セミナー登壇で鍛え上げた「伝える力」を武器に、チャンネル登録者数4万人突破! 美容師・長門政和さんのサロンの外でも活躍する方法

有名店から独立して3ヵ月で、予約困難店となった「NOT」のオーナー長門政和さん。前編では長門さんがどのような経験を通して、第一線で活躍できるようになったのかを伺いました。その華々しい活躍の裏にあったのは、30歳目前で味わった挫折とそれを取り戻すために努力を重ね、着実に技術を培った地道な日々でした。

後編では、独立後も順調に美容師として活躍する長門さんの、次なる挑戦であるYouTubeについて伺います。YouTube登録開始から1年半で登録者数が4万人を超え、順調な滑り出しを切っている長門さん。その秘密は、年間30回も行っていた国内外でのセミナーで培った「伝える力」でした。

今回お話を伺ったのは…

長門政和さん

銀座「NOT」代表。山野美容専門学校を卒業後、働き始めたサロンがairに統合される。air‐GINZA店長を経て独立。深い商品知識、プロ目線での分析、エッジの効いたフォトテクニックやリアルトレンドをつかむ感度の高さなど、多彩な実力で活躍するマルチプレイヤー。業界誌やメディア出演多数。活躍は海外にも広がり、現在依頼の絶えない講師として人気を集める。サロンワークではナチュラルスタイルを軸に、エレガントと上品さを加えた女性像を提案。
Instagram:@mnagato0724

 YouTubeで有料セミナーと変わらない質の内容を配信し、登録者数4万人越え!

元々カメラが大好きだったこともあり、
YouTubeの撮影や編集も苦ではないと話す長門さん

————air時代に店長として十分な認知度があったにもかかわらず、YouTubeを始めたそうですが、その理由はなんだったんでしょうか?

コロナ禍でセミナーがほとんど中止になってしまったからです。国内外を含め、年間30本ほどセミナーをやっていたのですが、これがなくなってしまうなら、自分発信で何かをやってみようと思ったのがきっかけです。あとは「長門さんのセミナーならどこでも行きます!」って言ってくれるファンの方がいるので、その方たちとのつながりが切れないように、とも考えました。

独立後もYouTubeは続けていて、年内には登録者数5万人を突破するのが目標ですね。認知度アップや集客のためというより、YouTubeを使った収益化を進めていくことに挑戦している感じです。

————YouTubeの登録者数が増えている理由を、ご自身はどのように分析していますか?

今までセミナーでやってきたことと、同じ質の内容を無料で見られるようにしているのが大きいのかなと思います。YouTubeの再生回数をどうやったら増やせるかと考えたときに、自分の売りは「技術力」と、セミナーで鍛えられたわかりやすく物事を伝える力だと思い、セミナーでやっていた内容をほとんどそのままYouTubeで見てもらえるようにしようと考えたんです。美容師の方からも隙間時間に学べる新しいプラットフォームとして好評ですし、わかりやすいと言ってもらうことが多いですね。

美容師が見たいポイントを外さないため、自分で編集することにこだわる

「NOT」という自分の城で、
サロンワーク以外にも様々なことに
挑戦していきたいと考えているそう

————セミナーでわかりやすく伝えるために、具体的にどのようなことを気を付けていますか?

なるべく言葉を少なく、短く、シンプルにすることです。受講者の方が僕の手元に集中していても、頭にすっと入ってくるような言い方を心がけています。そうすることによってどんな人でも理解ができ、満足度の高いセミナーになっているのかなと思っていますね。コロナ禍前は、海外での通訳さんが間に入ったセミナーも多かったので、言葉がシンプルになることで通訳もしやすいと言われますし、海外の受講者の方からも好評でした。

僕は今でもほかの方のセミナーをよく受けるんですが、その経験によってこの「伝える力」が磨かれたと思っています。自分が受講者側になると、わかりにくい言い回しや、伝わりづらい言葉のチョイスがよくわかりますからね。

————動画を作るときに心がけていることは?

美容師ならここを見たいだろうなというところを落とさないようにしています。たとえばカットしている動画なら、どうやって髪の毛をとって、どこを切っているか、細かい部分まで見られなければ意味がないと思うんです。美容師ならではの視点を入れたいので、外注はせずに自分で編集することにこだわっていますね。1本の動画を作るのに、編集に5時間はかかります。週1回動画を出すことにしているので、1日1時間は編集にあてていますが、お酒飲みながらやってるくらいで、あまり苦だとは思ったことはないです(笑)。

————YouTubeの企画はどのように考えているのでしょうか?

とくに企画などは考えていなくて、まずはモデルさんをよんで、その方の要望を聞いて撮影させてもらい、そこからネタを切り出しているような感じですね。バズりそうな企画から逆算して撮影できればいいんでしょうけど、正直、YouTubeのアルゴリズムはよくわからないんです。今までで一番バズった動画は小学生のお子さんに縮毛矯正を施す内容なのですが、アップした直後はほとんど見られていませんでした。ところが2カ月ほど経ったあるとき急にYouTubeのおすすめにのってバズり、110万回再生までいきました。ですから戦略をそこまで考えるのではなく、普段のセミナーと同じように美容師にニーズがありそうなことをネタにしています。

細かいこだわりを積み重ね、職人としての美容師に誇りをもって

国外でもセミナーを重ね、
敏感にその流れをキャッチしている長門さん

————今後は、YouTube以外にも何か活動をしたいと考えていますか?

airでは商品開発を任されていましたので、その知識を生かして、オリジナル商品を充実させていきたいと思っています。第一弾のシャンプー、トリートメントは夏くらいには発売されるので、そのあともいろんな商品を作っていきたいな、と。YouTubeを通して自分を知ってくれたけれど、サロンに通えない人もいると思うので、そんな人ともプロダクトを通してつながっていけたらいいですね。

————今後美容師として活躍したいと思っている人に、メッセージがあればお願いします。

世界各地でセミナーをしてきて、日本の美容技術はとても高いレベルにあると思っています。日本人のこだわる力、自分を追い込む力ってすごいな、と。美容師は本当に細かい部分にこだわり続けて、その積み重ねでできる職人の仕事なので、日本人の気質にあっていると思うんです。

ただし、今中国が本当にすごい勢いで日本に迫ってきています。みんな勉強熱心だし、うまい人も増えていて。さらにお金の動きが日本とは大きく違っていて、稼いでいる美容師は年収が億のレベルです。僕が中国でセミナーを開くと、稼いでいる人たちが勉強のためにモデルさんを飛行機で連れてきて、ホテルの宿泊費も負担し、朝から晩まで一緒にセミナーに出る、っていうようなレベルですから。正直、日本にかなり追随してきてると思っています。

繰り返しになりますが、美容師として第一線で活躍するにはとにかく時間をかけて技術を身につけていくしかないと思います。今はそこをすっとばしている人が増えているので、ある意味チャンスです。誇りをもって、美容の道を追求していってほしいと思います。

YouTubeなど、サロンワーク以外でも活躍する方法

長門さんが考える、サロンの外でも活躍する方法をまとめると、ポイントは以下の3つでした。

1. YouTubeでは美容師が知りたいポイントをつかんだ動画をあげる

2. セミナーでは、シンプルな言い回しでどんな人にもわかりやすい講座を心がける

3. オリジナルの商品を販売し、サロンに来れない人ともつながりを作る

どんな質問をしても、間髪入れずに答えてくれた長門さん。その答えの端々から、努力に裏打ちされた、まっすぐでよどみのない信念が垣間見えました。美容師として第一線で活躍したい方はぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

Salon Data

NOT

住所:東京都中央区銀座7-3-7 ブランエスパ銀座11F THE SALONS A区画

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