【2022年】ケアマネジャー試験の概要を紹介|ケアマネジャー資格が人気な理由とは
難易度が高く、受験地が限られているなど注意点も多い資格であるケアマネジャー。この資格は、介護関連業務でキャリアアップを目指す方に人気です。
今回は、この資格を取得するための試験概要および受験するための手続きについてくわしくご紹介します。
ケアマネジャー試験(介護支援専門員実務研修受講試験)の概要を紹介
介護保険法にもとづいて実施される介護支援専門員、いわゆるケアマネジャーは都道府県が実施する試験への合格が必要な公的資格です。
受験を検討している方に向けて、東京都における試験の概要や内容を解説します。間違えると受験できないので、準備を進める方は間違いのないように注意しましょう。
ケアマネジャー(介護支援専門員)とは
ケアマネジャーとは実際に現場などで利用される呼び名ですが、正式名称は介護支援専門員です。
介護保険法によって明記されている資格のため、国家資格と勘違いしている方も珍しくありません。しかし、厳密には厚生労働省令によって都道府県知事が実施する試験で取得できる公的資格です。
ケアマネジャーはどんなお仕事をするの?
介護や支援を必要とする利用者さんの要望に応じて、ケアプランを作成するのがおもな仕事です。具体的な業務内容は、要介護に認定された利用者さんの状況によって異なります。
在宅の場合には面接のうえで必要なサービスを検討し、ホームヘルパーやデイサービスなどの事業者との連携が必要です。一方、入所施設タイプの利用者さんなら、施設内にあるサービスの利用を検討してそれぞれプランを立てます。
ケアマネジャーの仕事内容が知りたい! ケアマネジャーになるにはどうすればいい?
介護支援専門員実務研修受講試験の概要を紹介
この資格を取得するために必要な試験は、介護支援専門員実務研修受講試験です。今回は東京の試験の概要を記載しますが、状況によって試験を受ける受験地は異なります。自分で希望受験地の選択はできませんので、間違えないように注意してください。
また、社会福祉振興・試験センターの公式ホームページに都道府県ごとの担当窓口が掲載されているので、確認しておきましょう。
いつ・どこで実施されるの?|2022年10月9日(日)
東京で実施されるのは、2022年10月9日(日)の予定です。なお、受験地が東京都にあたる方は申し込み日時点で下記に該当する方となっています。
・業務の勤務先が東京都
・勤務していない場合には住所が東京都
ほかの都道府県でも、条件は同様です。東京都の場合、試験会場は東京都内の大学を予定しており、詳細は受験票に掲載されています。
どんな試験方法なの?|五肢複択方式で60問
試験方法は5つの選択肢から選ぶタイプの方法です。解答用紙は該当番号を塗りつぶす方式で、マークシートやマークセンスと呼ばれる用紙が使われます。
どんな問題が出るの?|介護支援分野・保健医療福祉サービス分野
問題数は合計60問で、介護支援分野に関しては25問、保健医療福祉サービス分野に関しては35問となっています。
すべての受験者は合計60問を解答する必要があり、免除の条件などはありません。なお東京都の場合、東京都福祉保健局のホームページから過去の試験問題をダウンロードできます。
合格発表はいつ? 合格率はどれくらい?|2022年12月2日(金)
合格発表は、2022年12月2日(金)を予定しています。過去の合格割合は下記のとおりです。
<東京>
・2019年度:27.0%
・2020年度:23.1%
・2021年度:27.7%
<全国>
・2019年度:19.5%
・2020年度:17.7%
・2021年度:23.3%
過去3年間で東京は3割を切っており、全国においてはさらに低くなり2割以下が2年続いている状況です。そのため、とても難易度が高い試験であることがわかるでしょう。
ケアマネジャー試験の合格率はなぜ低いの?
試験の合格率が低い理由として、質の向上が求められており、問題がむずかしく設定されているようです。
高齢化社会が進む日本では、ケアマネジャーの需要が求められています。しかし、需要が多いからといって技術をもたない人物がケアマネジャーになれば適切な介護を受けられません。期待したサービスを提供できるようにするため、問題がむずかしく設定されています。
さらに経験も必要とされるため勤務しながらの勉強になるケースも多く、資格取得を考えている方は対策をきちんと練らなければいけません。
ケアマネジャーの合格率はどれくらい? 難易度が高い理由とは|受験対策のポイントを紹介
申し込みから合格後までの流れを解説!
試験の概要がわかったら、次は試験を受けるために申し込みをしなければなりません。
ここでは、2022年度の東京都の試験を例に申し込みをしてから合格するまでの流れをくわしく解説します。
【2022年】ケアマネジャー試験の願書はいつから配布?|申し込みから合格後までの流れを解説
1. 受験申込書類の配布期間を調べよう
東京における受験申込書の配布期間は、2022年6月1日(水)~6月30日(木)の間となっています。
郵送の場合には当日消印も有効ですが、過ぎてしまわないように余裕をもって手続きしましょう。また、直接持ち込む場合は営業時間などもチェックしておくことが大切です。
2. 受験申込書類を受け取ろう|郵送でも請求できる
受験申込書の受け取り方法は、配布場所での受け取りもしくは郵送申請の2種類です。
<受け取り場所>
・各区市町村介護保険課担当窓口
・東京都庁(第一本庁舎または第二本庁舎の1、2階にある案内窓口)
・東京都福祉保健財団
<郵送請求先>
〒163-0719
東京都新宿区西新宿2-7-1小田急第一生命ビル19階
公益財団法人東京都福祉保健財団
人材養成部 介護人材養成室 ケアマネ試験担当 宛
※郵送請求時注意
角2サイズの封筒に申込者の名前と住所を明記し、250円切手の返信用封筒を同封します。このとき、表面に「令和4年度受験要項送付希望」と明記しましょう。
3. 受験料を振り込もう|1万2,800円+手数料
受験時は手数料の振込が必要で、金額は1万2,800円です。なおコンビニエンスストアでの振込となりますが、振込時に手数料が別に100円かかります。
4. 受験申込書類を送ろう|簡易書留で発送しよう
受験の申し込み申請方法は簡易書留のみです。一般郵便だけでは受け付けてもらえませんので、注意してください。
当日消印有効ですが書留はポスト投函できないため、必ず郵便窓口の営業時間も確認して準備しましょう。無事に受験申し込みが受理されたら、受験票が送付されます。
5. 介護支援専門員実務研修受講試験を受けよう
受験票が送付されたら、当日を迎えるまでに準備しましょう。東京の会場は都内の大学ですが、受験票に場所が掲載されているので、間違えないように確認してください。
6. 合格したら介護支援専門員実務研修を受けよう
無事に合格しても、手続きは終わりではありません。合格後には、実務研修の受講が必要です。
2022年度の東京では15日間計87時間の講義と演習に加えて、実際の事業所における3日間の実習で構成されています。実務研修も、自分で申し込み手続きが必要です。
なお、合格後の期限は設けられていません。目安としては合格後1年以内の受講が望ましく、かつケアマネジャーになった方も5年ごとに更新が必要です。
ケアマネジャーの実務研修とは? 日程と内容を紹介|実務研修の申込方法とは
7. ケアマネジャーの新規登録申請をして専門員証を交付してもらおう
介護支援専門員実務研修を終了したら、次に介護支援専門員資格登録簿に新規登録を申請します。
登録先は試験を受けた都道府県知事に対してですが、東京の場合は東京都福祉保健財団宛に登録申請が必要です。下記2点を同封し、交付先へ送付します。
・実務研修の修了証明書の写し
・縦3.0cm横2.4cmの6ヶ月以内に撮影した証明写真
なお、申請後に手数料1,000円の納付が必要です。登録されれば、介護支援専門員証が送付されます。この証書がなければ、ケアマネジャーとして勤務できません。
なぜ? ケアマネジャー資格が人気な3つの理由とは
ケアマネジャーは難易度が高いですが、資格取得を希望する方が多く人気の高い資格です。ここでは、なぜほかの資格と比較して人気が高いのかをご紹介します。
1. 所有資格や実務経験を活かせる
自分が持っている資格や経験を活かせるのが大きなポイントです。ケアマネジャーを受験するためには、医師や看護師、理学療法士などをはじめとした特定資格を持つ実務経験が必要となります。
誰でも受けられる条件ではないため資格としての価値が高く、かつ経歴を活かしたキャリアアップとして役立つでしょう。現在の業種から転職や昇進を目指す方にとって、新たにチャレンジしたい分野のひとつとなる資格です。
2. 夜勤がないため働きやすい
夜勤がない点も、ケアマネジャーの人気が高い理由のひとつです。プランの策定や連携がおもな業務内容で、入所者を夜間見守るといった仕事がなくシフト制で体に負担を感じている方の転職先として考えやすくなります。
独身の方に家庭ができたケースなど、妊娠や出産などライフスタイルが変化する際に合わせてキャリアアップも検討すると、選択肢として考えやすくなるでしょう。
3. 給与が高い
勤務体系で考えると比較的給与が高い点も、人気がでやすい理由のひとつです。2021年に厚生労働省の調査で公表された、介護職の平均賃金は下記のとおりで、社会福祉士についで給与が高くなっています。
・社会福祉士:36万3,480円
・介護支援専門員:36万2,290円
・介護福祉士:32万8,720円
・実務者研修:30万7,330円
・介護職員初任者研修:30万510円
・資格なし:27万1,260円
ケアマネジャーの資格取得はメリット多し! 合格を目指そう
ケアマネジャーは平均給与が高く夜勤も少ないため、ワークライフバランスを保ちやすい資格です。とくに必要とされる実務経験が限られているため、介護関連にキャリアアップを考えている方の候補に入りやすく、人気が高い傾向にあります。
しかし、試験は難易度が高く、勤務しながらの受験となるケースが一般的なので、きちんと準備をしたうえで合格を目指しましょう。
引用元サイト
東京都福祉保険財団 令和4年度 東京都介護支援専門員実務研修受講試験
厚生労働省 第24回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について
厚生労働省 令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果
175/297ページ 第99表 介護職員の平均給与額等(月給・常勤の者),サービス種類別,保有資格別(処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)を取得している事業所)