ネイリストが生き残るために必要なのは接客力と技術力/Felicia 小笠原友紀子さん #2

新型コロナウイルスの流行を経て、これまでと同じ働き方が難しくなってきた美容業界。そんなwithコロナ時代を生き抜くために、他のサロンはどんな取り組みを行っているのか、そのプラス効果は?

前回に続き、ネイルサロン「Felicia」の小笠原友紀子さんにお話を伺います。前編で、コロナ禍での感染対策と発信の大切さを教えてくださった小笠原さん。営業再開後の新規客獲得につながった理由のひとつに、ネイルケアに力を入れていることがありました。

後編では、サロンでの勤務体制の変化と、ネイルケアセミナーの変化についてお聞きします。

お話を伺ったのは…
Felicia 代表 小笠原友紀子さん

JNA本部認定講師、ネイルサロン衛生管理指導員の資格を持ち、多くのネイルケアコンテストで受賞。2011年、東京・仙川に「Felicia」をオープン。サロンワークを中心に、スクール講師、セミナー講師など幅広く活躍中。
Instagram:@yukiko_ogasawara63

密を避けるため、3人体制から2人体制へ

コロナ禍以降、ネイルデザインはシンプルなものが増えたそう

——前回、スタッフの稼働人数を減らされたと伺いました。それにより働き方に変化はありましたか?

以前も今も、基本的に予約は2時間おきに入れています。3人体制の時は、ところどころ空きがあったんですが、今は常にフル稼働。だから出勤した時はめちゃくちゃ忙しいです(笑)。

ワンカラーの方などは早めに施術が終わるので、そのタイミングで休憩を取るようにしています。お客様の入れ替えのタイミングで消毒も行っているので、長くても1時間45分くらいで収まるようにデザインも変えました。

——時間のかからないデザインに?

もともと客層的に年齢層が高めなので、ゴツゴツしたデザインよりも、ナチュラルだけど少しトレンドを取り入れたデザインが好まれるんです。またコロナ禍以降、ナチュラルなデザインを好まれる方が増えたと感じます。

そこも踏まえつつ営業的なことも考えて、凝り過ぎず指先がキレイに見えるデザインを提案しています。

オンラインになり、以前より多くの人がセミナーを受講

ネイルケアセミナーで人気を集める小笠原さん。セミナーを開催するたび、毎回満席になります

——小笠原さんはネイルケアセミナーをされていますが、コロナ禍で変化はありましたか?

一気にオンラインがメインになり、すごく変わりましたね。私自身、パソコンも避けてきたくらい、オンラインとは無縁だと思っていた人間なので(笑)。機材を揃えたり動画の勉強をしたり、けっこう大変でした。

——オンラインになって、いかがですか?

メリットの方が大きく感じています。リアルセミナーでは、生徒さんは私の頭の上からデモを見る感じなので、私が見ている距離ほどは爪がよく見えていなかったんです。それがカメラ越しになったことで、撮り方次第では肉眼よりも近くではっきり見えるんですよね。

あとは普段セミナーに来られないような、お子さんが小さかったり遠方だったりという方も受けられるようになったのは、かなりメリットだと思います。

その分、受講人数も増えました。今までは、私が見て回れる範囲、10人程度で小さくセミナーをしていたんです。それがオンラインサロンになると、200人近い方が一度に見てくださって! たくさんの方に見ていただけるのは、すごく嬉しいですよね。

——逆にデメリットはありましたか?

実際に手に触れられないことで、力加減や力を入れる方向などを伝えるのが難しくなりましたね。そういった面では、やはり一緒に手を持ってやってあげたほうが良いのかなとは感じます。

だからオンラインでもできるだけ伝わるように、撮る角度などにこだわって動画は作っています。

とは言え、やっぱり伝わるところ、伝わらないところはありますよね。最近はリアルレッスンも再開しているんですが、実際の力加減などはやっぱり直接お伝えしたい部分なので、今後はオンラインとリアルセミナーの両方をやっていけたらいいなと思っています。

——セミナーはサロンの売り上げにも関わってくるかと思います。オンラインセミナーを成功させる秘訣はなんでしょうか?

私の場合は、本当に人とのご縁が大きいと思っています。 色々な企業様とコラボさせて頂いたり、私の夢を応援して下さるたくさんの方々に支えて頂いていると感じています。

あとセミナーに参加してくださる方は、インスタからの方が多いんです。フォロワー自体はそんなに多くはないんですが…。

——リーチ率がいいんですね。インスタでの発信で心がけていることはありますか?

SNSでの発信については、セミナーに行ったり教えてもらったりと、いろいろ勉強はしました。一番大切にしているのは、見やすさですね。動画もこだわって作っていますし、文章もなるべくネイリストさんの心に届くような内容を心がけています。

それがたまたま、ネイリストのみなさんに、セミナーを受けたいと思ってもらえるような発信につながったのかなと思います。

技術力と接客力のあるサロンが生き残っていける

コロナ以降の新規客増加の理由はコロナ対策の発信と、ケアの技術力にあったそう

——今後ネイルサロンに求められるものは、どう変わっていくと思いますか?

今でも感じているんですが、技術面と接客面、どちらもきちんと取り組んでいるところでないと、今後は生き残っていけないなと思います

とくに技術面は、とにかく時短で早く回して、すぐにネイルが取れてしまうような技術は、今後はより難しくなるんじゃないでしょうか。コロナ禍でセルフネイルに挑戦した方は、たくさんいました。その結果、やっぱりサロンでやろうと思って、来てくださる。そこでセルフとサロンの仕上がりが変わらないのでは、やっぱりダメですよね。

仕上がりをよくするためには、ケアも大切です。ネイルケアって本格的にすると、セルフではかなり難しいんですよ。プロにとっては基礎、でも基礎が一番大切ですから。そこができているサロン、ネイリストは、コロナ禍以降より強みになると思います。

——では、これからもケアの大切さを伝えていかれるんですね。

はい。ネイリストさんにケアの大切さを伝えることで、私一人では施術できないたくさんのお客様に喜んでもらえるんじゃないかと思っています

コロナ禍になって、いろんなお客様に「なぜサロンでネイルをするのか」「なぜFeliciaに来てくれるのか」というのを聞いたんです。すると、ネイルをキレイにすることで見るたびにテンションが上がる、嬉しい、楽しいという気持ちになれるから、という方がほとんどでした。

ネイルケアをすることで仕上がりが良くなり、爪自体も丈夫で健康になる。その技術を多くのネイリストさんに知ってもらい、ネイルで心が潤う方がもっと増えたらいいなと思っています。

アフターコロナのネイルサロンに求められるのは、技術力と接客力。小笠原さんが開催したセミナーでは、コロナ禍でオンラインが主流になったことで、生徒の数が桁違いに。売り上げにつながったことはもちろん、たくさんの方にケアの大切さ、技術を届けることが叶いました。

また、小笠原さんのサロンには、ネイリストとの会話を楽しみに来るお客様も多いそう。ネイルを通して心の潤いを提供する小笠原さんのサロン運営、ぜひ参考にしてみてください。

取材・文:山本二季
撮影:高嶋佳代

SALON DATA

Felicia
住所:東京都調布市仙川町 1-14-54 第59東京ビル3階
電話:03-3326-2123

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