日常のあらゆるものから刺激を受けて、技術や接客を向上させる ネイリストshokoさん
人とかぶらない個性的なネイル、とくに本物のガラスのような美しさが特徴の江戸切子ネイルを得意とするshokoさん。現在二子玉川でプライベートネイルサロンを営む人気のネイリストです。前編では、独立するまでの経緯や完成まで３年かかったという江戸切子ネイルの誕生秘話について伺いました。後編では、自身の強みを持つことの重要性やshokoさんがネイリストとして大切にしている接客について紹介します。
今回お話を伺ったのは…
shokoさん
ネイリスト
埼玉で1年、東京都内のサロンに2年勤務したのち2019年8月に独立。現在はプライベートネイルサロンを経営するほか、オンラインスクールやセミナーにて講師をつとめる。また、企業との商品開発を行うなど多岐にわたって活躍。江戸切子をはじめとした繊細で美しいデザインが人気で、インスタグラムのフォロワー数は約2万人。
shokoさんのInstagram：＠nailartist_shok
オンラインレッスンは収益だけでなく集客面でも効果的
Shokoさんのこだわりがつまった江戸切子ネイル
――前編では江戸切子ネイル誕生のお話を伺いました。このデザインもやはりインスタグラムで広まっていったのでしょうか？
そうですね。インスタグラムに投稿してからは新規のお客さまが一気に増えました。それからPNAというオンラインスクールの講師をしているのですが、そこでも江戸切子ネイルの施術方法を公開。それを見たネイリストの方が実際に施術したデザインをインスタグラムに投稿する際に、みなさん私をタグ付けしてくださるんですよ。そうやってどんどん広まっていきました。
――オンラインレッスンもされているんですね。
はい。独立してすぐにお声掛けをいただいて参加することにしました。現在は月に１回スタジオでデザインの作り方講座を録画して配信しています。このレッスンは月額550円で他のネイリストさんの講座も受け放題なのでとてもお得なんですよ。先ほどお話ししたように生徒さんのタグ付けによって、多いときにはそこから2,000人くらいフォロワーが増えました。収益だけでなく集客面でも活用できています。
施術時間を気持ちよく過ごしてもらえる接客が一番大事
インクで描いたフラワーアート。細かなデザインが魅力
――これまでshokoさん独自の技術のお話しを伺ってきましたが、やはりネイリストとして強みを持つことは必要でしょうか。
必要です。とても大切なことだと思います。集客のためにはなんでもできたほうがいいと思う方もいるかもしれませんが、そうするとパーツなどの在庫の管理も大変。またつねに多くの技術を向上させなければなりません。それはとくに独立されている方にとって難しいことだと思うんです。アートに限らず、ワンカラーやニュアンスなどジャンルは問いませんが、自分の得意分野を持って技術を極めること。そうすることでそれを求めてお客さまが来てくれるようになります。自分のアピールポイントも明確になりますし、強みを持つことは大切ですね。
――それではshokoさんがフリーランスネイリストとして大切にしていることを教えてください。
7割接客だと思います。さんざん技術の話をしてきたのですが（笑）。どれだけネイリストがこだわって美しいネイルを完成させたとしても施術中の2、3時間の居心地が悪ければリピートする方って少ないと思うんです。技術はもちろん大切。でもその前提に接客があることを忘れてはいけません。
――shokoさんが接客面で気をつけていることは？
細かいところですが、年齢にかかわらず絶対に敬語でお話しをする、お客さまより上の目線にならない、最後までお見送りをするなど、一見当たり前のことをきちんと丁寧に行うことを心がけています。また、「2時間あっという間だった！楽しかった！」と思ってもらえるように、施術中は常に会話をするように。細かいアートに集中すると話せなくなる方は、オフやケアの時間にしっかりとコミュニケーションをはかり、お話しができなくなる際には「今から集中するので少しの間お話しできなくなりますがすみません」とひとこと声をかけるだけで印象が変わると思いますよ。
――そのような接客についてはどのようにして身につけられているのですか？
1年に１回は必ずほかのサロンにお客として行ってサービスを受けるようにしています。そのなかで、「これはちょっと嫌だったな」とか逆に「これはうれしかった！」と自分で感じたことをサロンワークに生かすようにしています。お客さまは嫌なことがあっても口には出してくれません。ただ、次から来てくださらなくなるだけですよね。実際に自分がお客さんになることで普段自分では気づけないことに気づくことができるんです。
日常生活で目にしたものから仕事のアイディアを得る
冬に人気のwedgwood Design
――これから独立を考えている方にアドバイスがあればお聞かせください。
最近はセルフネイルも質がよくてかわいいものが多いですし、SNSでもネイリストの方が多く発信されていることもあり、昔にくらべてお客さまの目が肥えています。そのためこれから独立したいという人は結構大変になってくるのではないでしょうか。そんななかできることは日常生活でも常にアンテナをはって、たくさん吸収すること。たとえば私はよく最新のコスメなど、ネイル以外でもはやりのカラーやデザインを見るようにしています。インスタグラムもネイリストさんだけでなく、旅行やカフェのアカウントなど世界観が素敵な方がたくさんいるので、頻繁にチェックしてデザインの参考にするんですよ。またカフェやスーパーなどの店員さんからは接客のノウハウを学ぶこともあります。いろんなものからインスピレーションを得て、接客やデザインに還元することがこれからとても大切になってくるはずです。
――それでは最後に、今後の目標について教えてください。
今後も見たことがないアートや、ネイルにするのは想像できないようなものなど、斬新なデザインを生み出していきたいです。そのためには固定概念にとらわれず、ジェルなど使うアイテムも新しく検討する必要があると思うんですよね。来年以降はその研究をがんばっていきたいなと思っています。これからもたくさんの方に感動を与えられるような、そして自分自身も納得できる美しいネイルを生み出していけたらうれしいです。
フリーランスネイリストとして大切にしていること3つ
予約で埋まるフリーランスネイリストshokoさんが大切にしていることをまとめると以下の３つでした
1.細かい気配りを徹底した接客
2.得意分野を持ち、その技術を極める
3.日常生活で常にアンテナを張ってネイルに落とし込む
技術も接客もたくさんのこだわりと信念を持って仕事に臨んでいることがわかりました。そんな情熱がお客さんに伝わるからこそshokoさんはサロン時代も独立してからも人気ネイリストとして活躍されているのだと思います。江戸切子に並ぶ斬新なデザインが生まれる日が楽しみです。
