得意な「ショートヘア」の技術を更新し続け、最高の施術を提供する【フリーランススタイリスト いっせいさん】#2

現在フリーランスのスタイリストとして月の最高売上320万を記録し、第一線で活躍しているいっせいさん。フリーランスとしてやっていく際に必要なことを教えていただきます。

前編では、フリーランスになるまでの経緯やInstagramを使用した集客方法、フリーランスになった際の準備を中心に伺いました。後編となる今回は、フリーランスになってからの売り上げやフリーランスに向いている人の特徴などについてお聞きします。

お話を伺ったのは…
フリーランススタイリスト いっせいさん

美容専門学校卒業後、複数のサロン勤務を経験。大手サロンでスタイリストデビューした後、業務委託の形態に移行。コロナ禍の煽りを受け、思うように働けなくなって再びサロンへ所属する。集客の基盤を作り、サロンを辞めてフリーランスに。現在は1年半になるが、2ヶ月先まで予約が埋まるほどに。

幅広く支持を集める「ショートヘア」に特化したことで集客につながった

「営業時間は10時〜20時の間で、お客様に合わせて臨機応変に予約を受けています」といっせいさん。営業時間に縛られないところもフリーランスの利点

――フリーランスになってから、売り上げは変わりましたか?

1ヶ月間毎日出勤した月は、通常よりも100万円ほど上がって最高320万円を記録しました。サロン時代に比べて、無駄なく動けるので効率と時間単価が確実に上がったからだと実感しています。

毎月の収入は以前と比べてあまり大差ないですが、ここ3ヶ月くらいの間でかなり安定しました。

――安定している秘訣はなんでしょう?

施術後、その場で次回の予約を受けるようにしました。その場限りの予約だけでは安定した収入を得ることは難しいです。フリーランスになってから1年ほどですが、取り入れてからは2ヶ月先まで埋まるようになりました。

――集客のために意識していることはどんなことですか?

お客様の要求に対してしっかり結果を出すことを意識しています。コミュニケーションでお客様との距離感を詰めるよりも、要望に合わせてさらにクオリティの高いヘアスタイルを創り出すことに重点を置いていますね

新規の方が来店された場合はその後も通っていただくことを考え、次回に繋がるようなヘアスタイルの基盤を作るようにしました。話術を磨くよりも、自分の技術を確かなものにすることで、お客様に「また来たい」と思ってもらえれば次の集客にも繋がります。

――技術力を重視したことが集客や売り上げに繋がったのですね。

そうですね。例えば僕はショートヘアに特化していますが、施術回数が増えることにより、気づくと毎回似たようなスタイルが続いてしまうことがあるんです。そのため、都度スタイルの細かい部分を変えたり、お客様の要望の中から言語化できない意図を汲み取って反映することを意識して、また来ていただけるような仕上がりを心がけています。

――なるほど。ショートに特化したのはなぜですか?

アシスタント時代から自然とショートヘアに興味があって。狙ったわけではないのですが、あとあと考えてみるとショートヘアの需要って大きいと感じました。年齢もジャンルも幅広いショートヘアはそもそも広範囲で支持があるんです。比べて、個性的なデザインのヘアスタイルはその技術力を同業者から褒められたりしますが、市場である一般受けするのはごく一部。そうなると、ナチュラルで丸みのあるショートヘアは日常で取り入れやすいですよね。

――たしかにそうですね。今後もショートヘアに特化していきますか?

はい。スタイリスト側からの評価が得られるヘアスタイルではなく、あくまでお客様目線を忘れないヘアスタイルを目指したいですね。それに伴って、バリエーションの選択肢も増やしていきたいです。

新しいことに挑戦し続け、自分で自分のモチベーションを維持する

今後は、視野を広げて講師にも挑戦していくそう。「最近、YouTubeも始めたので、お客様の施術のビフォーアフターといったリアルサロンワークが垣間見られる動画を中心にアップする予定です」。

――その日常受けするヘアスタイルのバリエーションを広げるために、大事なことはなんですか?

そのためにはまず、インプットが大事だと思っています。そのためには自分から動いて何かに挑戦することが大事ですが、正直、一人でモチベーションを保つことの難しさを感じていて…

サロンに所属していればそこにいる仲間と競えるけど、一人でやっているので競う相手は自分だけ。心がけていないと楽をしてしまいがちなんです。そうして楽を選んでしまうと、自分の中で成長を感じられないので結果、モチベーションが下がってしまう。反対に自分の中で成長したと実感できるとやる気も出ますし、モチベーション維持に直結しますよね。

――サロンのように同期がいて自然と刺激がある環境ではないですもんね。どうやってモチベーションを保っていますか?

新しいことに挑戦するようにして、変化を持たせるように意識しています。毎日同じルーティーンだとマンネリしてしまう。突飛なことをするというよりは、小さいことから少しずつ。施術ではカットの仕方を変えたり、Instagramの投稿を工夫してみたり、お客様への提案の仕方やコミュニケーションの取り方に変化を持たせたり…。そうして新鮮さを刺激として取り入れるように過ごしています。

予約が2、3ヶ月先まで埋まったという話も、そこまで先まで埋める必要もないかもしれませんが、そうした目先にある小さい目標からこなしていくクセづけをしないと急にはできませんし。フリーランスとしてモチベーションを維持していくために、物事の大小に限らず、更新し続けることを大事にしていきたいです

――フリーランスになるには、自発性がないと難しいのですね。

いかに自分のモチベーションを維持できるか、ですね。フリーランスって自分でなんでも決められることが良い反面、人の意見を取り入れ過ぎてしまうと目的を見失ってしまいがち。なので、吸収し過ぎてしまったり人の意見に耳を傾け過ぎてしまう人がフリーランスを選ぶと難しいかもしれません。

あとは、突然の出来事を予測して対策することです。例えば、スタイリスト業だけでは収入が確保できない状況になった場合、他の収入源の確保が必要になりますよね。僕の場合は、そうした予測に備えて株式投資などを利用し、スタイリスト以外の収入源も確保できるようにしています。今後、フリーランスとして自由に働くことを考えている人は念頭に置いておくといいと思います。

――自由を得るためにある程度の備えも必要なんですね。では、いっせいさんが思うフリーランスに向いている人とは?

主体性があって、自分で考えて行動できる人だと思います。実際、自分に合うやり方って実践してみないとわかりません。アドバイスを取り入れることは悪いことではないですが、自分で試して良いと思うやり方を軸にしていかないと。

――今後、フリーランスとして活動する上で大事にしたいことを教えてください。

一番は、「お客様に頼んでよかった」と喜んでもらえるようなカットをし続けることです。というのも、僕はカラーよりもカットの方が重要に感じていて。カラーって特に流行り廃りのスピードが早く、スタイリストの腕が良いというより薬剤のスペック頼りなところがあるなと思うんです。反対にカットは、切り方でスタイリストのデザインが色濃く反映される技術で、差別化しやすい。カラーよりも日々の成果がわかりやすくデザインに影響してくるところもカットに力を入れている理由です。

カラーよりもカットが満足できないと離脱される理由にもなるので、常に技術を更新して行くように努めていきたいです。

フリーランスで成功するための秘訣

1.集客方法を模索して実践し、顧客を獲得する

2.顧客に寄り添った料金設定や施術で通いやすくする

3.モチベーションを維持して、常に最高の施術を提供する


フリーランスとして活動してみて、モチベーションの維持やフリーランスになるにあたって大事なことが聞けました。ぜひ、参考にしてみてください。

取材・文/東菜々(レ・キャトル)
撮影/喜多 二三雄

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Salon Data

住所:GO TODAY SHAIRE SALON 原宿leap店

ご予約やお問い合わせは下記連絡先より
【Instagram】@issei_gushi
【YouTube】ぐっしーショート特化美容師

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