経験が少なくても情熱を注げることにどんどん飛び込む! ヨガインストラクター 浅野佑介さんの仕事の広げ方

日本全国でのヨガイベント登壇や、テレビ出演、企業アンバサダー就任など、ヨガインストラクターとして大活躍されている浅野佑介さん。前編では、どのように仕事の幅を広げていったのかをお聞きします。

フリーランスになりたてで週1回しかクラスを持っていなかった時代に、アジア最大級のヨガフェスタへの出場を果たしたお話や、地元水戸で無料のヨガイベントを開き300人を動員するも赤字を抱えたり…。無謀とも言えるその行動の裏にあったのは、自分の情熱を注げることに臆せずチャレンジしていく熱い思いでした。

今回お話を伺ったのは…

浅野佑介さん

一般社団法人「ヨガで町おこし隊」代表理事、「AozorA STUDIO GINZA 」プロデューサー。全国各地での講座や企業ヨガ、病院や介護の現場でのヨガクラス、3年間のNHK水戸でのヨガコーナー担当、球場での1,000人以上に対するヨガイベントなど多彩な指導経験を持つ。腰痛がきっかけでヨガを始めた経験から医療や介護の現場でのヨガプログラム開発・指導を行い、一人一人の身体に寄り添ったクラスを行う。「習慣を変えれば人生が変わる」をモットーに、2020年5月から1度も休まずに毎日6:10~6:30の朝活オンラインヨガ『朝ヨガのすゝめ』を開催。

介護現場で、わかりやすくだれも置いてきぼりにしないヨガを確立

言葉はシンプルでわかりやすく、
コミュニケーションは丁寧に、が浅野さんのモットー

————浅野さんがヨガを始めたきっかけは?

大型スポーツ店の販売員をしていたころに、ひどいヘルニアになりまして、体のメンテナンスのために始めたのがきっかけです。歩けないくらいのひどい腰痛でしたが、ヨガを続けていくうちに改善されていきました。さらにそのころ、仕事に追われ精神的にも疲弊していたのですが、ヨガを通して自分の内面を見るようになると心に余裕ができたんです。自分にとっては当たり前だと思っていたことが、実はストレスだったり、我慢していたり…それに気付いただけでも、とても生きやすくなりました。

そこから自分の心身を変えてくれたヨガにのめり込み、指導者講座に通い始めました。それが終わると同時に、ヨガスタジオを併設したデイサービスの立ち上げに声をかけていただき、そこからインストラクターとしてのキャリアをスタートさせたんです。

————デイサービスということは、お年寄りに対するプログラムですよね。どのような特徴がありますか?

車いすの方や、半身麻痺の方など動きに制限のある方、体力があまりない方も多く、できるポーズが限られるので、理学療法士の方と相談しながらプログラムを作っていました。一般のクラスと比べて、自分の意志で積極的に参加しようとは思っていない方もいるので、あまりやる気がなくても、できなくても、精神的には置いてきぼりにしないよう声をかけたり、気を配ることは意識していましたね。ここで指導者のスキルが、より磨かれたと思っています。

ただ、本質的には一般のクラスと変わりません。どんなヨガクラスでも、参加する方のレベルが均一ということはなく、できることがそれぞれ違う方たちを一度に教えていくわけなので。クラスの状況を見ながら臨機応変に対応する力が、どんなインストラクターにも求められていると思っています。

————ほかにも何か気を付けていた点はありますか?

とにかくわかりやすく、インストラクターを見なくても動きが伝わることを大切にしていました。例えばですが、手のひらを広げて上に伸ばすという動作に対して、わざわざ「肩を後ろに開いて、手のひらを広げて、手の間は肩幅くらいで…」と事細かに説明しなくても、「手のひらをカッと広げて、目一杯に天井へ伸ばして!」と言えば、みなさん自然と背筋をピンと伸ばして、手をあげてくれます。

この言葉のわかりやすさを追求するため、自分でやっているクラスを録音して、初心者の生徒になったつもりで受けてみるということをよくやっていました。自分が伝える側だとわかった気になってしまうことでも、受ける側にまわってみると「ここは全然わからないな」などと気付くことがよくあり、それを繰り返すことでお年寄りの方でも受けやすいよう改善していきましたね。

細かなコミュニケーションを武器に「ヨガフェスタ」出演をつかみとる!

人数の規模にかかわらず、
なるべく1人ひとりに寄り添ったヨガを
大切にしているという浅野さん

————2015年にフリーランスになられたそうですが、認知度アップのためにやったことはありますか?

大変光栄なことに、オーディションを勝ち上がってではありますが、その年のヨガフェスタというアジア最大級のイベントに出演させていただき、認知度をあげることができました。名だたるヨガインストラクターに並んで、地元の茨城で週に1クラスしか持っていない無名の私が、今までやってきたことを信じてチャレンジしたことがよかったと思っています。

このヨガフェスタは、来場した方がレッスンを受けることができ、受講者の評価によって次の年も参加できるかどうかが決まるのですが、そこから5年連続で出演させていただきました。

————どのような点が評価されたのでしょうか?

指示のわかりやすさと、スポーツ用品販売員時代に培われた接客の丁寧さを評価していただいたようです。私はクラスが始まったときに、かならずみなさんにお名前や、今日の気分、痛いところがないかなどを少しずつでもお話いただきます。そこで名前を覚え、「〇〇さん」と呼びかけながらコミュニケーションをとるようにしているんです。そしてレッスンが終わると、かならずドアのところでお見送りをするようにしていました。

————なるほど。同時期に「男ヨガ」を始めたそうですね。そのきっかけは?

その当時、ヨガ人口は女性が圧倒的に多く、男性が参加するのは恥ずかしいという声をいただいていたので、思い切って男性限定のクラスにすることを思いつきました。男性のヨガ人口自体が少ないので、最初の参加者は5人でしたが、男性同士の結束ができて、クラスがすごく盛り上がったんです。次のクラスには10名、次に15名とどんどん増えていき、翌年の2016年にはこの取り組みが雑誌「ヨガジャーナル」に次世代ヨガとして取り上げられました。

このヨガフェスタやヨガジャーナルをきっかけに、東京でクラスを任されるようになったり、全国各地での仕事が増えていきました。ヨガで日本を周りたいという思いが強かったので、その第一歩を踏み出すことができたのはうれしかったですね。

熱意のままに、個人で無料ヨガイベントを開き、300人を動員!

「ヨガで町おこし隊」のきっかけとなった水戸でのヨガイベント

————一般社団法人「ヨガで町おこし隊」では、どのようなことをされているんですか?

各地域の企業さんや商工会などから依頼を受け、ヨガのイベントを行って、地域の方の健康増進と町おこしをするという団体になります。元々、デイサービスからキャリアをスタートしていることもあり、ヨガを通して地域のみなさんを元気に、健康にしたいという思いがありました。その実現につながるイベントを各地の企業さんに協賛いただきながら進められるよう、団体を立ち上げたんです。この立ち上げにはきっかけとなったできごとがあります。

————どんなきっかけだったんでしょうか?

2017年から2019年まで、神宮球場やハマスタなどで1000人規模の来場者に向けてヨガクラスをやらせていただく経験をして、それが本当に楽しくて。無料でたくさんの方に来ていただき、一緒にヨガをするイベントを地元でやってみたい! と思い、個人で動き出したんです。水戸芸術館さんの庭をお借りしてSNSで呼びかけたところ、300人が集まってくださり、大成功をおさめました。しかし、音響や照明、ボランティアスタッフなどたくさんのサポートをしていただいたのですが赤字になってしまいまして…。

自分としては本当にやりたい、情熱を注げることだったので、ここからまた別の仕事でがんばればいいかと思っていたのですが、地元のある企業さんが、私の思いに賛同し協賛してくださったんです。その経験から、自分1人でやるより、企業や自治体と手をとればもっとたくさんの方にヨガの良さを体験してもらえると思い、団体を立ち上げました。

————個人で300人を集めたのはすごいですね!

これはSNSでみなさまが拡散してくれたおかげです。SNSでは、こまめに等身大の発言をするようにしています。それによって大きくフォロワーが増えたりすることはありませんが、コアなファンの方がついてくださり、そこから広がっていったのかなと。あとは、イベントの事前申込みを不要にしたり、アクセスのよい場所だったことも要因の1つかもしれません。

活動の幅を広げた3つのポイント

浅野さんがヨガインストラクターとして活動の幅を広げた方法をまとめると、ポイントは次の3つでした。

1. わかりやすさを徹底的に追及し、1人ひとりに寄り添ったヨガを確立する

2. 経験がないからとあきらめず、やりたいことにどんどん飛び込む

3. 自分が情熱を傾けられることは、損得勘定抜きにやってみる

後編では、ヨガインストラクターとして浅野さんがテーマにしている「自立」について伺います。参加者がやらされているのではなく、自らの意志で参加している気持ちになれること、また教えられるだけでなく自分でもヨガができるようになることを目標にされているそうです。参加者が本気で取り組むほど、満足度は高くなり、オンラインレッスンの継続率は80%を超えるのだとか。後編もお楽しみに!

▽後編はこちら▽
意志を持って参加してもらうことで、継続率80%を維持! ヨガインストラクター 浅野佑介さんの満足度をあげる心得>>

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