サロン勤務経験3ヵ月から4年で人気店へ。ネイリスト megさんの似合わせ&時短術

わずか3ヵ月のサロン勤務経験で独立。個人サロンを開業したあとは、エッジの効いたスタイリッシュなデザインで人気となり、4年で路面店に移転。今では6名のスタッフを抱え、オンラインサロンは120人が一瞬で定員に。インスタフォロワーは4万人を超える人気ぶり…。まるで奇跡のような成功を収めているのが、福岡県北九州市にある「Nail Salon”R”」のオーナーネイリストmegさんです。

前編では、「似合わせ」と「時短」を武器に人気店に登りつめた軌跡を伺います。その裏にあったのは、ある先生への憧れとストイックに努力する姿勢でした。

お話を聞いたのはmegさん。

megさん

「Nail Salon”R”」オーナーネイリスト。ジェルネイルブランド「edit.」アートディレクター。サロン勤務3ヵ月で独立し、個人サロンは4年で新規受付を一時停止するまでの人気店に成長。現在はセレクトショップを経営する夫と、同じテナントで路面店を経営し、6名のスタッフを抱える。2児の母。

 憧れの先生にインスパイアされ、自分のデザインを確立

楽しそうに施術をするmegさん。
「ネイルは仕事だけど、100%本気で遊んでいる感じです」

————サロン勤務3ヵ月で退職されてすぐに独立したそうですが、すごいチャレンジですね。その理由は?

シンプルに人間関係でいろいろとあり(笑)、若かったのもあって、ネイルサロンってどこもこんな感じなのかな、と。だったら自分でサロンを立ち上げようと思ったのがきっかけです。繁華街の近くにマンションを借り、朝の5時まで営業するスタイルで、サロンをスタートさせました。そうすれば、飲食店などに夜間勤務している人が来てくれるのではないかと考えたんです。ところが、当時はSNSがまだそこまで盛んでもなかったため、集客のツールがなく苦労しました。その後、結婚、妊娠と続き、サロンは閉めてしまったのですが、ネイリストとして活躍する夢は持ち続け、子どもが1歳6ヵ月になったとき、今度は自宅にサロンを開きました。

————なるほど。自宅サロンではどうやって集客をしたのですか?

デザイン付け放題で4,000円のメニューを作ってFacebookに掲載したことで、集客ができるようになりました。やはり最初は経験もそこまでないので、金額で差をつけるしかないのかなと。ですがリピーターの方がだんだんと増え、徐々に経営が軌道に乗るようになりました。その後、2人目を出産したので、自宅で2人の子どもを見ながら仕事をするのはもう難しいだろうと思い、自宅のあったマンションに別部屋を借りて、本格的にサロンをオープンしたんです。

————多くのお客さんがリピーターになってくださった理由は、どこにあると分析していますか?

徐々に自分らしいデザインが確立できたことが大きかったと思っています。転機になったのは、筒井のぞみ先生のネイルデザインを見たことでした。その頃はネイルデザインというとコンサバっぽいものが多かったのですが、先生のデザインはものすごくエッジが効いたスタイリッシュなものが多くて、一目見てこんなデザインを作りたいと思うようになったんです。先生のデザインにインスパイアされ、自分なりにデザインを作って出していたところ、「このデザインで」とオーダーが入るようになりました。とくに影響を受けたのは、先生の色使いです。とても個性的な色使いをされていたので、自分もそれを意識するようになり、これがサロンの売りになっていきました。

十人十色の爪に、本当に似合うデザインを提案。「似合わせ」で人気店へ成長

左右の手にそれぞれ違うアートを入れるアシンメトリーは、
Nail Salon “R”の人気デザイン

————その後もお客さまが途絶えることなく人気店へと成長されていますが、その理由は?

似合わせ、つまりその人に合ったデザインを提供することができたからかなと。

そしてそれが自分にとっても楽しかったというのが、ほかのサロンとの差別化になったと考えています。セミナーを開くようになり、ネイリストの方々に聞いて驚いたのですが、持ち込みのデザインや定額デザインで施術するほうが楽だという人が多かったんです。ですが私は、お客さまに合うデザインを考えたり、提供するのがとても楽しくて。爪の形は十人十色、それぞれ違いますし、お客さまの雰囲気や服装も違うので、持ち込みとまったく同じデザインで作っても、あまりその人似合わないことがあると思うんですよね。似合っていないのに、嘘をついて「きれいですね」とは言えなくて…(笑)。

デザインすべてを変えなくても、差し色を変えたり、柄域を変えたりするだけで、その人にびしっとはまることがあります。それを技術として提案できることが自分の強みだったのかなと思います。

————megさんのネイルは、とてもエッジが効いていますが、どのようにそれを確立していったのですか?

自分にとって嫌いなデザイン、あまりいいと思えないデザインを意識して見るようにしていました。さらにそれを見るだけでなく、なぜだめなのか、あとどんな要素があればいいデザインになるのか、どの色の組み合わせが嫌なのか、頭のなかで言語化するようにしていましたね。そうすると自分のなかにやってはいけないことがルール化され、少しずつ自分の好みにあった、スタイリッシュなデザインが確立できたのかなと思います。

デザインをオフ込みで1時間強で提供。時短により1日5人を施術

シールを活用することで、
デザイン性は高く維持しながら、時短を実現している

————ほかにもこだわりのポイントはありますか?

とにかく施術が早いことです。セミナーをやっていても驚かれることがありますね。そうなったのには理由があって、私は、今の路面店を立ち上げるまで、4年間1人でサロンを経営してきたのですが、朝の10時から夜8時まで、休憩ほぼなしの、ぶっ通しで10時間、5人のお客さまをとっていたんです。そうすると施術にかけられる時間は1人2時間。さらにプライベートサロンをうたっているので、ウェイティングに次の方が待っているという状態は、絶対につくりたくなかったんです。施術しているお客さま、待っているお客さまの両方に気を遣わせてしまうので、絶対に2時間でやらないといけない。だからお客さまが満足するデザインをいかに早く作れるかは、自分にとっていつも課題でした。

多くの色を使って、デザインとしては完成度を高く見せつつ、実は時短でできるデザインが得意です。デザインによってはオフ10本入れて1時間10分くらいで施術できます。

————どうやって時短していたのですか?

それはシンプルで、2時間でやると決めたら、できるまで練習するしかないんです。練習をしていくうちに、自分に合った時短法を見つけることができました。

よくセミナー受講生にもお話するのですが、大切なのはお客さまの時間を1秒も無駄にしないことで、お客さまが満足してくださる形になるのであればそれがいい方法だと私は考えています。ですからメーカーが推奨するやり方や、ネイル業界の常識にとらわれず、試行錯誤しながら、時短法を見つけていけばいいのではないかと思うんです。私自身はサロン勤務経験が少なかったために、逆にセオリー通りのやり方にはとらわれず時短の施術法が身についたので、そこはよかったなと思っています。

————できるまで練習…ストイックですね! しかもその頃、お子さんはまだ小さいですよね?

夫と母の協力がなければできませんでした。下の子が3ヵ月のときに、子どもは2人とも保育園に入れて、お迎えやご飯は母、子どもが夜泣きをしたときは夫が起きて対応してくれていました。夫も母も私が努力していることを知っていたので、応援してくれて。感謝しかないですね。

————そうまでしてがんばれた理由はなんだったのでしょうか?

筒井先生みたいになりたい、という思いが大きかったです。筒井先生のようにセミナーを開催したり、自分のネイルサロンのブランドを確立させたい。その想いです。人にはふんばり時があると思っていて、私にとっては間違いなくこの4年間でしたね。支えてくれている家族のためにも、がんばろうと思っていました。

経験が少なくても人気店を作り上げたポイント

サロン勤務経験3ヵ月から、4年で人気店を作り上げたmegさんのポイントをまとめると、下記の3つでした。

1. お客さまに本当に合う「似合わせデザイン」で顧客満足度アップ

2. ネイル業界の常識にとらわれない方法で時短を実現

3. ふんばりどころでは、がむしゃらに努力する

念願通り、セミナー講師として引っ張りだこになっていったmegさん。しかし、夢を叶えた先に待っていたのは大きなスランプでした。そのスランプを乗り越え、新たな目標として掲げたのがネイリストの地位向上という大きな夢。後編で詳しく伺います。

▽後編はこちら▽
夢はネイリストの職業価値を上げること。ネイリスト megさんが考える後進育成に必要なこと>>

Salon Data

Nail Salon “R”

住所:福岡県北九州市小倉北区紺屋町2-5紺二ビル1F
Instagram:@meg_nail

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