新人時代に培いたいのは、技術、忍耐、継続力「Bamboo Hair Club常盤平店」西賢悟さん

千葉県に2店舗を構える「Bamboo Hair Club」は、2店舗で年商1億円を売り上げ、リピーターで予約枠が埋まる「予約の取れない」人気サロン。西賢悟さんは同店でスタイリストとして活躍中です。

前編では、西さんが美容師になった理由や、高校生、アルバイト、専門学校生の3つの草鞋を履いた新人時代の経験を伺いました。

後編では、デビューを迎えるまでに西さんがぶつかった壁とその乗り越え方について伺います。カットという最大の壁にぶつかり、技術習得に苦戦したという西さん。50人ものモデルの施術をこなした後、スタイリスト試験を3回受けて晴れて夢のスタイリストデビューを果たしたそうです。

今回、お話を伺ったのは…

「Bamboo Hair Club常盤平店」スタイリストデビュー

西賢悟さん

スタイリスト歴7年目。高校時代にアルバイトで「Bamboo Hair Club」に入社。ブローしなくても形がきれいに決まるショートとボブのカットを得意とする。自宅でも再現しやすいスタイル作りが多くの顧客の支持を集めている。

最大の難所、カットにつまずいた新人時代

「技術を高めるために、深夜まで先輩に練習に付き合ってもらいました」と話す西さん

――スタイリストデビューまでには、どのようなプロセスがあったのですか?

シャンプー、ブロー、カラー、パーマ、縮毛矯正、最後にカットという順番でカリキュラムが組まれており、ひとつずつテストに合格する必要がありました。

私が入社した当時、このサロンでは、デビューまで6年ほどかかるのが一般的でした。今の業界の常識と比べると少し長いように感じるかもしれませんが、技術を完璧にして不安がない状態でデビューしたかった僕としては、とくに不安や焦りを感じることはなかったですね。

――デビューまでの工程で、一番苦戦したのはどんなことでしたか?

最大の難所は、やはりカットでした。アシスタント時代のうち2〜3年ほどはカットの練習に時間を費やしていたように思います。

最初はマネキンを使って練習し、その後、モデルカットへと進んで練習を重ねました。モデルになると、人の頭はそれぞれ形が違うこと、髪に癖があることにプラスして、それぞれの方の要望をくみ取る必要があるため、難易度がぐっと上がった印象があります。

――どのようにそれをクリアしましたか?

練習後のチェックで先輩に指摘されたことは、すぐマネキンで練習し、翌日改めてチェックをしてもらう、ということを繰り返しました。私は数をこなすことで上達を感じられるタイプだったので、自主練習量を増やして壁を乗り越えましたね。

――心が折れる瞬間はありませんでしたか?

他の人と比較して手先が器用でないため、なかなか上達が見られず、へこんだこともあります(笑)。先輩方が毎日夜遅くまで練習に付き合ってくれ、丁寧にフィードバックしてくださることを支えに、「成果を出せるようにならなくては」と気合を入れていました。

緊張のあまり自分の指を切ったスタイリスト試験

「スタイリスト試験に3度目の正直で合格したときは、本当にうれしかったですね」と話す西さん

――スタイリストデビューをする際に試験があると伺いました。

一通りのカリキュラムを終了した後は、50名のモデルを呼んでカットをする練習に入ります。50人というのは明確にルール化されているのではなく、技術を習得するのにはそれくらいかかるという基準で、もっと多くなる人もいます。

僕は友人や、友人の家族や職場の方などたくさんの方に協力していただいて、モデル練習を終えました。ひとりカットするごとに先輩にチェックをしてもらい、修正点を練習するということを繰り返しましたね。そのチェックを突破した後にスタイリスト試験を受けました。

――スタイリスト試験の内容を教えてください。

最終試験は6人のスタイリストが見守るなかで、モデルさんに来店してもらい、入店から施術までの一連の流れを実践します。カウンセリング技術が身についているかチェックするために、自分とは面識のないモデルさんに協力していただく点は、「Bamboo Hair Clubo」ならではかもしれません。

――試験はいかがでしたか?

実は僕、3回スタイリスト試験を受けてやっと合格することができたんです。

1回目は1時間という制限時間のプレッシャーと緊張に負けて、自分の指を切ってしまい不合格に。2回目は髪の癖が難しいモデルさんでうまくスタイルがまとまらずに不合格となりました。試験を受けるたびに見える課題を練習でつぶし、再試験に臨んで3度目の正直で合格しました。

合格をしたときはスタッフや周りの人が祝福してくれたことがとてもうれしく、印象に残っていますね。

美容師以上に面白い仕事はほかにない!

西さんは新人時代の努力が今の糧になっているという

――西さんにとって、新人時代はどんな経験になりましたか?

技術力と忍耐力、継続力が大切だと学ぶいい経験だったように思います。美容師という仕事は、技術職であるがゆえに一朝一夕に成果が上がることはありません。しかし着実に鍛錬を積んでいけば、いつかそれが花開き、成果につながることを実感できました。

――今後の目標を教えてください。

20年以上現役を続けるオーナーの影響もあり、僕の目標は生涯美容師であり続けること。ひとりのお客様と長くお付き合いできることに幸せを感じています。これからもお客様とのご縁が長く続くように、初心を忘れずにいたいと思います。

――最後に美容師を目指す方にアドバイスをお願いします。

僕は、美容師以上に楽しい仕事はないと思っています。たくさん練習し、たくさん失敗して学びを得ることで、必ず成長ができると思うので、一緒にがんばりましょう!


西さんの新人時代が充実した3つのポイント

1. 壁にぶつかったときは、ひとつずつそれをクリアできるまで実直に練習に取り組んだ

2. 技術力と忍耐力、継続力を身に付けることを意識した

3. 常にハングリーに仕事に臨んだ

高校生で「Bamboo Hair Club」の門をたたき、学生とアルバイト、専門学生を両立するなどハングリーで熱い心を持った西さん。多くの人に支持される西さんのスタイルの秘訣を伺い知ることができた取材でした。これから美容師として活躍を目指す方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。


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Bamboo Hair Club常盤平店
住所:千葉県松戸市常盤平3-29-14 モリタビル1F
TEL:047-385-4200

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