一次も二次も誠実に答える姿勢が感じられると通過率アップ【Belle Ginza　佐野雄基さん】#3

美容師を目指す学生、新天地を目指すスタイリストさんにとって、避けては通れない就職活動。採用を勝ち取るためには、どんな準備が必要？ 心がまえは？ そんな疑問を、実際のサロン採用担当者にインタビュー！

同業者が選ぶヘアサロンとして長年支持を集め続けている「Belle」。前回に引き続き、「Belle Ginza 並木通り店」店長・統括マネージャーの佐野雄基さんにお話を伺います。

第3回目は、一次面接、二次面接について。前々回（第1回目）、Belleでは一次面接の面接官を若手スタイリストが担当していると伺いました。新しい方針を取り入れるまでの詳しい経緯やそれぞれの面接で重要視しているところをお聞きします。

お話を伺ったのは…

「Belle Ginza 並木通り店」店長・統括マネージャー　佐野雄基さん

美容師歴は今年で13年目。店長就任後、3年前にエリアマネージャーに抜擢され、採用の担当に。顔や骨格に合わせたカットが人気で、予約サイトの口コミ数は高評価の声多数。

面接官とのギャップを埋めるために若手スタイリストを起用

――まずは一次面接について伺います。
通過率を教えてください。

毎年変動はありますが…昨年度は約6割が通過しました。

――面接官に若手スタイリストを起用した経緯をお聞かせください。

面接官と学生間とのギャップを埋めるためです。マネージャーや代表クラスよりも、同世代の方が話しやすく、伝えやすいと考え、実施に至りました。

今は若手だとしてもいずれは年長者になりますし、今のうちにどんどん未来のある若者にバトンをつなぐことも大事にしているんです。そこで、会社でも重要な役割である採用試験の面接官に関わってもらっています。

――面接の形式は？

厳密には若手スタイリスト5人に、各店舗の店長が付き添います。若手の面接官に対して、学生も同じく5人で実施。1人ずつ自己紹介と志望動機を話してもらい、質問に移る流れです。

――必ずしている質問はありますか？

アルバイトの経験は必ず聞いていますね。過去の経験によって得られたものを知ることができるからです。

――評価を上げるためにはどのような答え方が良いでしょうか？

学生時代に挫折したことやがんばってきたことを話してもらうと、高評価につながります。

ほかには、自分にとって大事だと思う価値観やモチベーションなど、瞬時に答えにくい質問も。どの質問に関しても、誠実に応える姿勢が感じられると好印象ですね。質問に対して必ず答えがほしいわけじゃなく、自分が経験してきたことを通して、その人らしく答えてもらうことが重要だと考えています。

一次の評価をもとに行われる二次面接。通過のカギは共通認識の一致

――二次面接について伺います。
一次面接と違うところは？

集団というところは一次と同様ですが、面接官が変わります。なるべく圧迫面接にならないように、各店舗の代表や僕を含めたマネージャーから3人ほど選抜して行います。目の前に大人がたくさん並んでいたら怖いですからね（笑）。

評価基準については、一次面接で若手スタイリストから見た評価表をもとに二次面接を行います。

――参考までに、主な質問内容を挙げると？

自分と意見が合わない上司や同僚がいた場合、それに対する対処法を聞いています。さらに、自分にとって最適だと思う職場環境についても質問するようにしていて…。

――どのような回答が望ましいですか？

Belleは協調性を大事にしていますから、それを理解している答えだと印象は良いですね。

やっぱりサロンは1つのチームですから、自分だけ良ければ良いという考えはBelleには当てはまらないんです。みんなでサロンをつくりあげていくので、大事なところが一致していると嬉しいです。

自分が「納得できる」スタイルブックの持参を

――全体を通して、お見送りになる人の特徴は？

これまで飛び抜けて悪い評価の方はあまりいませんでしたが…強いて言うならば、質問に対して的を得ていない答え方は残りにくいかもしれません。

質問された意図にとらわれるのではなく、質問に素直に答える気持ちを持って答えてもらえると良いと思います。

――面接といえばスタイルブックを持参する学生が多いと聞きますが。

特に必須ではありませんが、一次・二次面接の案内時に持参OKとアナウンスしています。

――あると評価は高い？

内容によると思います。ただ、やっぱり完成度が高いものは評価が高くなりますね。自分の中で納得できるものができたら、ぜひ持ってきてみてください。

採用される面接のポイントまとめ

1.学生時代の経験からその後に活かす方法を話せる

2.答えにくい質問にも誠実に答える姿勢を意識

3.スタイルブックなど評価アップにつながる資料を持参する

取材・文／東 菜々