丁寧なヒアリングで予約サイトの口コミは満点!「nailsalon Andy」オーナー若松沙樹さん
手描きアートやフィルインなどのハイクオリティな技術提供と、保育士常駐というスタイルで、中野で人気を集めているのが「nailsalon Andy」です。お店のコンセプトを考えるにあたり、自身の育児経験から「ママがゆっくりできる場を提供したい」という想いをもち、保育士常駐のサロンをつくったのだそう。また、過去訪問した他店のサロンから、多くのヒントを貰い経営に役立てているそうです。
後編では、飲食店経営者でもある若松さんが経営上心がけていることや、接客の心構えに関するお話を伺います。「経営は人ありき!」と語る若松さんは、スタッフひとりひとりの「心の満足」を重視しているのだそう。また、今現在、予約サイトの口コミ平均が5段階中5という超高評価を叩き出す接客の秘訣は、丁寧なヒアリングにあるとのこと。顧客との深い信頼関係が、リピーター創出のカギということです。
今回、お話を伺ったのは…
若松沙樹さん
nailsalon Andyオーナー。役者、会社員の経験を経て、飲食店とネイルサロンを経営中。自身はネイリストとしての経験はないものの、ベテランネイリストの店長と二人三脚でサロンを運営し、中野で人気のお店に。徹底した他店との差別化と、従業員の個性を生かした経営を心がけている。
若松沙樹さんのinstagram:@kids_nailsalon_andy
「従業員満足度」が上がると、「顧客満足度」もアップする!
――若松さんは、飲食店という他業種での経営も経験されていますが、ネイルサロンの経営上、どんなことを心がけていらっしゃいますか。
私は、従業員の心に余裕がないと、よい技術やサービスをお客さまに提供することはできないと考えています。そして、従業員の仕事に対する心の満足は、売上に比例すると言っても過言ではないと信じています。
具体的な取り組みとしては、「このスタッフはこういう技術が得意」「このスタッフはこういうデザインの施術をしている時がとても楽しそう」など、スタッフの個性をつぶさに観察して、得意な分野の力を伸ばしてもらうように心がけています。
当店は、緻密な手描きアートを求めて多くのお客さまが来店されますが、それも店長の得意分野を生かした賜物だと感じています。店長は、アニメ・漫画やディズニーが大好き。それをとことん貫いてほしいと思い、お店としても手描きアートを推し出しています。アニメ好きなお客さまとの会話は、お客さまと店員という立場を超えて、熱いオタクトークになっていることもしばしばです。(笑)彼女自身が仕事を楽しんでいることがお客さまにも波及し、ファンを獲得しているのだと思います。
ネイルサロンにさまざまなお作法はあれど、スタッフには「まずは楽しんで働いてください」と伝えます。人生の3分の2あまりの時間を職場で過ごすと考えると、仕事も楽しんでほしいじゃないですか。
――スタッフを想う気持ちは、巡り巡ってお客さまの満足にもつながるんですね。経営するうえでの「想い」はどのようにメンバーに伝えているのですか?
私だけではカバーできないこともあるので、店長と密に連携を取りながら運営を進めています。ここでも、店長との役割分担が大事だと感じています。
私に対してスタッフが「話しかけにくい」と思わないように、自分から歩み寄ることを意識しています。具体的には、「このネイルの配色、かわいいね。今度私にもやって!」というように、積極的にコミュニケーションをとることを意識しています。
また普段から声のトーンや表情をよく見ておき、いつも違う微妙な変化を察知するよう心がけています。少しでも違和感があれば、ヒアリングに徹します。その時伝えるのは、あくまでアドバイスのみ。「指導」はしません。細かな日々のコミュニケーションが、メンバーとの信頼関係構築につながると考えています。
カウンセリングシートは細かく作成。ヒアリングがお客さまとの信頼を作る
――予約サイトの口コミ平均が5点中5点という超高得点を記録しています。その満足度の理由は何だとお考えですか?
丁寧なヒアリングをしたうえで、施術のご提案をしているからだと思います。美容院やエステサロンでは、施術前のヒアリングがしっかり行われることが多いと思います。しかし、私が過去にお客さんとして通ったネイルサロンではヒアリングがないお店も多々ありました。
お客さまにお悩みを伺うと、「ネイルのもちが悪い」「爪が薄い」という悩みが圧倒的に多いです。これらは、毎回爪を削っているのが原因と考えます。悩みが生まれる原因と解決のための施術方法をお客さまに丁寧に伝えることを徹底しています。このやり取りこそが、お客さまとの信頼関係づくりにつながっていると感じています。
――ヒアリングはどのように行っているのですか?
ヒアリングシートを用意し、初来店のお客さまに記載をしてもらうようにしています。シートは、A4サイズの用紙が埋まるようなボリュームで、「普段のネイルのもちはどれくらいですか?」や「ネイルに関するお悩みはありますか?」など9個の質問に回答していただきます。ヒアリングをするお店と比較しても、質問数は多いかと思います。質問のなかでは、ライフスタイルまでお伺いするんですよ。
また他店ではなく、なぜ近隣店舗よりも価格の高い当店にご来店くださったのか、ニーズをしっかりと理解したうえで、それを満たすことができるような接客を心がけています。
オリジナリティ溢れるネーミングでお客さまの注目を集める!
――Instagramで「極艶ネイル」というワードを見つけ、興味を惹かれました。
当店では、店長が選びに選び抜いたトップコートを使って施術をしているのですが、それがあまりにもツヤツヤしていたんです。あまりの美しさに驚き、私が「極艶ネイル」と名付けて、Instagramでその言葉を使い始めました。キャッチーなフレーズをつけることで、お客さまが興味を持ってくれるのではないかと期待しています。今後も、ネイルに対してオリジナリティ溢れるネーミングができたらいいなと思っています。
――最後に今後の目標を教えてください。
「ネイルをするなら、Andyではなくてはダメ!」とお客さまに思っていただけるように、高いクオリティで、居心地のよい空間、技術、接客を提供できるようにしていきたいです。そのためにも、スタッフ一同、日々技術や接客力を研鑽していきます。現在は、中野に1店舗のみの出店ですが、将来的には違う地域にも数店舗出店していきたいですね。
nailsalon Andyが高評価を得ている3つの秘訣
1.スタッフが仕事を楽しむことを大事にし、「得意なこと」を伸ばすスタイルでマネジメントしている
2.9問にも及ぶ丁寧なカウンセリングを通してお客さまのニーズを把握し、信頼関係を結んでいる
3.キャッチーなネーミングのネイルで興味を引くことを心がけている
明るく、はつらつとした語り口調の若松さん。経営やマネジメントを語る姿から、「サロンのお客さまを満足させたい」「スタッフに楽しく働いてほしい」という熱い決意を感じました。お客さまの満足度を向上させたい方は、若松さんのお話を参考にされてみてはいかがでしょうか?