ネイリストになるために必要な勉強とは? おすすめの勉強方法と資格を紹介
お客様の手を直接触って施術するネイリストは、ネイル施術の専門知識や技術だけでなく、爪や衛生面などに関する知識なども必要です。
そのため、ネイリストを目指している方のなかには、なにから勉強をはじめたらよいか悩んでしまう方がいらっしゃるかもしれません。今回は、ネイリストになるための勉強方法や、ネイリストのキャリアに役立つ資格について解説します。
ネイリストになるために必要な勉強とは?
ネイリストに必要な勉強は、ネイルの施術に関する知識や技術だけではありません。爪や衛生面の知識、接客やカウンセリングのスキル、トレンドなどに対する勉強も重要です。ここでは、ネイリストに必要な知識を紹介します。
爪に関する知識
ネイリストは、お客様の爪にカラーやデザインを施すだけでなくケアもおこないます。そのためには、爪の構造や病気についての正しい知識が必要です。
衛生面の知識
ネイルケアからアートまで、すべての工程において衛生面の知識は大変重要です。衛生に対しての意識が低いと、ネイルをきっかけに、グリーンネイルをはじめとした爪の病気を引き起こしてしまうこともあります。
爪自体の衛生面はもちろんですが、サロンの設備やネイル道具など、衛生管理について幅広い知識を学ぶことが大切です。
ネイルの施術方法
ネイルは地爪にポリッシュを塗布するカラーリングや、ジェルネイル、スカルプチュアなどいろいろな施術方法があり、ジェルの種類もさまざまです。お客様のどのような要望にも対応できるよう、よりたくさんの施術技術を学びましょう。
接客やカウンセリング
来店していただいたお客様に不快感を与えないことはもちろんですが、どのようなネイルを求めているかを聞き出す、カウンセリングについて学ぶことも重要です。お客様とのコミュニケーションがスムーズになることで、仕上がりの満足度もあがります。
流行などの最新情報
施術技術は日々進歩していきますが、ネイルのトレンドもつねに変化していきます。そのとき流行しているのはどんなカラーなのか、どのようなデザインなのかを敏感に取り入れることで、より多くのお客様に満足していただけるネイリストになれるでしょう。
ネイリストになるための勉強方法とは?
ネイリストを目指すときの勉強方法は、大きくわけると独学・専門学校・ネイルスクール・通信教育の4つです。ただし、いずれもメリットとデメリットがありますので、それらを検討したうえで自分に合った方法を選びましょう。
1. 独学
勉強に必要なテキストなどの教材やネイルの道具を自分で購入して、自宅などで勉強する方法です。独学のメリットは、勉強の費用を抑えられる点です。
スクールに通うと1年間の学費がかかり、スクールによっては100万円ほどかかる場合もありますが、独学であれば数万円ほどで済ませることも可能です。また、最近はネイルの勉強ができる無料動画などもあるため、独学でも学びやすくなってきました。
ただし、独学では、間違った知識を身につけてしまう可能性がある点に注意が必要です。また、間違っている部分を指摘してもらえる環境がない、挫折しやすい、試験対策が不足するなどの点も懸念されます。
ネイリストになるには独学では難しい? 独学のメリットとは|独学で目指す方法を紹介
2. 専門学校に通って学ぶ
美容に特化した専門学校へ通う方法です。ヘアメイクやエステなどさまざまなコースがあり、コースによってはネイル以外の美容知識や技術も習得できます。なお、最近ではネイリスト育成コースを開講している学校も増えてきているようです。
専門知識を講師の人から直接学ぶことができ、場合によっては他の知識も得ながら学ぶことができるので、幅広く学びたい方にもおすすめでしょう。
ただし、費用は勉強方法のなかでもっとも高く、200万〜300万円ほどかかることも珍しくありません。また、全日制で通学の場合は、2年制または3年制が一般的なので、学習が修了するまでに多くの時間を要します。
ネイリストのスクール選びのポイントは?|おすすめのスクールや専門学校を紹介
3. ネイルスクールで学ぶ
ネイルスクールは、プロのネイリストになるために必要な知識や技術を学べるスクールです。授業内容がネイルに特化しているため、短期間で修了するコースも多く見られます。
ただし、通学形式には全日制とフリータイム制があり、どちらを選ぶかによってメリットとデメリットが異なる点に注意が必要です。
全日制のスクールは平日の昼間に毎日授業が行なわれ、3カ月から2年ほどかけて学びます。毎日通うため、勉強の効率を高めやすい点がメリットです。一方で、費用はフリータイム制よりも高額になる傾向にあります。コースにもよりますが、100万円ほどが目安です。
フリータイム制は、午後・夜・週末など好きな時間を選んで学べるため、仕事や家事などの両立がしやすくなります。また、学費も安く、スクールによっては40万円ほどに抑えることも可能です。
ただし、希望どおり予約が取れるとは限らないため、思うようにカリキュラムが進まない場合もあります。
社会人がネイリストになるには?ネイルスクールの選び方や費用も紹介
4. 通信教育で学ぶ
おもにネイルスクールが提供している学習形態です。カリキュラムに沿った教材が郵送され、それらを使って自宅などで勉強します。自分のペースで学習できるため、仕事や育児などの合間に勉強を進められるのがメリットです。学費も10~20万円ほどで済むでしょう。
また、在宅で勉強しながらスクールによる遠隔サポートを受けられることもあります。たとえばわからないことはネット上での通話などで質問できるなどです。ほかには、定期的にスクールに登校し、講師から直接学ぶ「スクーリング制度」を設けている場合もあります。
ただし、自分でスケジュールを管理しなければならい点と、講師の技術を直接学べる機会が少ない点がデメリットです。
通信講座でネイリストになった人はいるの?通信講座で資格をとるメリットや講座を選ぶポイントを紹介
失敗しないネイリスト講座の選び方
ネイリスト講座は種類が多く、趣味で楽しむようなものから、基礎から本格的に学べるものまでさまざまな講座があります。
そのため、ネイリスト講座を選ぶ際にはご自身の目的に合わせて選ぶようにしましょう。ここでは、失敗しないネイリスト講座の選び方をご紹介します。
本格的に資格を取得して上級を目指す
本格的にネイリストを目指すなら、「ネイリスト検定1級」や「ジェルネイル検定」の中級・上級などの上位資格の取得できるようなカリキュラムがある講座を選択するのがおすすめです。
講座を選ぶ際には基本的には通信で学び、定期的にスクールにて実技の指導があるコースを選ぶとよいでしょう。こういったコースは費用が少し高くなってはしまいますが、通信でありながら実技も学べるのでおすすめの方法です。
ただし、下級から順番に受験する必要のある資格も多く存在するため、いきなり1級から受験できないことには注意が必要です。
入門の資格をとりたいとき
「ネイリスト検定」の2級・3級およびJNAジェルネイル初級検定などのネイリスト入門検定は、美容専門学校に通わなくても、通信講座で比較的かんたんに取得しやすいです。
これらの資格を取得していると施術に入る際にお客様からも信頼してもらえるメリットがあり、将来的にご自身のサロンを開業する際にも一定の技術力があることをアピールできるでしょう。
趣味の延長として学びたい
ネイルに関して趣味の延長として学びたい場合は、上記のような本格的な通信講座で学ぶ必要はありません。
比較的リーズナブルで、受講時間も短時間で終わるセルフネイル講座を設けている通信講座がおすすめです。
ネイリストのキャリアに欠かせない資格を紹介
ネイリストの資格がなくても施術をすることは可能ですが、就職活動や転職、独立開業などの際には、自分の知識や技術をアピールするときの材料となりえます。ネイリストの資格のなかでもよく知られている資格をふたつ紹介します。
JNECネイリスト技能検定
公益財団法人 日本ネイリスト検定試験センター(JNEC)が主催する検定です。世界に通用するネイリストの育成することを目的とし、ネイルに関する正しい知識と技術を習得させることを目的としています。
検定のレベルは3級、2級、1級の3段階となっており、1級がもっとも上位の検定です。いずれの級でも実技試験と筆記試験が行なわれます。
引用元
公益財団法人 日本ネイリスト検定試験センター JNECネイリスト技能検定
ネイリスト技能検定とは? 試験概要を紹介|3級受験のおすすめ対策を紹介
3級
ネイルケアやネイルアートに関する基本的な技能と知識を問われる試験で、特定の受験資格はなく、義務教育を修了していればだれでも受験が可能です。実技試験では、テーブルセッティングから行ない、カラーやネイルアートなどの施術を指定の時間内に完了させます。
3級の試験会場は、各地域の「3級登録試験会場」と、各都市の「オフィシャル試験会場」から選べます。
ネイリスト技能検定3級に合格するためには?|受験に必要な内容について詳しく紹介!
2級
ネイリスト技能検定試験3級を取得すると受験できる検定試験です。実技ではサロンワークで必要となるネイルケア、リペア、チップ&ラップ、ネイルアートなどの技術を問われます。
2級の試験会場は指定の都市のみとなっており、札幌・盛岡・仙台・東京・名古屋・新潟・金沢・大阪・広島・高松・福岡・沖縄で開催されます。
ネイリスト技能検定2級とは? 試験概要や合格率、注意事項を紹介|合格のポイントとおすすめの講座3選
1級
トップレベルのネイリストに必要とされる総合的な技術と知識を問われる試験で、2級を取得すると受験資格をえられます。実技のテーマは、Cカーブ、チップ、イクステンション、3Dアートなどです。
もっとも上位の試験ということもあり、高度な技術を求められるうえに、採点時のチェックも多いため、じゅうぶんに対策を行なう必要があります。なお、試験会場は2級と同じく2級の指定の都市です。
JNAジェルネイル技能検定試験
NPO法人 日本ネイリスト協会(JNA)が運営する認定試験で、安全なジェルネイルの施術を推進するために創設されました。なお、試験の日程は、例年6月と12月の2回です。
試験は初級・中級・上級にわかれており、初級ではネイルケアとジェルネイルの基礎的な知識や技術を習得しているかを問われます。中級は、プロとしてサロン施術を行なえるレベル、上級はスペシャリストレベルに位置付けられています。
引用
NPO法人 日本ネイリスト協会JNAジェルネイル技能検定
ジェルネイル技能検定とはどんな資格?第28回検定試験の要項やおすすめスクールも紹介
初級
筆記と実技の試験が行なわれ、実技ではベーシックなネイルケア、ポリッシュカラーリング、ジェルカラーリング、ジェルアートなどの施術を実演します。筆記試験の出題範囲は、衛生と消毒、爪の構造、爪の病気とトラブル、ネイルケア・ジェルネイルの手順、ジェルネイルに関する基礎知識です。
義務教育を終了していればだれでも受験が可能で、筆記試験と実技試験の点数が、100点満点のうち80点以上で合格となります。
ジェルネイル技能検定初級とは?試験内容や実施の流れなどを解説
中級
中級も筆記と実技の試験が行なわれ、実技ではネイルケアとカラーリング、ジェルグラデーション、ジェルイクステンション、ジェルフレンチカラーリングなどの施術を実演します。筆記試験では、初級の範囲に加えて施術全般やジェルネイルの理論など、踏み込んだ内容を出題。
初級に合格すると中級の受験が可能となります。筆記試験の点数が100点満点のうち80点以上、実技試験の点数が、100点満点のうち70点以上に達すると合格です。
上級
試験は実技のみで、ジェルクリアスカルプチュア、ジェルチップオーバーレイにデザインやフレンチルックを組み合わせた施術を行ないます。各施術には使用可能なカラーやジェルなどがこまかく指定がされているため、細心の注意が必要です。
中級に合格すると上級の受験が可能となります。実技試験の点数が100点満点のうち70点以上に達すると合格です。
技術力と接客術が大切!
人気のネイリスト業界で勝ち抜くには、トレンドを意識した高い技術と接客力が大切です。お客様から信頼してもらえ、さらに安心して施術を任せてもらえるようなネイリストを目指しましょう。
そのためにはネイルに関する知識やデザイン、技術などを専門的に学び、ネイリストに必要な資格を取得するのがおすすめです。こうした技術を身につけるために、ネイルスクールもしくはネイル通信講座を利用してみるとよいでしょう。
以下の記事では、実際に独立したネイリストの方へインタビューを行なっていますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
25歳での独立。決断力と実行力でつかんだ人とのつながり、夢への切符【ネイルサロンChipieee/シピー代表 Chikoさん】#1
引用元
公益財団法人 日本ネイリスト検定試験センター JNECネイリスト技能検定
NPO法人 日本ネイリスト協会JNAジェルネイル技能検定