びは慎重に行いましょう。

2.通信制のカリキュラムで学習する

通信制のカリキュラムや通信制と通学のミックスで続けやすいタイプの講座もあります。

学校に通う時間的な余裕がない方でも通いやすいのがメリットですが、通学制よりも学習期間が長くなってしまうケースが多い点には注意しましょう。

通信制で学ぶ内容やメリットについては、以下の記事でも紹介しています。

介護事務関連の資格を取得するための通信講座について

3.介護事務の資格は独学でもOK|勉強に役立つ本を紹介

独学で介護事務について学ぶ場合、必須となるのが介護事務に関する専門書籍です。介護事務の勉強に役立つおすすめの書籍を2冊紹介します。

ここで紹介する書籍以外にも、介護事務の勉強に役立つ書籍を別記事で多数紹介しているので、併せてご覧ください。

介護事務管理士の資格とは? おすすめの勉強方法とテキスト&問題集10選を紹介

『いちばんやさしい「介護事務」超入門』

2021年の介護報酬改定に対応している書籍です。介護事務の仕事をする上での基本的な知識、介護保険の仕組み、介護報酬請求(レセプト)の書き方など、介護事務に関することを詳しく解説。また、介護事務職からのキャリアアップについても述べられています。

序章:介護事務の仕事って何?私にもできるの?
第1章:ゼロからわかる介護保険制度の基礎知識
第2章:介護サービスの種類と介護施設の施設知識
第3章:介護報酬制定の基礎知識
第4章:居宅サービスの算定ポイント(資料編)
第5章:練習問題に挑戦してみよう!(介護の基礎知識&介護報酬請求書の作成編)

出版社

ぱる出版:いちばんやさしい「介護事務」超入門』

著者:本間 清文

最新図解 スッキリわかる!介護保険 第2版 基本としくみ、制度の今とこれから

介護保険制度の基本的な仕組みから、制度改正の変遷、介護サービスにまつわる最新情報まで解説されています。介護の現場で知っておきたい知識が詰め込まれた一冊です。

序章:マンガでわかる!ケーススタディ
第1章:介護保険の基本
第2章:介護保険サービスを利用するまで
第3章:ケアマネジメントと利用料
第4章:介護保険サービスの種類
第5章:制度財政とお金の流れ
第6章:そもそも、なんで介護の「保険」?利用できる介護サービスは?
第7章:付録資料

出版社

ナツメ社:最新図解 スッキリわかる!介護保険 第2版 基本としくみ、制度の今とこれから

著者:高野龍昭

介護事務が活躍できる職場


介護事務が活躍できる職場は幅広いです。たとえば、以下のような施設が該当します。

・特別養護老人ホーム:在宅での生活が困難な要介護老人向けの介護施設
・デイサービス:施設で日常生活の支援や機能訓練を行う通所介護施設
・介護老人保健施設:病気やケガで入院し、生活復帰のための訓練を行う施設
・グループホーム:認知症高齢者同士が共同生活する施設
・居宅介護支援事業所:在宅介護の相談・計画・連絡・調整を引き受ける施設
・訪問介護事業所:自宅での生活に復帰するための訪問介護を提供する施設
・福祉用具レンタル事業者:要介護者の機能訓練のために福祉用具を貸し出す施設

このように、介護事務は幅広い介護・福祉施設で活躍できるポテンシャルがあるのです。

介護事務の資格が役立つ3つのシチュエーション


介護事務関係の資格を保有していることで、役立つシチュエーションとして想定できるのは、就職活動や実際の職場で知識・スキルを活用する場面が多いケースです。ここでは、介護事務の資格がどのように役立つのか、確認していきましょう。

1.就職活動で有利に働くケースもある

介護事務の資格取得は、就職活動の場面で有利に働くケースがあります。施設の募集要件に「未経験歓迎」と記載されているような案件でも、全くの未経験の人材を採用するよりは、資格を保有していて知識・スキルが保証されている人材の方が優遇されるでしょう。

2.介護事務として転職する場合にも有益

介護職とは全く関係のない業種や職種、介護職の中でも事務職以外の職歴をもつ方が、介護事務として転職したいという場合にも、介護事務の資格保有は有利に働きます。

介護・福祉業界に特化した求人サイトのリジョブなら、雇用形態や給与形態、Wワークのありなし、ボーナス賞与のありなし、未経験OKかどうかなど、検索条件を事細かに設定できるので、自分の希望に沿った求人が見つかる可能性が高いといえます。

自分が求めている条件で介護事務に転職したいと考えている方におすすめです。

介護事務の求人・転職・募集

3.介護保険の知識を日常生活でも活用できる

介護事務の資格を取得するための勉強では、介護保険に関する科目を学習します。介護保険は40歳になると加入が義務化される保険です。そのため、介護現場で知識やスキルを使うことがなくても、実生活で介護保険の知識を有効活用できる場面も多々あるでしょう。

介護事務は未経験でもOK!資格取得でさらなるキャリアアップも目指せる


介護事務の業務に従事する上で、資格の取得は義務ではありません。ただし、資格を取得すると、介護報酬請求や介護保険に関する知識を証明できるので、就職や転職を希望する方や、キャリアアップを目指している方は取得しておいて損はないでしょう。

資格取得の方法には通学や通信、独学などがあります。自分の学習スタイルやかけられる予算によって、資格取得のための学習方法を選んでみてはいかがでしょうか?

コスト・難易度の面を考慮しつつ、就職を希望する施設でどのような知識やスキルが求められているのかを基準に、資格取得を目指すべきか検討しましょう!

介護事務の仕事を探すのにおすすめなのがリジョブです。未経験OKな求人や福利厚生が充実している求人など仕事の種類が豊富。加えて、転職満足度が98%のサービスなので、自分自身の希望とマッチした求人が見つかる可能性が高いでしょう。

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※ リジョブ経由で採用された1,242名を対象に実施した満足度自社調査より(実施期間:2023年2月8日〜2023年3月8日)

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