アイキャッチ

“霜月”を華やかに彩る、江戸東京の熊手御守り【縁起物・後編】

履歴書なしで応募可能!

実際の求人を見てみる

11月の縁起物 後編

霜月の縁起物・後編は、西・東京方面の酉の市。といっても、同じく、「熊手御守り」のお話です。西・東京にも、江戸の雰囲気が残る「江戸東京」は健在。やはり、なんとなくですが、駅に降り立つと、街全体が少し華やいでいる印象をうけます。

霜月=11月は、西・東京でも酉の市は盛ん、そして「熊手御守り」はハイセンスです。

さて、後編でご紹介する「熊手御守り」は、こんな風。

熊手御守り

左から、大國魂神社・大鷲神社の「かんざし守」と「くまで」、目黒大鳥神社の「熊手御守り」。

東・東京のものより、かなり自由なデザインで、さらにこれを目当てにお酉さまを訪ねてゆきたくなるというものです。

履歴書なしで応募可能!

実際の求人を見てみる

目黒通りを奥へ奥へ。目黒大鳥神社の「熊手御守り」は、文句なくおしゃれです。

JR目黒駅を山手線の外側に出たら、目黒通りをどんどん進みます。目黒川の桜もきれいに紅葉したなぁ…なんて思いつつ、橋を渡り…。

目黒通り

さらに進んで首都高を越えた交差点の角に提灯が見えてくるのが目印です。まずは、最初にお参りをすませましょう。

目当ての「熊手御守り」は、拝殿となりで授与いただけますが、見本がちゃんと掲示されていて、はじめてそのカタチを見たときは、個性的なデザインに魅せられました。

お参りをすませて、目的の「熊手御守り」を授与いただきます。そのデザインは、こんな風です。

熊手御守り

稲穂が風に吹かれているような、造形が非常に斬新で珍しい。というか、「おしゃれっ!」です。こんな風に、「熊手御守り」ひとつとっても、基本を守りつつも工夫を凝らす。そこに日本人の細やかなこだわりを感じ、さらにいろいろ探すのが楽しくなってゆくのです。

西・東京における酉の市「熊手御守り」の真打は、府中の大國魂神社・大鷲神社のモノだと思う

新宿駅から京王線に乗って、東京の西へ。京王府中駅の南口を降りると、見事なケヤキ並木があって、そこを突っ切ってゆくと大國魂神社の鳥居が見えます。そして、酉の市の立つ日は、そこから提灯の群れが延々と続いている光景がなんとも言えず素晴らしい!

大國魂神社

今回、このコーナーでご紹介した酉の市は、いずれも引けをとらない魅力を放つ場所ばかり。

しかし、「たったひとつ行くとしたら?」と問われれば、「府中の大國魂神社」とお答えしたい気がします。

理由は、参道を飾る提灯の群れ。そして、「熊手御守り」の豪華さでしょうか。

熊手御守り

四角い箱(?)の中にいらっしゃるのは、だいこくさんとえびすさん。

一瞬「えっ?なんで、このお二方が?」とも思います。が、大國魂神社の主祭神は、大國魂大神 (おおくにたまのおおかみ)さまで、大国主命(おおくにぬしのみこと)と同神とされる方。つまり「だいこくさま」ですね。

そして、「だいこくさま」とくれば、「えびすさま」と二柱一組でお祀りされることが多いカミサマがた。(ホントは、ほかのカミサマとどこかで合体したり、実はこのふたりのカミサマが親子だったりと、諸説いろいろあるのですが、長くなるので、この件はまたの機会にいたしますね。)

とにかく、金色のだいこく&えびすさんが中央にいらっしゃれば、ご利益が、さらに深い気になってくる「熊手御守り」といえます。そもそもの、「熊手御守り」のご利益は、福を「掃き込む、かきこむ」⇒「かっこめ」なんですが、より質の良い福がかきこめそうです。

そして、噂に聞いてはいましたが、一度も出会ったことがなかった「かんざし守」にも遭遇!

かんざし守

江戸東京の古い書物を探すと、「酉の市」で売られていたとされる縁起物として登場するのは、たいがい【熊手、芋頭(いもがしら)、粟の餅(あわのもち)】。それに加えて、【熊手の簪(かんざし)】の記述にあたります。

「芋頭」も「粟の餅」も、もちろん、すごく気になりますが、やはり、一度目にしてみたかったものの筆頭は、「熊手の簪(かんざし)」。もちろん仔細に探しましたが、ほかの酉の市では、一度も見たことはありません。

たとえば、かつて遊郭吉原が裏手に広がっていた浅草・鷲神社なら、かんざしサイズの熊手の御守りって似合いそうなアイテムですが、そちらでは見つけることはできなかった。それが、こんな西・東京の奥に存在していたなんて!発見した日は、そうとうに感動したものです。

もちろん、これはお守りであって、リアルかんざしではないけれど、日本髪に飾る様子は想像できそうです。

「熊手御守り」は、基本、授与いただいた日から1年限りの縁起物です。

そんな理由で、こうしてお参りしまくり、集めまくった以上。...といいますか、コレクションさながらに集めている時点で、ちょっと罰当たりかしら?と、ココロをよぎったものです。そこに関しては、江戸東京のカミサマ方は、粋で洒落がわかる方々に違いないと勝手に思った次第。

しかし、1年眺めて、時々手を併せてお願い事をしたりして、お世話になった「熊手御守り」は、翌年の酉の市には、きちんとお参りにうかがい、お返ししなければなりません。

今年の酉の市は、全部で3回。

一の酉11月5日、二の酉11月17日、三の酉11月29日で、2015年は三の酉の年です。

今年は、一回お参りのチャンスが多く、昨年、やや発作的に「熊手御守り」を集めまくった身としては、「ああーよかった」と思わずにはおれません。これなら、なんとかスケジュールをやりくりして全部お参り可能かと思います。

これからお参りに行かれる皆さまも、「熊手御守り」を授与いただく際は、取り扱いを丁寧に。来年は、授与いただいた神社にお返しすることをお忘れなくと、くれぐれも思いますっ!

というコトで、また来月。次回は、師走の江戸東京の縁起物をご紹介いたしますのでお楽しみに。

文・写真

タオミチル ブックレビュアー

ブログミチル日々・本を読むhttp://michiruhibi.com/category/book/でも、本のレビューを更新中。

忙しい師走だけど、ちょっと寄り道気分で、羽子板市へ! 【縁起物・前編】 >>

履歴書なしで応募可能!

実際の求人を見てみる

この記事をシェアする
アイキャッチ

編集部のおすすめ

関連記事