たった15分のメイク時間でも「できない」と言わない!ハリウッドスターを手掛けるヘアメイクアーティスト・清水玲歌さん

誰もが知る有名ハリウッドスターを手掛けるなど、ヘアメイクアーティストとして活躍中の清水玲歌さん。前編では、スターにヘアメイクをした際の裏話や、どのようにお仕事を獲得してきたかを伺います。どんな要求があっても極力「できない」と言わず、できることを伝えたことが信頼感につながり、お仕事を得てきたそうです。

今回、お話を伺ったのは…

清水玲歌さん

ハリウッドスターなど数々の著名人も担当するヘアメイクアーティスト。六本木、銀座のセットサロンやブライダルサロンでの経験も。メディアへの出演も多数。立川でヘアメイクサロン「Hair set&Spa Roquat Salon」と「Dot studio」を経営中。

インスタグラム:@roquatsalon

Hair set&Spa Roquat Salon HP

分刻みのスケジュールに緊張!ハリウッドスターのヘアメイク

著名人へのヘアメイクの体験を伝える講演なども行う

――清水さんは、ヒュー・ジャックマンさんをはじめとした、名だたるハリウッドスターへのヘアメイクを手掛けた経験があると伺いました。どのような経緯でお仕事の依頼があったのですか?

「英語が話せるヘアメイクを探している」ということで、映画会社の方からオファーをいただいてヘアメイクをさせていただきました。ほかにもアーノルド・シュワルツェネッガーさん、映画『ボヘミアン・ラプソディ』の出演者のみなさんが来日した際のヘアメイクも担当させていただいたことがあります。
日本の美容専門学校を卒業後、ニューヨークに留学していた経験があり、日常会話程度の英語を習得していたことがお仕事につながりました。

――実際にハリウッドスターの方々のヘアメイクをしてみていかがでしたか?

スターのスケジュールって、本当に分刻みなんです!ある方のヘアメイクに与えられた時間はわずか15分。1分でも遅れることが許されない緊張感から、当日は思わず心臓がバクバクして、手が震えました(笑)。前日までに「アイロンは事前に温めておいて、次にこの道具を出して、タオルはそこに置いて…」と何度も入念に手順をイメージトレーニングして望みました
メディアの現場は、自分の度胸試しのような場面になることも多々あります。その分、「時間内に最高のクオリティのものを完成させられるかどうか」というプレッシャーに打ち勝てたときの喜びは大きいですね。

「できない」と言わないことでチャンスを掴む!

こうした作品をまとめたブックを作成することも仕事獲得のカギになるそう

――仕事のチャンスを掴むために、意識していることはありますか。

意識的に「できない」と言わないようにしています。必ず自分ができることを探し出して、それを言葉にして伝えるようにしています。たとえば、ハリウッドスターのヘアメイクのお仕事の打診時に「英語は話せますか?」と聞かれた際にも、すごく自信があるわけではないけれど「日常会話ならできます」と返答したことで、チャンスを掴みました。

サロンの採用面接などでも同じことが起きると思います。採用試験官に「何ができますか?」と聞かれたときにも、「初心者なのでまだ何もできません」と答えてしまうと、本当に何もできない人になってしまう。「初心者ですが、ブローはできます」と答えたほうが、「じゃあ、ブローを任せてみようかな」と思ってもらえると思うんですよね

――なるほど!自分ができることを相手に発信することが大切なんですね。

もし、活躍の場を広げたいという意識があるのであれば、自分の作品を集めたブックを作っておいて持ち歩いておくのもおすすめです。「どんなものを作っているの?」と聞かれたときに、すぐ自分の技術を提示できることがチャンスを掴むカギだと思います。私も実際、あるアーティストさんの現場で急に「ブックを見せてください」と言われて、提示したことがありましたよ!

演者さんの気持ちを盛り上げることも仕事のひとつ

作品をSNSなどで発信することも重要

――最近では、美容トレンドを発表する展示会や講演会などに出演されていますが、活躍の幅を広げるためになにか意識していることはありますか。

最近あった展示会のお仕事などは、SNSの発信を通じてオファーをいただきました。SNSの投稿は模索中ではありますが、作品などを載せて技術力が伝わるようにするのはもちろん、自分のキャラクターがわかるような投稿をすることでブランディングを意識しています。プライベートのヘアメイクのアイテムを載せてみたりするのも有効だと思っています。ヘアスタイルはマネができますが、自分のキャラクターは唯一無二。そういった面をSNSで出していくことで「この人に施術してもらいたい」「この人にお仕事を任せてみたい」と思ってもらうチャンスが広がるのでは、と考えています。

――メディアのお仕事でもリピーターさんがいらっしゃると思うのですが、ヘアメイクの施術時に心がけていることはありますか?

メディアなどのお仕事の場合は、演者さんの気持ちを盛り上げることを意識しています。ヘアメイクは基本的にお仕事の直前にするものなので、演者さんと会話をすることで、緊張を解してリラックスしてもらったり、逆に気合を入れてもらうためのスイッチの役割も果たしたいと思っています。
演者さんは、戦友です。一緒にカメラの前には立つことはできませんが、「私のヘアメイクがついていますよ!自信を持って楽しんで!」と背中を押せるヘアメイクができればいいなと思っています。


清水玲歌さんがヘアメイクアーティストとして活躍する3つの秘訣

1. 自分ができることを意識的に発信し、どんな現場でも「できない」と言わない

2. 自分の作品を掲載したブックを用意し、チャンスに備えている

3.SNSには自分のキャラクターがわかる投稿を追加し、自身のブランディングを行う

後編では、ヘアメイクサロン「Hair set&Spa Roquat Salon」の経営について伺いました。現在お子さんを育てながら、経営者としてもご活躍の清水さん。出産を機に働き方を見直し、サロン開業に踏み切ったのだそう。オープン前の他店調査を入念に行い、出店地を決めたことも功を奏したそうです。基礎技術にプラスして得意技を得ることで、売上をアップしていけるとのこと。愛されるサロンづくりのコツが詰まった後編もお楽しみに!

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Salon Data

Dot studio
住所:東京都国分寺市戸倉1-2-21カフェCALM敷地内
TEL:080-7028-9617
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