美容は人を笑顔にする。ブライダルエステで美容道をスタート【Joelleエステティシャン橋本さほさん】#1
新たなスタートラインに立つとき、壁にぶつかったとき、なにを考え、どうやって乗り越えたのか、先輩従事者に聞く新企画がスタート。Joelleエステティシャン橋本さほさんは、老舗エステサロンで花嫁へのブライダルエステを担当。結婚・出産を経て、自由が丘のエステサロンJoelleに転職し、それまで経験したことのなかった脱毛メニューを習得しました。
前編では、アシストで入った先輩の動きを目で追いながら、いちばん難しいフェイシャルの技術を身につけ、見事合格したお話を伺いしました。
お話を伺ったのは…
Joelle エステティシャン橋本さほさん
老舗エステサロンのエステティシャンとして、百貨店や外資系ホテルのサロンに配属。ブライダルエステを主に担当。結婚・出産のため退職し、産後、自由が丘のプライベートエステサロンJoelleに勤務。ブラジリアンワックスやSHR光脱毛など脱毛メニューを新たに習得し、現在6年目。
美容は、人を笑顔にする。これだと思ってエステの学校へ
――まずは美容業界を目指した理由を教えてください。
大学卒業後、販売の仕事をしていたのですが、手に職をつけたい。手に職を持っていたら、例えば結婚して海外に住むことになったとしても、どこでも仕事ができるだろうな。そんなことを考えているときに、たまたま顔のコンプレックスをエステで克服したというテレビ番組を観ました。
人を笑顔にさせられるっていいな、と思ってエステの学校に入ることを決意。3ヶ月間、短期集中でエステを学びました。
――最初に就職したのはどんなサロンでしたか?
エステの学校を卒業してすぐに、美容クリニックに就職しました。エステサロンと美容クリニックの施術にどんな違いがあるのかもよく分かっていなかったのですが、美容クリニックでは、機械を使った施術が中心だったんですね。肌悩みのある方にハンドマッサージでダイレクトにお手入れをしたいという思いがあったので、ちょっと方向性が違うなと思い、そこは半年で退社しました。
フェイシャル合格のため、先輩の施術を一瞬も見逃さなかった
――その後、別のサロンに転職したのですか?
はい。学校の紹介で、今度は老舗エステサロンに転職しました。
――老舗エステサロンでは、どんな新人時代を過ごされましたか?
新人時代は、施術の準備や後片付け、掃除や衛生面の管理などの雑用からスタートしました。雑用をこなしながら、わりと人数が多かった同期や先輩をモデルにマッサージの練習を重ね、先輩が花嫁さんのフェイシャルマッサージを行う際に、ハンドやリフレクソロジーに入るようになりました。それと並行して、フェイシャルマッサージの練習もしていました。
――実際にお客様に入ったのは、いつ頃でしたか?
ハンドとリフレクソロジーは1ヶ月くらい経ったときでした。その時点で、ホテルに入っているブライダル部門への配属が決まっていたのですが、フェイシャルがまだ完璧ではなかったので、集中的に練習を重ねてから合格をいただき、ブライダル部門への勤務がスタートしました。
――フェイシャルマッサージのOKが出るまでは大変でしたか?
フェイシャルは行程が長いので、いちばん時間がかかりました。ハンドとリフレクソロジーは無事に合格して、ボディとフェイシャルの合格を目指していたときには、先輩がやるフェイシャルマッサージを一瞬も見逃さないようにして、頭に叩きこむようにしていました。人によって多少やり方が違うのですが、とくにテストでジャッジをする先輩と同じようにできるように、ひとつひとつの動きを目に焼き付けるようにしていましたね。
VIP客の対応で丁寧な話し方や接し方を身に着けられた
――ブライダル部門ならではのご苦労はありましたか?
お客様は、結婚式を迎えられる新婦さんなので、肌荒れや肌が赤くなってしまうようなトラブルは絶対にNGなんです。そこは本当にシビアだったので、とても気を遣いました。結婚式当日も、新郎の支度や新婦の着付けの手伝い、ヘアメイクのヘルプなどもするのですが、最初はどう動いていいのかまったく分からず、エステとはまた違った気苦労がありました。
――では、老舗ブライダルエステで身に着いたことはどんなことですか?
VIPのお客様が多かったので、丁寧な話し方や接し方を身に着けることができたのはよかったと思います。エステティシャンは、技術を提供する仕事ではありますが、接客業でもありますので。
橋本さんは、ブライダル部門で3年、エステサロンで2年、老舗エステサロンにトータル5年間勤めた後、ご結婚。土日休みのご主人に合わせて退職し、4年間OLをした後に出産。1年半後に、自由が丘の個人エステサロンJoelleに再就職しました。後編では、Joelleで脱毛を習得するまでの失敗談やそれをどう乗り越えたのかを伺います。
取材・文/永瀬紀子