来店のきっかけづくりはインパクトのあるイメージを与えること。親しみやすさのアピールにも繋がった【ネイリスト arichanさん】#2
パティシエ、エステを経てネイリストに転身し、すぐに大阪で「nail&beautysalon Ari33(ネイルアンドビューティーサロンアリ)」を開業させたarichanさん。2022年11月より地元の兵庫県神戸市内に拠点を移し、そのユニークな人柄とクオリティの高いデザイン力で注目を集め始めています。
前編では、パティシエからネイリストとしてサロンを開業するまでの独自のルート、サロンコンセプトについて伺いました。後編では、ほぼ未経験の状態でネイリストの道へ進んだarichanさんが集客するために取り組んだことにフォーカス。サロンのコンセプト、独自のSNS活用方法、今後の目標などをお聞きします。
お話を伺ったのは…
ネイリスト arichanさん
製菓学校を卒業し、東京の菓子店に就職するも1年で退職。美容の知識を広める活動を始め、自宅にてエステサロンを開業後、引っ越しを機に休止。その後、ネイルに興味を持ち、道具と環境が整ってすぐに大阪の自宅にてサロンを開業。約1年後に地元・兵庫県に移り、改めてプライベートサロン「nail&beautysalon Ari33」をオープン。現在は地元で注目を集めるネイルサロンとして活躍中。
友人感覚で遊びに来れるようなサロンを目指したい
――サロンのコンセプトをお聞かせください。
プライベートで遊びに来たくなるサロン。「今からちょっと寄ってもいい?」みたいな気軽さで遊びに来てもらえる場所で在りたい、そんな気持ちを込めています。
――ネイルデザインは独学とは思えないクオリティの高さだと感じました。どんなデザインを得意としていますか?
私のサロンでは一切パーツを使用しておらず、代わりにニュアンスネイルをウリにしています。系統で言うと、ピンクでキラキラな可愛い系よりもシックな色合いで洗練された大人っぽさを演出させるようなデザイン。さらに、手先の器用さを活かしたアートを爪に描くのも得意です。
基本的にネイルデザインはおまかせいただいたり、お客様からお持ち込みいただいたデザインをもとに施術しているのですが、ありがたいことにその再現性には定評をいただくほど。手持ちの色の組み合わせを駆使してご希望に沿うネイルに仕上げられるようにしています。
――現在は大阪から離れ、地元の神戸市で再オープンしたと伺いましたが、経緯をお聞かせください。
親の体の調子が良くないと言われて帰省した際に、地元に帰ってくるのもありだなと思ったんです。
「直感行動派」なので、思い立ってすぐに不動産屋にネイルサロンができる物件を探してもらったら、自分の家を決める前にサロンに最適な物件を見つけて(笑)。その場で契約し、すぐに引っ越してきて地元でネイルサロンを開くことになりました。
――地元のネイルサロンでは需要は高かったのですか?
神戸市内にネイルサロンは結構あったので、ある程度需要があることは分かっていました。ただ、神戸市で一番栄えているのは今のサロンがある垂水区ではなく、中央区の三ノ宮なんです。
――それでも垂水区にした理由は?
垂水区に住んでいる人たちは地元が大好き。私自身も垂水区で生まれ育ったので、区内にいる人たちの生活リズムを知っていました。さらに垂水区はベッドタウンなので、地元に住む人たちが仕事帰りや家事の合間に来ていただけそうと思ったんです。
集客は見つけてもらうことが最重要。インパクトのある印象を残すためにしたことは…?
――地元に戻ってからの集客方法をお聞かせください。
ネイリストとしてスタートした頃からtiktokとInstagramを活用していましたが、集客ツールとして本格的に使用し始めたのは地元に帰ってきてから。
tiktokは集客よりも同業者との交流の場として、ライブ配信をするなどして活用。Instagramはデザインの投稿を中心に集客メインのツールとして使い始めました。
――SNSを活用する際に工夫しているところは?
SNSには同業者がたくさんいて、その大勢の中から見つけてもらわないと意味がない。まずはお客様に見つけてもらえることを意識して、顔に「インパクトのあるメイク」を施して目に留まるようなアイコンにして、覚えてもらえるようにしました。
――かなりインパクトがありますね!実際のお客様の反応は…?
やはり写真を見た時点で興味を持って、ご来店いただく方が多いですね。
私の中のネイリストのイメージは、集客サイトやSNSで顔出ししていない人が多い印象。サイトの写真だけで判断してご来店いただくお客様からしたら、「どんな人なのか」が少しでも分かると親しみやすくなるんじゃないかと思ったんです。
――では、投稿する際に意識したところは?反響が多かった投稿の特徴を教えてください。
大阪から地元の神戸市内に戻り、サロン内装のビフォー・アフターを撮影した動画をtiktokとInstagramで投稿したところ、バズりました。
一個の投稿がバズるとそのあとも大体バズるように。そのうち何がバズるのか、だんだんコツが掴めるようになりましたね。
――コツ、どんなものなのでしょう?
自分が知りたいと思うような情報を投稿してみたらバズっていったんです。内装もそのひとつ。自分が気になっている・知りたいと思っている情報は、私以外にもその情報を必要としている人が一定層いることに気づきました。
気づいてからは施術の様子や1日のルーティーン、商材の収納の仕方とかデザインとか接客以外の配置や導線をメインにすることを意識して投稿しています。
活動区域は地元に留まらず全国各地へ!
――今後の展望をお聞かせください。
Instagramについては手がかかる投稿ほど、バズる傾向があります。まだ手付かずの動画もあり、今後はそうした動画をコンスタントに投稿したいです。
サロンとしては、先の予約が埋まり続けるくらいの人気のネイルサロンにしていきたいです。地元に限らず、全国から呼ばれて出張もしますよというイメージ。今も知人・友人に限って実際に出張しています。一般のお客様にも導入するには今のうちから基盤作りが必要。地元のお客様の層に寄り添って、期待以上の施術ができるように精進していきます。
経験がゼロでもネイルサロンを開業できた3つのポイント
1.目移りせず、目標にする人を一人にしぼって技術を盗む
2.ネイルチップではなく、実際の人の爪で練習する
3.自身のキャラ作りを始め、インパクトのある打ち出し方を実行
取材・文/東 菜々(レ・キャトル)