「SHARE FO(u)R YOU」加藤さんが語るフリーランス美容師に必要な力

フリーランス美容師として活躍し、今年で7年目を迎えたという加藤亮平さん。前編のインタビューで語ってもらったのは、オンラインでのフリーランス美容師相談窓口と、フリーランス美容師のコミュニティ「SHARE FO(u)R YOU(シェアフォーユー)」の運営について。悩みや不安を孤独に抱えず、皆で共有することの重要性が伝わってきました。

後編では、加藤さんがフリーランス美容師として働くなかで大変だった経験をはじめ、現在の集客方法、コミュニティ作りの目的などについて質問をぶつけてみます!

今回お話を伺ったのは…

加藤亮平さん

1985年生まれ、愛媛県出身。大学を卒業して23歳で美容師となり今年14年目。都内のサロンで仕事を続け、30歳から業務委託契約を結ぶ。2019年には正式なフリーランスの美容師となり、表参道のシェアサロンなどで活躍を続けている。現在は「フリーランスは1人だけど独りじゃない」をコンセプトに、フリーランス美容師相談窓口とコミュニティ「SHARE FO(u)R YOU」を運営。自身の経験を生かし、働き方の選択肢を広げる手伝いをしている。

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シェアサロンで働きはじめて、4分の1の仕事量で収入アップ!?

フリーランスとして働きはじめた当初は悩みが尽きなかったという加藤さん

――加藤さんがフリーランス美容師になった理由を教えてください。

自由度が高く、給料も上がるイメージがあり、当時働いていたサロンと業務委託契約を結んだんです。僕がフリーランスになった今から7年前は、ちょうど業務委託契約の美容師が急増している時期でした。サロンワーク自体は従来どおりでしたが、働き方が変化したことで色々と悩みも出てきまして……。でも、同じサロン内には私以外に業務委託契約で働いている方はいなかったので独学で解決することが多かったです。インターネット上にはさまざまな情報があふれていましたが、美容師に特化した情報って意外と少ないんですよね。

――7年間、ずっと独学で悩みを解決してきたのですか?

2017年頃から都内でシェアサロンが増えはじめ、環境はかなり改善しました。シェアサロンで働けば、周りの美容師さんも全員フリーランスですから。何かとアドバイスをいただけますし、お互いの技術を共有することもできます。ただ、全国的にみればシェアサロンがないエリアもまだまだ多いです。一般的なサロンの空席をレンタルする、いわゆる「面貸し」で働いているフリーランス美容師さんなどは、相談する相手がいなくて困っている方が多い印象です。

――シェアサロンで働きはじめて、最も大きな変化はなんだったのでしょう?

フリーランス美容師に抱いていたイメージ通り、自由な時間が増えて、収入も上がったことです。業務委託で働いていた時は、朝9時から21時まで1日20人くらいは施術していました。同時にお客さま二人をかけもつことも多くて……だんだんと体力的にきびしくなってきたんですよね。現在、施術をするのは1日5人くらいです。

――では、4分の1の仕事量で収入がアップしたのですね。

フリーランスならではの業務が増えたので、単純に4分の1の仕事量とは言えないです。業務委託契約で働いていた際には、サロンワークで使う薬剤などは全てお店が用意してくれましたし、集客なども担当してくれました。

いくら技術が優れていても、その発信の仕方が分からなければお客さまは来てくれません。そこでシェアサロンに移ってから私がはじめたのが、ブログでの情報発信です。髪に関してお悩みを抱えている男性をターゲットとして、検索エンジンで上位にヒットするよう記事を製作しています。

ブログでコンプレックスを解消して集客率&リピート率アップ!

加藤さんのホームページ内にあるブログ一覧。デザインも整っており読みやすい記事がまとめられている

――どのようなお悩みを抱えている方に向けた記事なのでしょう?

絶壁で髪型に悩むメンズ必見!清潔感のある見た目で差をつけよう!」といった、頭の形にコンプレックスを抱えている方に向けた内容が多いです。ほかにも「前髪がまとまらない男性必見!その原因と印象アップの対策方法とは?」というスタイリングに関する話題もありますし、「赤い頭皮に要注意!男性が知っておくべきその原因と対策とは?」などの頭皮トラブルの記事も製作しています。

――確かに気になる内容ですね。ブログ製作には特別なサービスを利用しているのでしょうか?

オーソドックスなブログソフトウェア「WordPress」を使って、自分のホームページのなかで記事をアップしています。ランニングコストは毎月のサーバー代くらいです。InstagramやYou Tubeでの集客は行っていませんし、予約サイトなどにも登録していません。

――ブログの記事、非常に充実した内容ですね。製作も大変そうですが、SNSでの集客の方が簡単ではないのでしょうか?

僕の得意分野はメンズカットですから、SNSで注目を集めやすい「ビジュアル的にインパクトのある投稿」は難しいです。そういったSNSでの投稿は新規顧客の獲得に向いていますが、リピート率を上げるならお悩み解決コンテンツの方が効果的だと僕は実感しています。

SNSでの集客は常に投稿を続ける必要があり、気力やアイデアがあるうちは良いですが、ずっと続けるのは大変でしょう。ブログの最大のメリットは、製作した記事をコンテンツとしてずっと活用できること。僕がフリーランス美容師に関する情報を収集していた時に、個人ブログが最も目についたというのも大きな理由です。

悩みや不安が尽きないフリーランス美容師という働き方

フリーランスへの挑戦を検討している美容師の役に立つことも加藤さんの目標

――これからフリーランス美容師になる方に向けてアドバイスをいただきたいです。

「こういう働き方をしたい」と明確なビジョンを持っている方は、フリーランス美容師に向いていると思います。実体験でもありますが「なんとなくフレキシブルでカッコいい働き方ができる」というイメージでフリーランスになると、後々大変な思いをするかもしれません(笑)。

――なるほど、明確なビジョンが必要なのですね。

例えばプレーヤーとして美容師の仕事を楽しむのであれば、シェアサロンはとても良い環境です。ただ、一般的なサロンであれば年齢を重ねるごとに、マネージャーや店長になるなどキャリアアップできますが、フリーランス美容師の場合は自分で進む道を考えないといけません

もちろん、フリーランスとして働きながら将来を模索するのも良いでしょう。僕もいずれは自分のお店を持ちたいと考えた時期もありましたが……ちょっとその道は違うかな、という気持ちになっています。

ほかにも集客が上手くいかず、レギュラー美容室の働き方に戻ったり、業務委託契約に切り替えたりする方も多いです。集客が上手くいっている場合でも、あらためて会社に所属することに魅力を感じて、正社員に戻る方もいらっしゃいます。

――フリーランス美容師、自由な働き方のようで悩みが尽きないものですね。

そういった悩みや不安が尽きないからこそ、フリーランス美容師のコミュニティ「SHARE FO(u)R YOU」がお役に立てます。集客用のブログも、フリーランス美容師のコミュニティも、僕の中では「誰かの悩みを解決する」という同一線上の活動です。今は自分のお店を作るよりも、皆のためのコミュニティを作ることが僕の目標であり、ビジョンです。

不安や悩み、課題を共有する、シェアする場所にしていきたいと思います。気になった方はぜひTwitterアカウント、もしくは「SHARE FO[u]R YOU」公式ラインにご連絡ください。

Twitterアカウント

SHARE FO(u)R YOU 公式ライン


フリーランス美容師を続けるために必要な3つのパワー

加藤亮平さんがフリーランス美容師に必要だと感じているのは、以下3つの力のようです。

1.優れた技術だけでなく、情報を収集&発信する力

2.ターゲットを絞って継続可能な集客方法を見つける力

3.明確なビジョンを持って道を切り開いていく力

多くのフリーランス美容師からの相談を受けてきた加藤さん。昨今のフリーランス美容師増加について「フリーランスという耳ざわりのよい言葉だけが一人歩きしている部分もあるのかもしれません」と疑問を投げかける場面も。フリーランス美容師としてお悩み中の方、お一人で抱え込まず、加藤さんに相談してみてはいかがでしょうか?

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