パートとアルバイトの違いとは? 特徴や待遇・メリットなどを解説

求人募集広告の雇用形態で、「パート」「アルバイト」といった記載を目にすることはありませんか。同じ給与形態であることも多いのですが、この2つにはどんな違いがあるのでしょうか。

この記事では、パートとアルバイトの違いとあわせて、特徴や待遇などを解説します。

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パートとアルバイトの違いとは? 特徴を紹介

そもそも、パートとアルバイトは語源に違いがあります。日本ではどちらの言葉も使われていますが、法律上で違いはあるのでしょうか?フルタイムとの違いなどとあわせて見てみましょう。

語源の違いとは?

パートは英語の「part-timer」が語源で、「非常勤で働く人」を指し、「常勤ではない」「正規労働時間よりも短い」といった意味合いがあります。

一方、アルバイトの語源はドイツ語の「arbeit」です。「労働」「仕事」「勤務」などの意味があり、日本で使われている「副業」のようなニュアンスを含むものではありません。

法律上での違いはある?|フルタイムとの違いとは

パートとアルバイトは法律上での違いはなく、この区分で働いている人はどちらも「パートタイム労働者」です。

パートタイム・有期雇用労働法によって、「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」と定められています。

そして、1週間の所定労働時間通り働くことをフルタイムといい、働く時間数によって「パートタイム労働者」か「フルタイム労働者」で区別されます。

引用元
厚生労働省:パートタイム労働者とは

それぞれのイメージとは?

パートとアルバイトは法律上の違いはありませんが、企業によって使い分けている場合があります。それぞれの世間的なイメージや、企業が使い分けている例を見てみましょう。

パートのイメージ

パートの由来は、フルタイムで働けない主婦が、平日の空き時間に働くようになったことと言われ、世間的にもパート=主婦というイメージが広まりました。

企業側も、次のような人を対象としていることが多いようです。
・平日の昼間に2~4時間勤務できる人
・正社員に近い仕事内容で長期間働ける主婦層

アルバイトのイメージ

アルバイトは、学生やフリーターがお金を稼ぐために働くことを指すようになったのがきっかけで、世間にも広まったと言われています。

企業側も、次のようにパートと使い分けていることが多いようです。

・夕方や早朝、土日祝に3~8時間勤務できる
・パートよりも短期間が想定される10~20代の若年層
・仕事内容は正社員のサポート

パート・アルバイトの待遇を紹介

つぎに、パートやアルバイトの待遇面を紹介します。社会保険の加入や、有給休暇の取得について見てみましょう。

パート・アルバイトでも社会保険に加入できるの?

パートやアルバイトでも社会保険に加入できます。ただし、企業の従業員人数や勤務時間数、勤務期間などによって条件が異なるため、確認が必要です。

一部の制度で社会保険適用範囲の拡大が予定されているため、あわせて紹介します。

従業員数101人以上の企業で働いている場合

2022年10月から、従業員数101人以上の企業で働くパート・アルバイトの人で、以下のすべての条件を満たす場合は、加入対象となりました。

・週の所定労働時間が20時間以上
・月額賃金が8.8万円以上
・2カ月以上の雇用が見込まれる
・学生ではない(通信制・定時制・夜間学生は対象)

引用元
厚生労働省 社会保険拡大特設サイト:パート・アルバイトのみなさま

101人以下の企業で働いている場合

2023年5月現在、1日あるいは1週間の労働時間・1カ月の所定労働日数が正社員の4分の3以上の場合、社会保険に加入しなければなりません。

しかし、2024年10月からは、前項の社会保険適用範囲が「51人以上の企業」に拡大される予定です。

引用元
厚生労働省:人を雇う時のルール 社会保険
厚生労働省 社会保険拡大特設サイト:パート・アルバイトのみなさま

家族の社会保険で扶養されている場合

パート・アルバイトで働いている人は、家族の扶養に入っていることも多いでしょう。その場合、年収が130万円以上になると扶養から外れてしまい、自分で社会保険料を支払う義務が発生します。これがいわゆる「130万円の壁」というものです。

扶養から外れると、勤務先の社会保険か国民健康保険に加入する必要があり、手取り額が減ってしまう可能性があります。家族の社会保険の扶養内で働きたい場合は、勤務日数や勤務時間数に注意が必要です。

パート・アルバイトでも有給はとれるの?

有給休暇とは、給与を満額取得できる休暇制度です。一定期間勤続した人に与えられ、パートやアルバイトでも、要件を満たせば有給を取得することが可能です。

有給を取得するふたつの要件

有給を取得するためには、ふたつの要件があります。ひとつは、入社日から6カ月以上継続勤務すること。6カ月未満の場合は付与されません。もうひとつは、全労働日(シフト制の場合は、決められたシフト)の8割以上出勤していることです

両方の要件を満たしていることで、有給取得の権利が得られます。

週の所定労働日数が4日以下(年間216日以下)、かつ週の所定労働時間が30時間未満のパートタイム労働者の場合、週所定労働日数や年間所定労働日数、継続勤務年数によって付与される日数が異なるため、次項で確認しましょう。

有給休暇を取るのに必要な年間労働日数は?

有給休暇取得に必要な年間労働日数・週所定労働日数とあわせて、付与される有給休暇の日数を、次表で紹介します。

単位:日

引用元
厚生労働省:年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています

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パート・アルバイトで働くメリットと注意点とは?

ここからは、パート・アルバイトで働くメリットと注意点について紹介します。

パート・アルバイトで働くメリット

パート・アルバイトで働くメリットは、ライフスタイルに合わせて働けることと、正社員よりも採用されやすいことの2つです。

ライフスタイルに合わせた働き方ができる

ライフスタイルに合わせて、ある程度なら働く時間を自由に決められるというメリットがあります。

子育て中や介護中など家庭の事情があっても、空いた時間や決まった曜日にだけ働けるので、家庭と仕事とのバランスを大切にしたい人にはおすすめの働き方です。

比較的採用されやすい|働くハードルが低め

求人募集数が多く、一般的には採用条件が正社員に比べて優しめであるため、採用されやすい傾向にあることもメリットです。

また、未経験者でも応募可能な求人も数多くあります。これまでと違った仕事がしたいという人でもチャレンジしやすいでしょう。

正社員に比べると、パートやアルバイトが負うべき責任が軽い傾向にあるため、総合して働くこと自体のハードルが低めであるといえます。ブランクがある人でも復帰を目指しやすいでしょう。

パート・アルバイトで働く注意点

前述のようなメリットがある一方、収入や雇用における注意点もあります。パートやアルバイトとして働くうえで誰にでもおこりえるため、事前におさえておきましょう。

収入が安定しない可能性がある

正社員との違いでもありますが、パートやアルバイトは月給制ではなく、時給制です。働いた時間分だけの収入しか得られないため、収入が安定しない可能性があります。

出勤の予定だった日に休んだり、思うようにシフトに入れなかったりすると、それだけ収入が減ってしまうため注意が必要です。さらに、事故や病気などでシフトに入れなくなった場合は、収入が途絶えてしまうというリスクもあります。

長期雇用されないパターンもある

正社員と違い、長期雇用が約束されているわけではありません。正社員の場合、基本的に雇用契約において期限がありませんが、パートやアルバイトは、勤務先の状況によって短期で終わってしまうこともあります。

厚生労働省の調べによると、パートを雇っている企業のおよそ5割は雇用期限を設けているようです。つまり、満期を迎えると契約がそのまま終了してしまう可能性も考えられます。

引用元
厚生労働省:令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査の概況

パートとアルバイトには違いなし! 自分に合った職場を見つけよう

パートとアルバイトに法律上の違いはありません。ライフスタイルに合わせて働けることや、採用ハードルが低いといったメリットがあります。

社会保険に関しては、2024年10月以降から加入義務対象となる範囲が拡大されるため、扶養内で働きたい場合は従業員数や勤務時間数に注意が必要です。

待遇などは勤務先によって違うことに加え、雇用契約期間がある場合もあるため事前に確認し、自分に合った職場を見つけてくださいね。

引用元
厚生労働省:パートタイム労働者とは
厚生労働省 社会保険拡大特設サイト:パート・アルバイトのみなさま
厚生労働省:人を雇う時のルール 社会保険
厚生労働省:年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています
厚生労働省:令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査の概況

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