エステでハイフ施術をおこなうのは違法なの? 問題になった理由とは?

エステサロンでさまざまな美容サービスを提供するなかで、ハイフをメニューに取り入れたいと考えているサロンもあるかもしれません。しかし、その計画はどうかストップしてください。実は、エステでのハイフ施術は違法である可能性があります。

ハイフの技術はすばらしいものですが、事故のリスクもつきまとう施術です。今回は、安全性の面からエステとハイフの関係について詳しく見ていきましょう。

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エステでハイフ施術をおこなうのは違法なの?


はじめに、エステでハイフをおこなうのは違法なのかということを確認しましょう。

違法とされる根拠とは?

医師法第17条で「医業」について触れられており、ハイフは医師にしかおこなうことのできない「医行為」に該当するとされています。そのため、違法であると考えられますが、現在はまだ法整備を働きかけている状態であり、規制にまでは及んでいません。

引用元

厚生労働省:医師法

消費者庁:−エステサロン等での HIFU(ハイフ)による事故−

消費者庁:消費者安全法第33条の規定に基づく意見

消費者庁:エステサロン等でのHIFU施術にはリスクがあります

美容目的のハイフは承認されていない

前項を踏まえて、厚生労働省から各都道府県などに対して通達が出されました。ハイフ機器は医療機器と考えられるため、エステでの使用はもちろんのこと、美容目的での流通自体をさせないよう注意喚起がおこなわれています。

引用元
厚生労働省:HIFU に関する監視指導の徹底について

ハイフ施術が問題となった理由とは?


ここからは改めてハイフとは何かという概要を説明し、ハイフ施術が問題視されるようになった理由を見ていきましょう。

ハイフ(HIFU)とは?

ハイフとは、皮膚の表面より少し深い場所に超音波を集中して当て、加熱する施術です。熱によって壊された組織が、再生する過程でコラーゲンやエラスチンが生成されるため、リフトアップなどに効果があるとして、近年注目を集めている施術。

もとはがんなどの治療に使われていた技術を美容に転用し、施術をおこなうサロンが出てきました。

引用元
消費者庁:エステサロン等でのHIFU施術にはリスクがあります

ハイフのリスクとは?

ハイフ施術におけるリスクは、照射する超音波の出力の高さなどが原因で、皮膚の下にある神経や血管などに損傷が起きる可能性があることです。

解剖学などの知識を持っている医師であれば、比較的安全におこなうことができる施術ですが、エステティシャンの場合は知識不足ということも。エステの主要団体では自主規制によりハイフ施術を禁じていますが、非加盟のサロンではおこなわれているケースがあるようです。

引用元
消費者庁:エステサロン等でのHIFU施術にはリスクがあります

どんな事故が起きているの?

では、実際のエステでのハイフ施術によって、どんな事故や問題が起きているのでしょうか。例を挙げます。

口周りの麻痺
顔面の熱傷による水膨れ・色素沈着
目のかすみ・ぼやけ
皮膚のシワ・たるみ

引用元
消費者庁:−エステサロン等での HIFU(ハイフ)による事故−

事故件数は増加傾向に

ハイフに関する事故件数は下記の表のように推移しており、増加傾向です。

エステサロン セルフエステ 美容クリニック
2015年 1 0 0
2016年 3 0 1
2017年 11 0 4
2018年 7 0 1
2019年 10 6 2
2020年 10 1 4
2021年 25 1 12
2022年 29 0 7

引用元
消費者庁:−エステサロン等での HIFU(ハイフ)による事故−

事故の原因とは?

ここからは、上記のような事故が起きた原因について解説します。

1. ハイフ施術及び機器に関する法規制が不十分

ハイフ施術及び機器に関しては、医療行為として禁じるよう求める声があがっているものの、実際の法規制にまでは及んでいません。そのため、医療機器ではないと自己判断し、国内では機器が出回っていないため、個人輸入して利用するサロンが存在しているようです。

引用元
消費者庁:−エステサロン等での HIFU(ハイフ)による事故−
消費者庁:消費者安全法第33条の規定に基づく意見

2. 施術の難しさを施術者・利用者が理解していない

加熱による体への影響を極力抑えてハイフをおこなうには、高い技術が必要です。しかし、施術の技術的な難しさを施術者本人がきちんと理解していなかったり、利用者がリスクをわかっていなかったりする風潮が見受けられます。

セルフエステなどでは特に問題だと考えられる部分です。

引用元
消費者庁:−エステサロン等での HIFU(ハイフ)による事故−

3. 照射出⼒の⾼い機器が使⽤されている

エステサロンで使われているハイフ機器の照射実験をおこなった結果、美容クリニックと同程度の、出⼒の⾼い機器が使⽤されていることが明らかになりました。推定される熱投与量(サーマルドース)の面からも、熱による人体への影響が危惧されています。

引用元

消費者庁:−エステサロン等での HIFU(ハイフ)による事故−

消費者庁:消費者安全法第33条の規定に基づく意見

4. 機器のトラブルに気づかないまま使われている

施術者が超音波の照射状況や故障などのトラブルに気づいていない、信用性の低い機器を使用しているという面も。その結果、本来推奨されている出力よりも高い状態で施術がおこなわれるケースがあると見られています。

引用元
消費者庁:−エステサロン等での HIFU(ハイフ)による事故−

5. 施術者が施術に関して充分に理解していない

美容クリニックでは、解剖学などの人体知識を有する医師がハイフ施術をおこなっているため、比較的安全性が高いです。

それに対して、エステサロンで働くスタッフには資格の定めがありません。そのため、ハイフの機器や施術に関する教育が行き届いておらず、知識が⽋如していると考えられます。

引用元
消費者庁:−エステサロン等での HIFU(ハイフ)による事故−

業界団体では施術禁止になっている

日本エステティック機構や日本エステティック協会など、名だたるエステ関連団体では、ハイフの施術を禁止するプレスリリースを出しています。経済産業省でも、エステ団体と協力しながら注意喚起をおこなっていく方針です。

引用元
経済産業省:HIFU(高密度焦点式超音波)施術による健康被害にご注意ください

まだ施術されているのはなぜ?

ここまで見てきたようなリスクや事故があるにもかかわらず、未だにエステでハイフがおこなわれているのはなぜなのでしょうか。

実は、業界団体に加盟しているサロンより加盟していないサロンのほうが多いためです。団体への加盟店は1割以下といわれ、注意喚起が行き渡っていないのも事故の原因につながっています。

再発防止に向けて現在の取り組みは?

前述の通り、現在はまだエステにおけるハイフの明確な法規制はない状態です。しかし、関係省庁の働きかけにより、

1.医⾏為としての施術者の限定
1.輸⼊機器流通の監視強化
3.施術者への情報共有
4.ハイフ施術のリスクに関する注意喚起
5.利⽤者への注意喚起

といったように、事故の再発防止策に取り組まれています。

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ハイフ施術はメニューに取り入れないよう注意しよう!


美容目的でおこなわれるハイフ施術では数々の事故が報告されており、リスクが高く、医療行為として法規制をおこなおうという機運が高まっています。

施術者自身がリスクについて理解できておらず、知識も未熟な状態で施術しているケースも多いと考えられていますが、何かあってからでは遅いです。

お客様の安全だけでなく、自分たちのサロンを守るために、エステサロンではハイフ施術をメニューに取り入れないように注意しましょう。

引用元

大分県:エステサロン等でのHIFU(ハイフ)による事故について(注意喚起)
厚生労働省:「医行為」について
特許庁:医療関連行為発明の特許法における取扱いの在り方
消費者庁:−エステサロン等での HIFU(ハイフ)による事故−
消費者庁:消費者安全法第33条の規定に基づく意見
消費者庁:エステサロン等でのHIFU施術にはリスクがあります
厚生労働省:HIFU に関する監視指導の徹底について
消費者庁:−エステサロン等での HIFU(ハイフ)による事故
消費者庁:消費者安全法第33条の規定に基づく意見
消費者庁:消費者安全法第23条第1項の規定に基づく事故等原因調査報告書
経済産業省:HIFU(高密度焦点式超音波)施術による健康被害にご注意ください

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