失敗談の共有と「愛される絡み方」の実践でファン化を促進 Chikotoさん

兵庫県尼崎市にて開業17年のプライベートエステサロン「prism」を営むChikotoさん。長年愛されるサロンを経営しながら、140人が在籍するオンラインサロン「インスタ道場」を運営しています。オンラインサロンでは、Instagramを中心としたSNSの発信方法を伝え、多くのメンバーのビジネス拡大に寄与しています。
前編では、Chikotoさんが培ってきたInstagramの活用方法や、オンラインサロンで伝えている「愛されるSNSでの絡み方」などについて教えていただきました。

今回、お話を伺ったのは…

Chikotoさん

歴22年の現役エステティシャン。自宅で営むサロン「prism」は開業17年目。また、セラピストのためのオンラインサロン「インスタ道場」を運営し、140名が在籍中。ビジネスや集客が苦手なセラピストに向けて、情報発信にかんするコンサルタントを行う。

インスタグラム:@chikoto.love

オンラインサロン「インスタ道場」

集客目的の投稿は、基本情報をマストで抑えるべし!

サロン運営者がSNS活用を考える際には、「目的」をしっかりと考えることが重要だそう

――Chikotoさんは、セラピストさんに向けて、Instagram運用について伝えるオンラインサロン「インスタ道場」を運営されていらっしゃいます。SNS運用を極めることは、セラピストさんにとってどんなメリットがあるのでしょうか。

ひとことに「SNS運用」と言っても、2つの目的があると考えます。ひとつは自分のサービスや商品を知ってもらうための「集客」、もうひとつは自分自身の「ファンづくり」です。2つの目的は混合せずに考える必要があると思います。

「集客」という観点で発信を行いたいのであれば、営業時間・価格帯・住所、そして「どんなサービスや商品で顧客を満足させるか」という情報をもれなく抑えて投稿しましょう。もし余力があれば、Before・Afterの写真やお客さまの声を掲載することで説得力を増すのも効果的です。
このあたりの情報は、Instagramの固定投稿やハイライトで、いつでもすぐに確認できるようにしておくことをおすすめします。「Instagramを運用しても集客に繋がらない」という方の投稿を確認すると、お客さまにとって必要な情報を漏れなく伝えきれていない人も多くいるんですよ。「記載があるのは当たり前!」と思うような部分も、抜けや漏れがないかしっかり確認してみましょう。

――どんなに高度な技術を持ったセラピストさんでも、場所や価格などマストで抑えておくべき情報を伝えられなくては集客には繋がらないんですね。

集客のためには、「自分のサービスを届けたい人は誰なのか」というターゲット層を考え直すことも必要です。

例えば「いつもがんばりすぎてしまう、お疲れの30代女性」というふわっとした人よりも、「激務で、毎日夜遅くまで働いている友達のAちゃん」というように、身近にいる人を想像してみましょう。私の運営するオンラインサロンには「何を投稿したらいいのかわからない」という方がいらっしゃるのですが、「Aちゃん」に向けて投稿しようとすれば、自ずと投稿すべき内容の軸は定まってくるはず。そして、気持ちを入れて発信できるようになると思うんですよね。

失敗談も積極的に発信し、ファンづくりを促進

オンラインサロンを運営するChikotoさん自身にも多くのファンがいる

――「ファンづくり」をがんばることは、どんなメリットにつながるのでしょうか。

ファンからは「好き」というフィルターを通して自分を見てもらえるようになるので、何をしても喜んでもらえるようになります(笑)
例えば、推しのアーティストがステージ上でつまずいたとしても、「かわいい!」と思いますよね。それと同じように、好きな人のことは、「完璧じゃない状態も見たい」と思うものなんです。

好きになってもらえれば、「完璧ではない自分」というありのままの姿での発信ができるようになりますよね。しかも、ちょっとしたおっちょこちょいや失敗があったとしても、クレームが生まれにくくなるメリットも得られます。
取り繕わない「ありのままの姿」でいることができれば自分も生きやすくなりますし、その姿を顧客の方に喜んでもらえるのでいいことづくめだと思うんです

ファン化が進んで強固な関係を築けば、何か困ったときも一番に駆けつけてくれる存在が得られますしね。もし今後、コロナの流行のような不測の事態があった際にも、きっとファンの方たちが助けてくれるという安心感を得ることもできます。

――「ファンづくり」のためには、具体的にどんなアクションをするのですか?

ありのままの自分をさらけ出して、好きなことや嫌いなこと、今後の野望、考え方や人となりを知ってもらい、SNSを見ている人の共感や好感を呼ぶことが最初のステップになります。

意識的に「自己開示」することが重要で、過去の失敗談やおっちょこちょいな部分を見てもらうことで、親しみを感じてもらうのも効果的です。「カッコつけてるけど、本当はこんなミスをしたこともあって…」とか、「実はあのとき、どん底の生活をしていたのよ」というように自分の意外な過去を語るような内容が適していると思います。

そういった自己開示系の投稿のときは、Instagramでいうところの「通常投稿」を利用するのが向いています。そこで好感や興味を持ってもらえると、ストーリーズを見てもらえるようになります。ストーリーズでは、日常で起きた、よりパーソナルな話題などを投稿するのがおすすめです。日常会話の延長に近い内容を投稿してみましょう。
さらにファン化が進めば、ライブ配信なども見に来てくださるようになり、より自分の意志を伝えることができるようになります。そこまで来たら、自分の価値観に賛同してくれる立派なファンを獲得したと言ってよいのではないでしょうか。

好きな人のストーリーズやライブ配信には、積極的にリアクションをとろう!

サロン内では「愛される絡み方」という気になる講座も開催されている

――Chikotoさんのサロンでは「SNSの愛される絡み方」という講座があると伺いました。どんなことを伝えていらっしゃるのですか?

SNSの活用では、発信だけではなく関係性づくりも大切です。その一環として、SNS上でどのように人とコミュニケーションを取ればよいかということの一部を「SNSの愛される絡み方」としてお伝えしています

SNSの使い方に慣れていない人やシャイな人は、気になる人のストーリーズにリアクションをしてみたり、インスタライブを見に行ったときに「こんばんは、Chikotoです!今日も見に来ました!」というように名乗ってコメントをしてみたり、という方法から試してみるのがおすすめです。

よりアクションができそうであれば、コミュニティのなかで小さなzoom会を開き、SNSに不慣れな人を誘ってみましょう。上級の方は、自分のコミュニティを飛び出して、他の気になる方に自分のコミュニティの人を紹介して、輪を広げていくということをしてみるのもいいと思います。

――段階を踏んでコミュニケーションの輪を広げていくんですね!

自分のお客さまや仲良くなりたい同業の人に対してだけではなく、自分のサロンがある「地域の素敵なお店」に同様のリアクションをするのもおすすめです。自分が、素敵だな、いいなと思うお店を見つけたら、ストーリーズや通常投稿にそのお店のメンションをつけてみましょう。

するとそのお店に興味がある人が、自分のページを見に来てくれます。同じひとつのお店を素敵だと思うということは、自分と価値観や嗜好が近い人ということ。自分と似た価値観の人が、自店に興味を持ってくれるということも起こりやすくなります。

営業活動だと思われてしまうかも…と気が引ける人もいるようですが、誰でも自分の投稿に反応があればうれしいもの。自分や自分のお店・サービスを知ってもらうためのSNSですので、過度に気にしすぎずうまく活用していきたいですね


ChikotoさんのSNS活用の3つの秘訣

1.ターゲット層を想定するときは、実在する人物くらいの粒度で想像をする

2. 意識的に「自己開示」し、過去の失敗談もありのままさらけ出す

3. 気になる人やサービス・お店のSNSには積極的にリアクションする

後編では、Chikotoさんがなぜオンラインサロン運営を開始するに至ったのか、またどのようなことを大事にして運営を行っているのかお聞きしました。140名という人数を有する人気オンラインサロンの運営の秘訣がうかがえる後編もお楽しみに!

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