お子さま連れ歓迎!キッズスペース付きサロンは、「自分が欲しいサロン」だった「nailsalon Andy」オーナー若松沙樹さん
手描きアートやフィルインなどのハイクオリティな技術提供と、保育士常駐というスタイルで中野で人気を集めているのが「nailsalon Andy」です。オーナーの若松さんは、ネイルサロンのほかに、飲食店経営も手掛ける敏腕経営者。
前編では、他店との差別化に成功している3つの秘訣について伺いました。お店のコンセプトを考えるにあたり、自身の育児経験から「ママがゆっくりできる場を提供したい」という想いをもち、保育士常駐のサロンをつくったのだそう。また、過去訪問した他店のサロンから、多くのヒントを貰い経営に役立てているそうです。
今回、お話を伺ったのは…
若松沙樹さん
「nailsalon Andy」オーナー。役者、会社員経験を経て、飲食店とネイルサロンを経営中。自身はネイリストとしての経験はないものの、ベテランネイリストの店長と二人三脚でサロンを運営し、中野で人気のお店に。徹底した他店との差別化と、従業員の個性を生かした経営を心がけている。
若松沙樹さんのinstagram:@kids_nailsalon_andy
ネイリスト未経験からネイルサロンのオーナーへ 信頼できるスタッフと二人三脚で前進中!
――若松さんご自身は、ネイリストとしての経験がないと伺いました。どのようなきっかけでネイルサロンの経営を目指されたのでしょうか。
私は爪が非常に薄くセルフケアが難しいため長年ネイルサロンに通っていたのですが、子どもができて、思うように通えなくなったのがきっかけです。乳幼児を連れていけるネイルサロンは少なく、子どもをだれかに預けるのも心苦しくて…。そんな思いから乳幼児連れで行けるネイルサロンをいつか作りたいと思うようになりました。
「再構築事業補助金」に保育士常駐のサロンだということを明確にして応募したところ、採択されました。採択理由は通知されないのですが、他のサロンとの差別化によって収益化が見込まれると思ってもらえたのではないでしょうか。
――ネイリストとしての知識がない状態での開業ということですと、ご苦労もあったのではないでしょうか。
技術面はネイリストである店長、経営や運営に関する部分は私と役割分担し、互いに補い合いながら開店準備をすすめました。店長は元々フリーランスのネイリストとして活動しており、技術面に関しても全幅の信頼をおいています。協力体制が取れたからこそ、できたことだと思います。
その他で壁にぶつかったのは、ネイリストさんの採用。近年はネイリストさんの人材不足が問題になっていると噂に聞いていましたが、私が経営する飲食店と比較すると、応募人数が少なく感じました。そんな状況であっても技術面のクオリティは担保したいと思い、妥協せずに採用を進めるのは大変でした。
私が飲食店経営で実施している方法で面接をして、店長によるネイルの技術チェックを行った結果、他店の店長経験がある方、フィルインの講師の経験がある方など高クオリティな施術ができる、志の高いメンバーを2名採用することができました。
「キッズスペース」と「手書きアート」で他店との差別化に成功!
――「nailsalon Andy」の強みを教えてください。
「保育士常駐キッズスペース付きのネイルサロン」という点が、他店との差別化につながっていると思います。当店では、保育士資格を持ち、0〜5歳の乳幼児の保育経験があるスタッフが店舗に常駐しているので、安心してゆっくりと施術を受けていただけます。予約が入ると保育士さんが通勤するスタイルのお店は多いと思うのですが、保育士常駐という形態を取っているお店は珍しいかもしれないですね。
私自身、乳幼児の子育てをしている最中は、ネイルに限らず美容室にもエステにもゆっくり通うことができませんでした。その経験から、たった2時間であっても子どもと離れて、自分自身のために時間を使う機会が必要だと思ったんです。私のような悩みを持つママさんたちに寄り添ったサロンをつくりたいと思い、保育士常駐のネイルサロンというコンセプトはオープン前から決めていました。
――技術的な面での強みはどのようにお考えですか?
自分自身の爪が弱くケアに苦労した経験から、爪の悩みがある方でもネイルができるよう「フィルイン」を推奨しているのも特徴かと思います。
そして、緻密な手描きアートのネイルができるという理由でも、多くのお客さまに当店を選んでいただいています。これもフィルインと同様に、ネイリストの高い技術が必要です。身の回りの人を思い浮かべた時、意外と「アニメが好き」「推しのアイドルやキャラクターがいる」という人が多く、手描きアートの需要の高さに気づきました。
「人の振り見て我が振り直せ」自店と他店の違いを徹底分析
――サロンのオープン前からしっかりとコンセプトを固めて、強みを創出されているように感じます。
サロンのある中野駅近隣は、ネイルサロンが50軒ほど立ち並ぶ激戦区です。そこで、近隣店との徹底した差別化が必要だと思いました。まずは、近隣のネイルサロンの情報にすべて目を通し、どんな施術を強みとしているのか、価格帯はどれくらいなのか調査。さらに、人気のお店には直接足を運んで実際に施術を受け、技術レベルや空間づくり、 接客など、どんな点にこだわりがあるのか把握することを心がけました。
それらの結果を総合し、当店は時間を取ってしっかりとしたカウンセリングを行うこと、「フィルイン」などの高い技術を提供することなど、ひとつひとつにこだわりを持って施術するために、近隣のサロンより1000円~2000円ほど単価を高く設定しました。他のサロンよりも高い代金をいただくわけですから、金額に納得していただくにふさわしい技術と空間を提供することが使命だと思っています。
――自店と他店の比較をしっかりと行い、「差」をつけたのですね。
その他にも、過去に顧客として他のネイルサロンを利用した経験を思い出し、よかった点・改善したほうがよいと思った点をサロン運営に生かすようにしています。ネイルのサンプル数が多い点や座席で好きな映画やアニメをゆっくりと見られる点などは、他店のよいところを参考にさせていただきました。
また、席がぎゅうぎゅうになっているサロンで窮屈な思いをした経験から、当店では座席をリクライニング式にし、施術中に他のお客さまが視界に入らないような席配置を取るようにしています。ゆったりと他の人の目を気にせず、くつろぎながら接客を受けていただくことができると思います。「人の振り見て、我が振り直せ」ということわざ通り、刺激を受けるたびに、自店をよりよくできないか顧みるようにしています。
nailsalon Andyが他店との差別化に成功している3つの秘訣
1.高クオリティな施術が可能なメンバーの採用活動にこだわった
2.お客さま目線で「自分が欲しいサロン」を作った
3.近隣店の情報をキャッチし、よい点は取り入れ、改善点までも参考にした
後編では、飲食店経営者でもある若松さんが経営上心がけていることや、接客の心構えに関するお話を伺います。「経営は人ありき!」と語る若松さんは、スタッフ一人一人の「心の満足」を重視しているのだそう。また、今現在、予約サイトの口コミ平均が5段階中5という超高評価を叩き出す接客の秘訣は、丁寧なヒアリングにあるとのこと。顧客との深い信頼関係が、リピーター創出のカギということです。後編もお楽しみに!