屋久島と東京の二拠点生活を経て。箱に縛られない新しいエステティシャンの働き方を【エステサロン 美寿(ビジュー。) オーナー 在間麻里さん】#2

前回に引き続き、「エステサロン 美寿(ビジュー。)」のオーナー・在間麻里さんにインタビュー。都内のサロンでマネージャーなどに就き活躍したのち、自分らしい働き方を模索するため、キャリアを手放し、開業。「毎月期間限定の営業」でスタートしましたが、それを活かして屋久島と東京の二拠点生活を送っていたそう。

後編では、その二拠点生活で得たことや、箱=サロンにとらわれない働き方への挑戦についてお話しいただきました。

教えてくれたのは
「エステサロン 美寿(ビジュー。)」オーナー・在間麻里さん

専門学校を卒業後、都内のエステサロンに就職。最年少でマネージャーや店長代理を務め、入社5年目の24歳のときに独立。レンタルサロンに「エステサロン 美寿(ビジュー。)」を構え、毎月1週間限定という形で営業をスタート。屋久島のスパを掛け持ちし、二拠点セラピストとして活動していた時期も。

「大自然の中で施術をしたい」という想いで屋久島へ

笑顔がとても綺麗な方でした!

――2018年に屋久島と東京の二拠点生活を送っていたそうですね。そもそもなぜ屋久島に?

前サロンを退職した後に、タイへ1ヶ月のマッサージ留学に行ったんです。留学先はすごく自然豊かなところで。大自然に囲まれた環境でマッサージを学んでいたのですが、自分が施術をしているときも、モデルになって施術を受けているときも本当に気持ちが良くて。「都会の忙しい人にこそ受けてもらいたい!」と思ったんです

帰国後、自然の中で施術できる物件を探してみたのですが、都内ではなかなか見つかりませんでした。そんなときに、以前独立を勧めてくれた知人の女性プロデューサーが「屋久島で二拠点セラピストを募集」という求人をSNSで見つけてくれて。「東京で数日間しか営業していないのなら、残りの日は屋久島に行ってみたら?」とまた背中を押してくれました。

そのサロンの内観写真を見てみると、まさに私の理想を具現化したようなサロンで、ここしかない!と思いました。失うものも何もなかったので、思い切って踏み切ることができたんでしょうね。

――どのくらいの頻度で、東京と屋久島を行き来していたのですか?

月によってまちまちでしたが、1週間東京で過ごしあと、残りの3週間を屋久島で過ごすときもあれば、2週間ずつ滞在するときもありました。

――屋久島ではどんな暮らしを送っていたのでしょうか?

よく驚かれるんですけど、ライダーハウスの庭でテント生活をしていたんです(笑)。夏の暑い日も、冬の寒い日も。

――テント生活ですか!?

もともとアフリカで原始的な生活をしてみたいという夢があったのですが、叶わず、代わりに屋久島でやってみようと思って。テントで寝起きして、軽トラを運転して職場まで行く、という生活を送っていました。ちなみに、軽トラを運転するためにわざわざ免許も取ったんです。現地の同僚には心配されましたし、かなり浮いていたと思います(笑)。

――なかなかユニークな生活ですね。屋久島での暮らしで得られたことはありますか?

たくさんありますが、一番は島暮らしを通して「同じ国内でこんなにも違うの!?」という環境と生活を知れたことですね。

出勤する道中できれいな海や山を眺めることができたり、最高の癒しでした。

屋久島では「自然」が第一優先。人間よりも自然の方が当たり前に強く、雨が降ったらお店がお休みとか、みなさん自然ありきの生活をしているんです。でも、それってすごく原始的だなって。これまで都会で生きてきましたが、今の暮らしだけが全てではない。同じ国内でも色々な暮らしができることに気づけたのが自分的に一番大きな収穫でしたね

在間さんの相棒「パワーレメディ」

――その後も、東京で期間限定の営業スタイルを続けてきたのはなぜですか?

屋久島との二拠点生活を終えたあと、どういう風に活動していきたいという具体的な目標は特にありませんでした。でも、結婚を視野に入れていたので、いずれは家庭と両立できる働き方をしたいという気持ちもありましたし、他の活動もできるくらいの余白を残しておきたかったんです。

エステティシャンに多様な働き方をもたらしたい

屋久島ならではの貴重な体験も。「勤めていたスパがアロマ工場も経営していて。屋久島の地杉を伐採し、そこからアロマを精製して…という製作過程を間近で見たり、お手伝いをしたりと貴重な体験ができました」(在間さん)

――エステを通じてどんなことを伝えていきたいですか?

実は最近気づいたことなのですが、「あきらめないで」ということを発信していくことかなって。悩みや不調がずっと続くんじゃないか…と絶望的になっている人たちをサポートしたいんです。私自身、アトピー体質を克服することができたように、「きっと変われるよ」「なりたい自分にもっと近づけるよ」と伝えたい。なりたい自分に近づけたらよりハッピーになるし、より生きやすくなります。私はそのお手伝いがしたいんです。

あと、私がこのサロンで女性のきれいをサポートしている理由は、女性が輝けばその周りもハッピーになるから。子どもを産むのも育てるのも、男性を陰で支えているのも女性です。女性が笑顔でいることが世の中の元気に繋がると信じています。

――独立して自分らしく働ける秘訣ってありますか?

人生で大切にしたいことをハッキリさせること。私の場合は「仕事だけでなく、プライベートの時間も大切にしたい」という気持ちがあり、スケジュールを自分で決められるようにと「独立」を選びました。

あと、自分をよく知ること。自分の強みを理解し、それが一番発揮できる働き方を模索することですね。

――在間さんのように、仕事を楽しむために必要なマインドとは?

貪欲に学ぶこと。指示待ちにならず、どんな状況であれ、「ここから学べることはなんだろう?」と考えて、常に自分から動くことを意識してきました。

また、感謝の気持ちを持って、目の前の一人に尽くすこと。多くの仕事は人間関係の上に成り立っているので、気持ち良く仕事をするためにも、関わる人に常に感謝の気持ちを持つようにしています。基本的なことですが、とても大切なことだと思います。

そして、業界の固定概念にとらわれず、他業種の色々な人と交流して、多くの考え方に触れることも大事なこと。私はこれまで色々な場所に行き、たくさんの人々に出会ってきました。その中で学んだことが今、仕事に活かせています。

――今後の目標を教えてください。

私は、エステティシャンとしてもっと多様な働き方を目指しています。今、ダイエットコーチの勉強をしているのですが、一般的な食事指導や運動指導だけではなく、丁寧にカウンセリングを行い、心のトリガーポイントを見つけて、そこからアプローチしていくという指導方法を研究しているんです。例えば、「この人がこういう食生活になったのはなぜなんだろう?」と、心の問題から太ってしまった生活の原因を探るとか。

体へのアプローチはエステで、心へのアプローチはダイエットコーチで。両方のスキルを身につけば、体から心へのアプローチも、心から体へのアプローチも可能になるので、もっと多くの人たちのお役に立てるんじゃないかなと。

――どんどん働き方が多様化していきますね。「エステティシャン」という肩書に固執せず、箱=サロンにとらわれないところも在間さんらしいです。

二拠点生活、出張、ウィークリーサロンなど、独立してすぐに自由な働き方を実現できましたが、それは若いときにエステ会社で多くの経験を積むことができたからだと感じています。

エステティシャンは自宅サロンとしてやっている方も多いと思いますが、箱に縛られない働き方&活動方法がもっと増えれば良いなと思っています。この業界は依然として離職率は高く、働きすぎて体を痛めて辞めていく人もたくさん見てきました。しかし、彼女たちはもともと好きでエステの仕事をしていたことを私は知っています。エステの仕事が好きという人たちが辞めないでいられる新しい働き方を、私が身をもって発信していきたいです

「好き」という気持ちを持ち続けられる働き方とは?

1.人生で大切にしたいことを明確にする

2.色々な場所や人との出会いからも多くの学びがある。自分から一歩踏み出す勇気を持つ

3.箱=サロン以外にも目を向け、自分にとって居心地のいい働き方を見つける

取材・文/佐藤咲稀(レ・キャトル)
撮影/SHOHEI

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Salon Data

エステサロン 美寿(ビジュー。)
住所:東京都中央区港1-10-2 salud bld八丁堀1F
レンタルサロンCuna
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