「人の魅力を見つけて引き出す仕事」に惹かれ、離職中に資格を取得【イメージコンサルタント 尾形光咲さん】#1
ヘアメイクやファッションにおいて、トレンドを取り入れるだけでなく、「自分に似合うか」「いかに自分の魅力を引き出すか」に重きを置くようになった時代。
そんな時代のニーズに合わせて、2022年9月にオープンした印象プロデュースサロン「FaNNa ginza(ファンナ ギンザ)」で、イメージコンサルタント・パーソナル診断士として活躍中の尾形光咲さん。コロナ禍をきっかけに「イメージコンサルタント」という新たな天職を見つけた彼女は、タイミングやご縁を大切にしながら一歩ずつ前進しています。
前編では、イメージコンサルタントを目指したきっかけから、「FaNNa ginza」で働くことになったいきさつをお聞きしました。
OGATA’S PROFILE
- お名前
- 尾形光咲(おがたみさき)
- 出身地
- 東京都
- 年齢
- 29歳
- 出身学校
- 目白大学大学院
HAPPY SPIRAL Adademy - 経歴
- 韓国内で化粧品総合代理店に勤め帰国後、観光案内所にて韓国語担当として勤務。退職後はイメージコンサルタント養成スクールで資格を取得し、印象プロデュースサロン「FaNNa ginza」でイメージコンサルタントとして活動中
- 憧れの人
- 岡田実子先生
- プライベートの過ごし方
- 一人でショッピングやカフェを楽しむ
- 趣味・ハマっていること
- 占い(四柱推命・断易)を勉強中
- 仕事道具へのこだわりがあれば
- パーソナルカラー診断に使用する、120色のドレープ
大好きな韓国語を活かした職から、イメージコンサルタントに転身
――イメージコンサルタントになる前の経歴を教えてください。
高校・大学と韓国語を専攻して、留学やワーキングホリデーで韓国に渡ったこともあり、ずっと韓国語づけの日々でした。韓国語に興味を持ったきっかけは、私が小学生の頃に日本で巻き起こった「冬のソナタ」ブーム。まだ子供でしたがすっかり韓国にハマってしまって、勉強するようになったんです。
――韓国語がお得意なんですね!ワーキングホリデーではどんなことを?
韓国のメディカルコスメを日本人向けにインターネットで販売する仕事でした。日本人のお客様の対応や翻訳をしながら、1年ほど韓国で生活しました。日常会話レベルの韓国語はできたので、韓国語を活かした仕事をしたいと思い、日本に戻ってからは観光案内所で韓国語担当として働いていたんです。
――今とはまったくジャンルの違う仕事だったのですね。なぜイメージコンサルトを目指すことに?
新型コロナウイルスの流行で外国からのお客様が激減してしまい、将来のことをいろいろ考えるようなって。観光業界は大打撃でしたから、同僚たちもみんな悩んでいました。そんな中、体調を崩してしまったこともあり、勤めていた観光案内所を辞めることに。
ちょうどその頃、イメージコンサルタントで「顔タイプ」診断の創設者でもある岡田実子さんの診断を、私の母と妹が受けてきたんです。ふたりの話を聞いて、人を喜ばせる仕事って素敵だなと思いましたし、人の魅力を探し出す仕事にとても惹かれました。
――そのときに、イメージコンサルタントという職業を知ったのですか?
パーソナルカラー診断や骨格診断自体は、5、6年前から興味を持っていましたし、実際に診断を受けたこともあります。でも、職業として「イメージコンサルタント」を意識したのはそのときが初めてですね。
――それで、岡田実子さんが代表を務める「HAPPY SPIRAL Academy」で学ぶことになったんですね。
学びたいと思ったときに、まずはいろいろなスクールを調べてみました。パーソナルカラー診断と骨格診断に加えて、顔タイプ診断もいま話題になっています。それで、顔タイプ診断をつくった先生のもとで学びたいと思って、「HAPPY SPIRAL Academy」への入校を決めました。
技術や知識だけでなく、大切なマインドを学んだスクール時代
――スクールではどんなことを学んだのでしょうか?
私が選んだのは、「イメージコンサルタント養成コース」という半年ほどのカリキュラムです。顔タイプ診断やパーソナルカラー診断、骨格診断、メイクやスタイリングまで多彩な授業を受けられました。メイクはベーシックメイクのほかに、顔タイプ別の似合わせメイクも学ぶことができました。
コロナ禍でもあり離職中でもありましたが、「どうせならその期間を有効活用しよう!」と。体調回復に努めながら、スクールの授業はもちろんのこと、自宅でも毎日勉強に集中することができました。
――スクールで得たことの中で、特に印象に残っているのは?
モデルさんをお呼びして診断の練習をするのですが、先生に「診断時間の中でいかにその人のことを知ろうと思うか、その人に圧倒的な興味を持つかが大事」と教えていただいたのがとても印象的です。
これまでも接客の仕事をしてきましたが、ひとりのお客様に対して、ある程度の時間をかけてじっくり向き合うという経験はなかなかありませんでした。大きな学びのひとつだったと思いますし、そういうマインドはずっと大切にしていきたいと思っています。
――特に楽しかった・興味深かった科目はありましたか?
パーソナルカラー診断は他の科目よりも授業日数が多く、学ぶこともたくさんありました。私が学んだのは春夏秋冬の4タイプの分類だったのですが、スクールによっては16タイプに分類する診断法を扱うこともあり、わりと複雑なんですよ。色相心理学も関係してきますし、学べば学ぶほどとても奥深くて…。勉強は大変でしたが、同時に楽しさも感じられました。
――今でもやはりパーソナルカラー診断がお好きですか?
パーソナルカラー診断は、お客様と一緒に鏡を見ながら行なうので、お客様自身もその場で顔色の変化を見ることができます。そして診断する側の私には、お客様の表情や反応がダイレクトに伝わってきます。正しく診断する難しさはあるのですが、そういったおもしろさも感じられるので好きですね。
練習を重ねながら働き方を模索中に、「FaNNa ginza」とのご縁が!
――資格を取得してからは、どんな活動をされていたのですか?
スクール卒業時に、パーソナルカラーアナリスト、骨格診断アドバイザー、顔タイプ1級アドバイザー、パーソナルスタイリスト、メイクアドバイザーの資格を取得しました。
卒業後、まずはモニターさんを集めて、診断の練習を重ねました。友人、知人、知人の知人までたくさんの方に声をかけて、無料で診断をさせてもらいました。
――練習期間がとても大変そうですね。
そうですね。ご自分のパーソナルカラーや骨格タイプを知りたいという方は多いのですが、「顔タイプって何?」という声もたくさんありました。その頃はまだそこまで認知度がなく、まず興味を持ってもらってご協力いただくのが結構難しかったんです。
パーソナルカラー診断も、人気があるとはいえ診断の際にメイクオフしなきゃいけません。手間や時間がかかるので、モニターさんにそこをどう理解してもらうかが大変でしたね。また、モニターではなく実際に診断を受けるとなるとそれなりの金額がかかるので、「こういう診断って、そんなに重要なの?」と思われている方もいらっしゃいました。
――イメージコンサルタントとしての働き方について、何かプランがありましたか?
はじめは自分ひとりで起業しようと思っていたのですが、どこでやるかが問題。実家暮らしなので自宅ではできないし、どこかに診断する場所をつくらなきゃいけないなと考えていました。そんなときに声をかけてくださったのが、「FaNNa ginza」の代表である塚本繁さんでした。
――塚本さんとはどのようなつながりが?
もともと私が美容室「K-two」(塚本さんが「FaNNa ginnza」を立ち上げる前にマネージャーとして勤務)で髪を切ってもらっていて。私だけでなく母も妹も、塚本さんにずっと担当してもらっていたんです。それがご縁ですね。
私からは、イメージコンサルタントの勉強をしていることを特に話していなかったんですよ。でも母が塚本さんに話していたみたいで。「FaNNa ginza」は“印象プロデュース”をコンセプトにしているので、イメージコンサルタントとの親和性がすごく高いですよね。それで、お声をかけていただきました。
――お母様がつないでくださったご縁、素敵ですね!
いつの間に話していたんだろうと驚きましたよ(笑)。でも、このチャンスを逃しちゃいけないと思い、「ぜひ!」とお返事しました。
コロナ禍による苦境をきっかけに、将来を見つめ直した尾形さん。単に悩むのではなく、「イメージコンサルタント」という目標を見つけ、一歩踏み出すことで新しい世界が開けました。取材を通して感じたのは、尾形さんの柔和な笑顔の中に宿る、強さとしなやかさ。いくつもの資格を取得する努力はもちろんのこと、ご家族が引き寄せてくれた縁を大切にする気持ち、好機を逃さない決断力が、今につながったのではないでしょうか。
後編では、「FaNNa ginza」でイメージコンサルタントとして活動を始めた尾形さんの思いや、今後の展望などを教えていただきます。
取材・文/井上菜々子
撮影/喜多二三雄