自分の夢を叶えられる環境を選び、新人時代を駆け抜けたから今がある「KILLA annex」MIKUさん
東京・明治神宮前に店舗を構える「KILLA annex」。トレンドをつかんだデザインが支持され、モデルやタレントなどからも人気を博しています。同店で活躍中なのが、スタイリストのMIKUさんです。
前編では、MIKUさんが美容師になった理由や、「KILLA annex」への転職の経緯、入社後の様子を伺いました。
後編では、デビュー後にMIKUさんがぶつかった壁とその乗り越え方についてお話しいただきます。デビュー直後、ヘアカラーを担当したお客様に「イメージと違う」という指摘を受けたというMIKUさん。指摘を機に接客やカウンセリングの方法を改め、イメージのすり合わせをしっかりと行うことを意識するようになったそうです。
現在、ハイトーンやボブの施術などで人気を博すMIKUさんですが、得意な施術は先輩スタイリストが見つけてくれたと話します。
今回、お話を伺ったのは…
「KILLA annex」スタイリスト
MIKUさん
美容師歴5年目。中途社員として2020年に「KILLA annex」に入社し、2022年にスタイリストデビュー。ストレートでも可愛いプツッとしたカットラインを施す施術や、ピンクやベージュなどのハイトーンカラーを得意とする。
杓子定規にいかないレイヤーカットは、先輩の力を借りて習得
――スタイリストデビューまでは順調でしたか?
「KILLA」は、デビューまでのカリキュラムがしっかりと組まれていて、次々にクリアすべき課題が与えられます。そのスタイルが私には合っていたので、モチベーションを保ったままデビューまで駆け抜けることができました。
ただカットについては、少し苦戦しました。まっすぐカットすることや、ワンレンボブの施術までは比較的順調に進んだのですが、レイヤーを入れるカットや頭の形に合わせるカットになった段階で、何が正解なのかがわからなくなってしまいました。
――苦戦した理由はどんなところにあったと思いますか?
人によって頭や顔の形が違うので、杓子定規にはいかなかったことが一番の原因かなと思います。髪を切るたびに毎回違う反省が生まれるので、練習を繰り返すことで克服しました。
――カットの壁を乗り越えるためにどんな工夫をしましたか?
スタイリストはみんな丁寧に指導してくれるのですが、教え方のスタイルは人それぞれ異なります。そのため、自分がわかりやすいと思う指導をしてくれる先輩に声を掛けて、積極的に教えてもらうようにしていました。
私は、教科書通りに教えてもらうほうが理解しやすいと感じていたので、そういう説明をしてくださる先輩にいつも相談をしていました。
お客様の指摘を受けて、カウンセリング方法を改善
――デビュー後、印象的だったことを教えてください。
デビューしてからすぐ、ハイトーンカラーを施術したお客様から「思ったよりも色が暗かった」というご指摘をいただいたことが印象に残っています。
大変申し訳なかったのですが、後から思い返すと、私とお客様との間で施術イメージのすり合わせがしっかりとできていなかったことが原因だったと感じています。そのときに初めて、「手元で行う技術に必死で、実務に耐えうる接客やカウンセリングができていなかったのかも」と気づきました。アシスタント時代に、より実務を意識した練習やシミュレーションをしておくべきだったなと反省しましたね。
――お客様の指摘を通じて、カウンセリングの重要性に気づいたのですね。
その経験から、先輩スタイリストの接客をよく観察して、「いいな」と思った接客方法をマネするようになりました。また社外の方を招いて行うカウンセリング講習の内容を取り入れたりして、改善を図りました。
たとえば、お客様のイメージと実際に可能な施術に少し乖離があった場合や、カラーやブリーチ剤の成分を説明する場合の説明方法について、先輩や講習から学んだ要素を取り入れています。
――MIKUさんといえば、ハイトーンの施術がお得意なイメージです。自分の得意な技術はどんな風に見つけましたか?
実は、周りのスタッフから得意なものを見つけてもらったんです。代表やスタイリストから「MIKUはハイトーンが得意だけれど、とくにピンクとかベージュのスタイルが可愛いよね!」「切りっぱなしボブがうまいよね」と言っていただいて、得意な施術を自覚しました。
SNSでボブやハイトーンを紹介するようになってから、SNS経由で私を指名してくださるお客様が増えてきたんです。得意技を見つけて、自信を与えてくださった先輩方には感謝の気持ちでいっぱいです。
新人時代を精一杯過ごせば、楽しいスタイリスト人生がやってくる
――新人時代はMIKUさんにとってどんな経験でしたか?
毎日、朝晩みっちりと営業と練習を行い、体力的・精神的にハードなときもありましたが、新人時代にこういった経験できたことは、今に生きているなと思います。
スピード感を持ってデビューできたのも、カリキュラムがしっかりとしているおかげ。今、スタイリストとして充実した活動ができているのも、新人時代にやるべきことを精一杯頑張ったからだと思っています。
――最後に、これから美容師を志す人にアドバイスをお願いします!
最初は誰にでも大変なタイミングがやってくると思います。つらいときに自分を支えるために、目標や憧れを持つことが大切なのではないでしょうか。下積み時代の貴重な時間を無駄にしないためには、自分が思い描く理想の成長曲線を描ける環境選びも大切だと思います。スタイリストデビューすると、とても楽しい毎日が待っていますよ!
MIKUさんの新人時代が充実した3つのポイント
1. うまくいかないことがあったら原因を探り、真摯に向き合った
2. 自分の理想の成長が叶う環境を選択した
3. 常に成長意欲を持って、業務に取り組んだ
技術を高めて、貪欲に理想を追い求めたMIKUさん。たくさんの顧客の方に支持される秘訣を伺い知ることができた取材でした。これから美容師として活躍を目指す方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。