ワインディングが美容師試験に出たらどうする?ブロッキングなどのポイントを解説
ワインディングは、苦手と感じる人も多い技術。しかし、国家試験で出題されることもあり、美容師になりたいなら必ず習得しなければなりません。ワインディングではブロッキングを正確に行うなどのコツがあるので、十分に対策することが大切です。
そこで、今回は、ワインディングの流れとポイントを詳しく解説します。美容師の基本のひとつでもあるので、しっかり学んでみてください。
ワインディングとは
はじめに、基本情報としてワインディングの概要を説明します。
ワインディングとは、髪をロッドなどに巻き付けてカールやウェーブを作る技術のこと。美容師国家試験の実技の課題になることもあり、美容師を目指すなら必ず習得しなければならない技術です。試験の際は、時間内に規定の状態に美しく仕上げなければなりません。
詳細は下記ページをご覧ください。
美容師国家試験で行われるワインディングとは?持ち物の規定や審査のポイントを紹介
ワインディングの流れ
つづいて、ワインディングを行う際の手順を説明していきます。
1. ブロッキング
ブロッキングとは、「どこを巻くのか」という位置を把握するために髪をブロック分けする作業。正確に分けることにより、仕上がりもよくなるので、きれいにブロッキングしましょう。
通常は、フロント・サイド・トップ・クラウン・バック・ネープの6カ所を細かく(10ブロック程度)分けます。ただし、ブロッキングにも時間がかかるもの。試験のときは制限時間を考慮し、センター・両サイド・両バックサイドの5ブロック程度で行うのもありです。
2. スライス
スライスは、コームで髪を薄くすくい取る作業。ロッドにうまく収まるように、ロッドの幅も考慮しながら広さを決め、まっすぐきれいに取りましょう。また、スライスする髪が厚すぎるときれいに巻けません。適切な厚みですくうことも大事です。
3. コーミング(シェーピング)
スライスした髪を、コームを使って根元からきれいにとかします。ゆるまないように片手で髪を引っ張り、コームを回転させながら、毛をコームに引っかけるようにしてとかし上げましょう。
4. ロッド
3でとかした髪の毛を、ロッドとペーパーを使って巻いていきます。左手の人差し指と中指でコーミングした髪を持ち、中指と薬指でペーパーを挟み、親指と薬指でロッドを持ちましょう。毛先をペーパーで包むようにしながら巻き込んでいきます。
ノンテンションで、ゆるまないように張って巻くことが大切です。どうしてもゆるんでしまうときは、霧吹きで髪を湿らせて滑りにくくするとよいでしょう。
5. ゴムかけ
ロッドが外れないようにしっかりゴムをかけます。頭皮と平行になるようにすると、きれいに仕上がりやすいです。最初はゴムをかける前にロッドが落ちたり、ゴムをかけてもぐらついたりしやすいので、何度も練習してきちんと習得してください。
美容師国家試験時のワインディングのコツ
ワインディングの流れがつかめたところで、最後に、美容師の国家試験の実技試験でワインディングが課されたときのポイントを解説します。合格に向けて、各ポイントをきちんと押さえましょう。
ブロッキングをきれいに行う
まずは、ブロッキングがしっかりできているかを確認しましょう。ズレやゆがみがあると仕上がりに影響するため、きれいに分けることが重要です。ブロック分けする部分と目線の高さを合わせ、体から離して見て、まっすぐになっているかチェックしてみてください。
同じ角度・同じ量で髪を持つ
巻くときに持つ、髪の角度や量を一定にすることも大切。角度も量も、バラバラな状態ではきれいに仕上がりにくいでしょう。また、ロッドやペーパーを持つときには角度がズレないようにし、巻き始めから巻き終わりまでの角度も一定に保ちます。
審査基準・減点ポイントをチェックしておく
ワインディング試験の審査で見られる点は、大きく分けて下記の8つです。
1.ウイッグへの禁止事項
2.用具の規格
3.終了後の処置
4.仕上がり
5.技術の適合具合
6.ロッドの状態
7.ロッドの向きとステムの角度
8.ゴムかけと巻き収め状態
巻き残しがあったり、ロッドがぶら下がっていたり、ゴムがクロスになっていたりすると減点されます。減点が30点を超えるとその時点で不合格になってしまうので、慎重に確認してください。
引用元
美容師実技試験第2課題 ワインディング審査マニュアル 美容師実技試験部会|理容師美容師試験研修センター
美容師実技試験ワインディング課題未到達技術の事例|理容師美容師試験研修センター
第47回 理容師国家試験及び美容師国家試験の合格基準|理容師美容師試験研修センター
使用するロッドに注意
ワインディングで使用するロッドにはさまざまなタイプのものがあり、美容師試験では、使うロッドの本数や種類にも決まりがあります。50本以上55本以内・中心の太さが10mmから13.5mmまでなど、きちんと規定を押さえておきましょう。
繰り返し何度も練習する
練習してもなかなか上手にできない人もいるかもしれませんが、とにかく練習あるのみです。練習していくうちにコツがつかめてきますし、だんだんと自信がついてきて本番でも緊張しにくくなります。
ワインディングは苦手意識を持っている人が多い技術ですが、練習を積み重ねていくうちに得意になる人もいるので、意欲的に練習しましょう。
タイムを縮める
実技試験では、20分という限られた時間のなかで規定の作業を終わらせなければいけません。そこで、素早く仕上げるスピードが求められます。少しでも早く作業を完了させるために、下記でタイムを縮めるコツを押さえましょう。
1. 時間をかけてもいいのできれいに巻き収める
試験の際に制限時間内に仕上げることは必須です。しかし、その前に「正しい」状態を感覚的につかむため、まずは時間を気にせずきれいに仕上げてみましょう。
2. 時間配分を意識して実践する
試験では、時短でできる部分と、丁寧に時間をかけてやる部分との時間配分を考えることも大切。巻く速度を早める・なるべくやり直しをしなくて済むようにするなどを意識してください。
実際の試験時間は20分ですが、18分くらいで仕上げるつもりでやるとよいでしょう。
3. 汚いと感じても時間内に終わらせる
試験では、時間内に工程を終わらせなければ意味がありません。きれいに巻こうとしすぎて時間が足りなくなるよりは、多少汚く感じても最後まで仕上げることのほうが重要です。見栄えはいまいちでも、合格基準に達している可能性もあります。
ワインディングのコツを押さえてスムーズな合格を目指そう
ワインディングとは、美容師が必ず身につけるべきカールの技術。試験で出題される可能性もあるので、確実に「自分のもの」にすることが大事です。
ワインディングは、適切にブロッキングを行い、すくって整えた髪をきれいに巻いてしっかりゴムで留めるという流れ。試験時のポイントもお伝えしたので、試験に備えて念入りに練習を重ねてください。
実際に美容師になったときにも役立つ技術なので、しっかり習得して合格しましょう。