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長崎にある小さな島の「素敵なオリーブ畑」【日本の美しき“モノ”&“コト” #1】

日本国内のモノづくり、どのくらいご存知ですか? 大量生産に埋もれて、ますます価値のあるものが見失われていくいまこそ、ていねいなモノづくりをしているブランドを知るべき時。日本全国の、さまざまな“モノ”や“コト”をストーリーを交えて、いま一度見直してみたいと思います。きっと生活を豊かなものにしてくれる、モノやコトに出会えるはずです。

島のオリーブ畑
島のオリーブ畑という表示が。自然の豊かさを体感できる場所で伸び伸びとオリーブは育てられている。

島を所有する。そんな夢のようなことは現実にしてあるのです。今回ご紹介する「小さな島のオリーブ畑」というブランドは、個人が所有する島から発信されているブランド。島は、風光明媚な美しさを誇る長崎の大村湾。そこに浮かんでいるのが、今回のブランドの発信地である「竹ノ島」なのです。

竹ノ島

長崎県の大村湾に浮かぶ「竹ノ島」。ホームページでは島の魅力が紹介されていますが、個人所有なので、勝手に上陸することは残念ながらできません。どうしても訪れてみたい人は、問い合わせてみてください。少人数でオリーブの木の管理、製品づくりをしているため、ほとんど可能性は少ないのですが、運がよければ、行くことができるかもしれないとのこと。

島の名前は「竹ノ島」ですが、現在、島に植えられているのは500本のオリーブの木。荒れ果てていたこの島に、2004年、島の新たな持ち主となった男性が、それこそコツコツと時間をかけて、根気よく1本ずつオリーブの木を植えていきました。木を植えるときには「この島を通じて、みんなの心と心がつながりますように」という思いをこめて。

けれどもオリーブの木は、すぐに実をつけたわけではありません。ようやく実をつけるようになったのは4〜5年経ってから。最初の頃は家族や友人で、収穫したオリーブを分かち合っていましたが、そのうち食べきれないほどたわわに実をつけるように。とうとう自家用で消費というわけにもいかなくなり、そこでこのオリーブを使って商品化することを娘たちが思いつきました。

オリーブ収穫
心をこめて植えた木からの収穫も、心をこめて一粒ずつ。オリーブと対話するように。

この島のオリーブの木は、無農薬かつ化学肥料も使わないで育てているため、手入れにはとても手がかかります。ときには、虫に食べられてしまうこともあるのだそうです。けれども、すべて人力で行っているので、手をかけたぶん、愛情もたっぷり注がれて育っています。そして収穫ももちろんすべて手で摘み取って。気が遠くなるような手間をかけて行われているのです。そして、洗浄して選別。収穫後もまだまだたくさんの工程がおこなわれ、ようやく原材料となるオリーブの準備が整います。

オリーブ
すべて手作業で収穫されたオリーブ。
オリーブ
オリーブ
収穫されたオリーブを選別するのも、みんなで力を合わせて。

鮮やかな緑が美しい「小さな島のオリーブ畑」のオリーブ。オリーブにもさまざまな種類と大きさがありますが、こちらのオリーブは、普段私たちが見慣れている、瓶詰めなどの輸入物のオリーブとくらべて、小ぶりの愛らしいサイズが特徴です。国産というだけでも、とても希少なものだといえますが、わずか500本の木から穫れた、と考えるだけでも、ここのオリーブは特別なものといえるのです。さて、そんなオリーブを使っての製品作り。アイディアに満ちた、さまざまな商品が、これまたとても素敵で楽しいものばかり。そちらは後編でたっぷりとご紹介いたします。

公式ホームページ http://www.n-olive.com/n_olive/

構成・文/高橋麻紀子 Edit Text:Makiko Takahashi

長崎にある小さな島の「おいしいオリーブ」【日本の美しき“モノ”&“コト” #2】 >>

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