経営者、アイリスト、イメージコンサルタント。3つの働き方を実現する「Eyelash&Nail salon Lunette」AKKOさん
現在、アイリスト、イメージコンサルタントとして活躍しているAKKOさん。美容師として5年ほど働いたのちにアイリストに転身し、2012年に「Eyelash&Nail salon Lunette(アイラッシュ&ネイルサロン リュネット)」を開業しました。小さなマンションの一室から始まったサロンはやがて広い場所へ移転し、スクールも開催するなど順調にキャリアを重ねていきますが、もともとヘアメイクアーティストを目指していたことと、曰く「飽き性」であることから、「もう一度メイクを学びたい」と思うようになったそうです。前編では、これまでの歩みや、経営者として大切にしていることなどについて伺います。
お話を伺ったのは・・・
AKKOさん。
アイリスト、イメージコンサルタント。下北沢「Eyelash&Nail salon Lunette(アイラッシュ&ネイルサロン リュネット)」代表。美容専門学校を卒業後、美容師を経てアイリストに転身。2012年に下北沢にサロンを開く。顔タイプ診断(R)の創設者である岡田実子さんとの出会いをきっかけにイメコンスクール「HAPPY SPIRAL Academy」で顔タイプ診断や骨格診断、顔分析メイクなどを学ぶ。アイリストとして活動を続ける一方で、イメージコンサルティングプライベートサロン「Bimore(ビモーレ)」に所属し、イメージコンサルタントとしても活躍。一人ひとりに本当に「似合う」メイクやヘアスタイルを提案している。
Twitter:@akko_make0225
Instagram:@akko_make0225
美容師からアイリストへ転身。いち早くアイサロンを開業
――AKKOさんは元美容師とのことですが、ずっと美容に興味があったのでしょうか?
そうですね。もともとはヘアメイクアーティストに憧れていたんですが、母に「美容師免許は持っておいた方がいい」と言われて、それもそうだなと美容専門学校に進学しました。学校でいろいろなことを学ぶなかで、美容師もやってみたいなと思うようになり、卒業後は美容室に就職しました。ヘアメイクアーティストとして活躍されている方の中にも、美容師から転身された方が多くいらっしゃいますよね。
ヘアメイクのお仕事もやりたいけれど、先にヘアメイクアーティストになって、30歳で美容師に転身するとしたら、アシスタントから始めるのはちょっと難しいだろうな…と思ったこともあります。
――確かに、体力的な面でもキツいかもしれませんね。美容師としてはどれくらいお仕事されたのでしょう?
約5年間です。最後の1年だけ、ヘアメイクアーティストさんがオーナーの美容室に入店して、ヘアメイクの現場でのアシスタントも経験させていただいたのですが……。そこで改めてヘアメイクアーティストの仕事の大変さを痛感して、もう少し普通の生活を送れる仕事はないかとたどり着いたのがアイリストでした。
当時はまだ、「アイリスト」という言葉があまり認知されていなくて、まつ毛エクステの施術に美容師免許が不要だった時代です。周りのスタッフの方たちも、ほとんど美容師免許を持っていないような状況でしたから、法律が変わったときは専門学校へ通い直したり、大変な思いをされている方もいましたね。
私は何の問題もなく仕事を続けることができたので、3年間のアルバイトを経て、自分で部屋を借りて小さなサロンをはじめました。まだまつ毛専門のサロンが少ない時代でした。
順調に店舗展開をする中で、新たに見えた課題も
――アイリストになった段階から、独立を意識されていたんですか?
それが、全然考えていなかったんです(笑)。サロンでのアルバイトと並行して、技術を磨くために週に1~2度シェアサロンを借りて、SNSで集客した方に向けて施術をしていたのですが、まつげエクステの価格を相場の半額程度に設定して募集したところ、たくさんの応募をいただいたんです。こんなにたくさんの方が来てくださるんだったら、自分でサロンをやってみようと思いました。
――サロンを始めてからは、順調でしたか?
最初はマンションの一室からスタートして、2年後にもう少し広さがあるいまの場所に移転しました。アイサロンを開業するためには保健所に「美容所登録」をする必要があるのですが、ある程度広さがないと登録ができないんですね。それに見合う広さとなると、私ひとりでやるにはちょっと広すぎる。何か活用できないかなと、ベッドを4台設置して友人のアイリストに貸したりもしたのですが、そうそうベッドが埋まるわけでもなくて…。そこで、まつ毛エクステのスクールを始めることにしました。
――なるほど、有効活用ですね。
さらに、教えていた生徒さんがアイリストとして働くお店を探していたので、新しいサロンも開いたんです。
――それはすごい! 「あったらいいな」と思うものを作っていったらキャリアに繋がっていったのですね。
そうですね。ただ、以前は三軒茶屋と吉祥寺にもお店を展開していたのですが、コロナ禍を受けて店を閉め、今は下北沢のみになりました。
――そうだったんですね。やはり、コロナの影響は大きかったですか?
外出ができずリモートワークが中心だった時期は、売り上げも大幅に落ちました。ただ、吉祥寺は競合店も多いエリアで、このまま続けるか迷っていたので、店を閉める決断をするきっかけにもなりました。店舗を複数持つことで、自分の目が行き届かない部分が出てくるなど、色々勉強になりましたね。
気持ちよく働いてほしいから、サロンスタッフは「自由出勤制」を導入
――初めてサロンを開かれてから10年目を迎えられましたが、これまで経営者としてどんなことを大切にされてきましたか?
「スタッフが働きやすいサロン」作りです。スタッフが長く続いてくれるサロンだったら、お客さまも長く続いてくださると思うんですね。
今でこそ、業務委託の美容室がたくさん増えていますが、私が美容師として働いていた頃は正社員で働くのが当たり前の時代でした。私は飽き性なので、その働き方が合わなくて…。例えば、週に2回美容師として働いて、ほかの日は別の仕事をして…という働き方が可能だったら、いまも続けていたんじゃないかなと思っています。
だから、自分でサロンを開くときに、スタッフが本当に自由に働けるお店にしようと思いました。当店は、基本的に出勤時間は自由で、お客さまがいらっしゃらなければ出勤しなくてもいいという形をとっています。
――自身が働きたいお店を作られたんですね。ところで、AKKOさんは飽き性なんですか?(笑)
そうなんです(笑)。サロンを始めて、お店が軌道に乗るようになったら、また次に新しいことをやってみたくなって…。そこでもう一度、メイクをやりたいと思うようになったんですね。
そのとき、たまたまInstagramで見つけた岡田実子さんのスクールに通うようになったのがイメージコンサルタントになったきっかけです。
――現在、アイリストとイメージコンサルタント、さらに経営者でもあるわけですが、今の働き方に満足されていますか?
そうですね。私はたぶん、1つのことだけを続けるということができないので、今のスタイルが自分には合っていると思います。といっても、結局すべて美容に関連することではあるのですが(笑)。メイクのお仕事の幅を広げたいという思いもあって、またメイクのスクールに通いたいなと思っているところです。
美容業界で長く活躍するための3つのポイント
1.飽き性は「好奇心旺盛」な証。自分がやってみたいこと、自分にとって必要だと思うものを見つけたら、迷わずチャレンジする
2.固定概念にとらわれず、自分らしい働き方を実現する
3.経営者として、何よりも自分が長く働きたいと思う店作りを追求する
自身を「飽き性」と称するAkKOさんが、約20年に渡り美容業界で働き続けている裏側には、常に新しいことに飛び込む前向きさがありました。後編では、イメージコンサルティングのお仕事について深堀りしていきます。お楽しみに!