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長崎にある小さな島の「おいしいオリーブ」【日本の美しき“モノ”&“コト” #2】

日本国内のモノづくり、どのくらいご存知ですか? 大量生産に埋もれて、ますます価値のあるものが見失われていくいまこそ、ていねいなモノづくりをしているブランドを知るべき時。日本全国の、さまざまな“モノ”や“コト”をストーリーを交えて、いま一度見直してみたいと思います。きっと生活を豊かなものにしてくれる、モノやコトに出会えるはずです。

長崎の大村湾に浮かぶ「竹ノ島」。「みんなの心と心がつながりますように」と思いを込めて、こつこつと植えられた500本のオリーブの木。そこから獲れたオリーブを使って生まれたブランドが「小さな島のオリーブ畑」です。前編ではオリーブが作られる背景をご紹介しましたが、こちらの後編では実際の製品についてご紹介します。

オリーブ

その前に、無農薬、無化学肥料で手塩にかけて育てられたオリーブ。収穫もすべて手積みで行われていますが、こちらのブランドでは製品のすべての行程も全部手作業。驚くべきことにオリーブの種をぬくのも一粒ずつです。そしてオリーブそのものだけではなく、製品に添えられるパンフレットを折ったり、製品をパッケージに入れることも。なにもかもすべて。「ひとつひとつ、心をこめて、ていねいに」というこちらのブランドのコンセプトが、この作業行程からも感じてもらえるのではないでしょうか。

手作業の様子
手作業の様子

さて、お待ちかねの製品ラインナップです。まずは、オリーブそのもののフレッシュな味を楽しめるのが「SHIOZUKE オリーブ塩漬け」。家族のお母さんが、自家用で食べていた頃からの定番だとか。選別したオリーブは、すぐに塩漬けにするわけではありません。まずは“渋”を抜き、その後、塩水に漬け込みます。オリーブの生命力を、シンプルに楽しめるこの塩漬けは、そのまま食べても美味しいけれど、じつは炊きたてのごはんにのせて食べても絶品。ほかにもさまざまな料理に応用できる、万能な一品でもあります。

オリーブ塩漬け

可愛らしい貝の形をしているのは「WASANBON 貝づくし」という商品。なんと和菓子へと変身させてしまったというユニークな一品。徳島の上質な和三盆を使って作られたお干菓子は、お酒とも相性が良いのだそう。

そしてもうひとつスイーツが。それが「CHOCOLATE オリーブチョコレート」です。有機・植物性素材で、お茶やお酒にもぴったり。オリーブ、オリーブトリュフ、生姜、柚子胡椒、イチジクという5種類の味が楽しめます。「OLIVE NUTS オリーブ&ナッツ」は、有機ナッツとオリーブの塩漬けを乾燥させたものをミックスしたおつまみ。メープルシロップでほんのり甘く味付けされ、オリーブの新しい味わい方に、ついつい手がのびてしまいます。

WASANBON 貝づくし
オリーブチョコレート
オリーブ&ナッツ

そしてオリーブの新芽をていねいに摘み取って作られたのが「OLIVE GENMAICHA オリーブ玄米茶」です。有機玄米をブレンドし、香ばしい風味をプラス。このお茶を入れたときの、爽やかな緑の美しさには感動します。酸素に触れることで、しばらくすると色が落ち着いてきて、その変化を楽しむのもまた楽しい。すっきりとした味わいは、オリーブのスイーツたちともぴったりです。

オリーブ玄米茶

製品のパッケージにも、こだわりました。それぞれのパッケージも美しいのに、さらにギフト用に、2個、3個をまとめられる、こんな仕様のスリーブが用意されています。熨斗をイメージして作られたというスリーブには、商品を入れる手提げ袋とともに、オリーブの実をさりげなくあしらったデザインは、上質なギフトとしてもおすすめです。こだわりのパッケージや製品のコンセプトは、姉妹の友人であるライフスタイルディレクターのUehara Kaiさんが、姉妹とともに考え、監修したものになっています。

パッケージ

みんなの心と心がつながりますように、と願って父が植えたオリーブの木を娘たちがブランドにして送り出す。そして、それを手にした人たちが、さらにギフトとして人々をつなぐものに。最初の小さな願いが、大きく世の中に羽ばたいた「小さな島のオリーブ畑」。

デモンストレーション

オンラインショップのほか、実際に手にとって購入できるのは、プレインピープルの店頭(写真のように時折店頭でデモンストレーションも行います)、豪華クルーズ船「飛鳥Ⅱ」ではお土産として船内で買うことができます。さらに、日本航空のファーストクラスのお茶菓子にも選ばれたとか。客船や航空機での販売やメニューに載ることで、世界中を旅する人を通じて、世界にも少しずつ長崎の小さな島から生まれたオリーブが運ばれていきます。

すべて手作りのため、すぐに買えないものがあることもこのブランドがていねいな物づくりをしている証し。人の目がとどく範囲で続けたいからと、オリーブの木をこれまで以上に増やす予定は、いまのところ無いのだといいます。そんな心意気も「小さな島のオリーブ畑」の魅力のひとつだといえるでしょう。

公式ホームページ http://www.n-olive.com/n_olive/

構成・文/高橋麻紀子 Edit Text:Makiko Takahashi

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