エステサロンの保険とは|種類や選び方のコツなどを紹介
エステサロンを経営するなら、保険に入っておくと安心です。何らかのトラブルが起きたときに、補償してもらえます。そこで、エステサロンに向いている保険の種類や、補償してもらえるトラブルの例、保険選びのコツも押さえましょう。
エステサロンの保険って?概要や種類を紹介
エステサロンの保険とは、万が一エステサロンで何らかのトラブルが発生した際に補償してもらえる保険のこと。どれだけ気をつけていてもトラブルが起きることはあるので、保険に加入しておくと安心です。
そこで、エステサロンの保険の種類を下記で紹介しましょう。(詳しいトラブルの内容については後述します)
施設賠償責任保険
施設賠償責任保険は、エステサロンの建物や設備が原因で発生したトラブルに対する保険。設備不良や建物の部分的な損壊などによって、お客様にケガをさせてしまった場合が該当します。
また、施術によって万が一お客様に被害を与えてしまった場合にも、適切な補償を受けられるので安心です。ぜひ加入しておきましょう。
生産物賠償責任保険(PL補償)
生産物賠償責任保険(PL補償)は、エステサロンで販売している商品が原因でトラブルが発生した場合に適用されます。消費者はPL法という法律によって保護されているので、店販をしているサロンは入っておくとよいのではないでしょうか。
引用元
製造物責任(PL)法に基づく訴訟情報の収集|消費者庁
受託者賠償責任保険
受託者賠償責任保険は、エステサロンに来店したお客様から預かった手荷物に関するトラブルへの補償です。服やバッグなどのお預かりをしているサロンは、もしものときに備えて入っておいたほうがよいでしょう。
火災保険
火災保険は火災のほか、落雷や水害などの自然災害による被害も補償してもらえる保険です。住宅用の保険では補償範囲が限られるので、必ず店舗用の保険に加入しましょう。
また、火災保険とあわせて入れる地震被害に対する保険、「地震危険補償特約」もおすすめです。
事業活動総合保険
事業活動総合保険は、火災や水漏れなどの事故が起きてサロンを休業せざるを得ない事態が起きた場合などに、損失を補償してもらえる保険。
もしも想定外の出来事で営業ができなくなったら、突然収入が断たれて非常に困ります。補償があれば安心ですし、営業再開に必要な費用などもまかなわれるので助かるでしょう。
借家人賠償責任保険
借家人賠償責任保険では、サロンとして借りている建物が火事や窃盗などで被害を受けた際の補償を受けられます。借主側には施設のオーナーに対して原状回復の義務があるので、何かあった際には賠償しなければなりません。
火災保険のオプションとしてつけられることも多い保険です。賃貸物件でエステサロンを経営している場合は、入っておいたほうがよいでしょう。
エステサロンで起きる可能性があるトラブルの例
上記のような保険の補償の対象になりえる、エステサロンでのトラブルにはどんなものがあるのでしょうか。例を挙げるので確認してみてください。
施術が原因で起きるトラブル
まず、エステサロンでの施術によって起きる可能性があるトラブルです。
・脱毛機の熱などによるやけど・炎症
・施術時に使用した化粧品やトリートメントオイルなどによる肌トラブル
・リフレクソロジーなどの手技による痛み・ねんざ など
エステでは、どんなに注意を払って対応していても、施術によるトラブルはつきもの。保険で補償してもらえれば安心でしょう。
サロンの設備トラブル
次に、サロンの設備が原因で起きることのあるトラブルです。
・サロン内に設置していた機器や家具などが倒れてお客様の体に傷を与えた
・床ですべる・配線や段差につまづくなどしてお客様が転倒しケガを負った
・排水管が詰まって水漏れが起きた
・電気系統の不具合で電気が使えない など
エステサロンの営業において、設備トラブルも十分起こる可能性があり、影響や被害を考えると無視できません。関連する保険に入っておいたほうが心配が減ります。
サロンの建物トラブル
サロンの建物自体に問題が発生する場合もあります。
・サロンで火災が発生して建物が損壊
・建物の外壁の一部が崩れてお客様の車が破損した
・風水害などの自然災害により建物の一部が損傷
・サロンの窓ガラスが破壊されて売上が盗難にあった など
サロンの建物も、災害などの影響で被害をこうむる可能性があるものです。起きるとは限らないトラブルですが、備えがあると安心できます。
販売商品(化粧品や機器など)でのトラブル
サロンの店頭で販売した商品によるトラブルも起こりえます。
・化粧品が合わなかったことによる肌荒れ・かぶれ
・美容機器の自宅での使用による炎症・ケガ
・サプリメントの摂取によるアレルギー・体調不良 など
店販商品は売上を増やす大事な要素のひとつですが、このようなトラブルの可能性も頭に入れておきましょう。なお、自社の製品ではない場合、適切な保険に加入していれば、製造元に対してお客様への補償額の請求も可能です。
店内でのトラブル
エステサロンの店内でトラブルが起きることもあるため、注意が必要です。
・お客様から預かった荷物や衣類を紛失・汚損
・ロッカーの鍵をかけていないなどの理由で店内で盗難が発生
・サロンに設置してあるものを黙って持ち帰られてしまう など
お客様の私物やサロンの備品などへの被害の恐れがあります。加入している保険によっては、新しい品物の購入や汚損の修理などにかかる費用を賠償してもらえるでしょう。
エステサロンの保険選びのチェックポイント
ここまで見てきたように、エステサロンではいろいろな場面でトラブルが起きる可能性があり、加入しておきたい保険にもさまざまな種類があります。では、保険に入る前にどんなところを確認すればいいのか、エステにおける保険の選び方の基準を知りましょう。
1. 対象サービスや施術
まず、補償の対象になる内容をしっかりチェックすることが重要です。補償してほしい内容が対象外だったり、自店に必要な補償がなかったりしては、加入する意味がありません。
たとえば、機械を扱う場合は機械に関する補償が手厚いものを選ぶ、脱毛を行うサロンなら脱毛が対象になる保険にするなどです。また、持っている資格によって補償内容が左右される場合もあります。自店に適した保険選びを心がけましょう。
2. 自店の規模
自店の規模も考えて選ばなければなりません。いくら補償内容がよい保険でも、小規模サロンには適さない手厚さである場合もあります。そのため、自店の規模に見合う保険を選ぶことは大切です。
反対に、大人数のスタッフを抱えるサロンなら、それなりに補償が充実したものを選んだほうが安心でしょう。
3. 支払う保険料や補償金額
保険料はサロンにとって経費なので、支払う額が大きすぎて経営に負担がかかってしまうのはよくありません。1社の保険に絞らず、複数社で比較したり担当者に念入りに相談したりして、じっくり検討しましょう。
必要な補償内容や金額と、払うべき保険料が見合っているかも考えてください。
トラブルに備えてエステサロンの保険に加入しよう
エステサロンでは、保険の加入は義務ではありません。しかし、サロンの運営では、お客様との間や建物に関してさまざまなトラブルが発生する可能性があります。そのため、もしものことを考えると必須といえるでしょう。
エステサロン向けの保険に入っていない場合は、今回の内容を参考に、ぜひ前向きに検討してみてください。
引用元
製造物責任(PL)法に基づく訴訟情報の収集|消費者庁