美容師になりたい!知っておくべき国家試験の基本

ヘアメイクに興味があり、美容の世界で働きたい、手に職を付けたい、自分のお店を持てる仕事がしたいなど、さまざまな理由から美容師になりたいと思っている人がいることでしょう。

美容師は、美容室だけでなく結婚式場や雑誌・テレビの撮影、ファッションショーの会場、病院などの施設への出張と、幅広い世界で働くことができる仕事です。

ただし、美容師として実際に働くためには国家資格を取得する必要があります。そこで、美容師の国家資格を取得するための試験対策や勉強法、試験情報などを詳しくご紹介します。

どんな準備をしていれば良いの?美容師国家試験の筆記試験の内容

美容師国家試験は、全国にある指定の試験地で財団法人理容師美容師試験研修センターにより、年に2回のペースで実施されている試験です。厚生労働省が指定する美容師養成施設の規定の課程を修了させることで、受験資格を得ることができます。具体的には、平成10年4月1日以降に入学している人の場合、昼間課程と夜間課程なら2年、通信課程なら3年以上の修学が必要です。平成10年3月31日以前に入学した人は、昼間課程で1年以上、夜間課程で1年4カ月以上、通信課程なら2年以上の修学が必要となっています。ただし、平成14年3月31日までに有資格者のもとで1年以上のインターンを終了していない人は、受験の資格を得ることができません。受験資格がある人が試験を受けて合格するためには、筆記試験と実技試験を両方受験し、共に合格基準を超えなければいけないのです。

筆記試験で求められる合格基準は、2点あります。ひとつ目が、出題される50問のうち60パーセント以上の正解率を出すことです。そして2つ目として、出題されるすべての項目で、無得点をひとつも出さないと定められています。具体的に筆記試験で出題される項目とは以下のようになっています。

・関係法規・制度

美容師免許や美容院の開設についての内容が出題されます。

・衛生管理

公衆衛生・環境衛生、感染症、衛生管理技術の項目があり、消毒や感染症についての出題がなされます。

・美容保健

人体の構造及び機能、皮膚科学の項目があり、骨格や皮膚の構造、皮膚疾患などについて出題されます。

・美容の物理・化学

熱や界面活性剤など電気や化学に関する出題が見られます。

・美容理論

美容用具やシャンプー、ヘアカラーリング、美粧技術などについて広範囲の出題がなされます。

試験に合格するためには、正解率と無得点の条件の2つの基準を共にクリアする必要があるので、しっかりと万遍なく学習しておきましょう。

どこをチェックされている?美容師になるための実技試験とは

美容師国家試験の実技試験では、2つの課題が出題されます。具体的には、第1課題としてカッティングが、第2課題としてオールウェーブセッティング及び衛生上の取扱いが審査されます。第1課題では、試験が開始されると、まず使用するモデルウィッグが規格に合っているものであるのか、禁止事項はないかの審査に入ります。試験に適したウィッグであると認められると、その後7分間のカッティングの準備時間を経て、カッティング試験開始です。20分間のカッティング試験が終了したら、1分間でモデルウィッグの顔面ふき取りを行い、仕上がりの審査に入るという流れとなっています。第2課題では、同じくモデルウィッグの審査から始まり、7分間の準備を経て25分間のオールウェーブセッティングの試験が行われます。その後1分間の顔面ふき取りを終えると、仕上がり審査です。それぞれの準備時間では、時間内に用具類をすべて机上に出せているか、用具の数や規格が定められているものであるかが審査されます。また、作業終了後については、仕上がりの状態、毛髪の長さ、ヘムラインや切り口のつながり、左右シンメトリーであるかなどが審査項目です。実技試験では、合格するための3つの基準を意識しておく必要があります。ひとつ目の基準では、衛生上の取扱いに関する試験で減点が30点以下となることが定められています。2つ目としては、第1課題であるカッティング試験の審査項目において減点を10点から40点の範囲内で4段階として30点以下であること、3つ目としては第2課題であるオールウェーブセッティングの減点が50点以下であることが基準となっています。本番に向けての練習では、チェックされている項目を意識しながら作業に取り組んでおくと良いでしょう。

服装で落ちることも!?試験に臨む際にはここをおさえておこう

緊張感を持って臨む試験に行く際の服装は、できるだけリラックスできるような自分らしい楽な恰好でよいのでは?と考えている人もいるかもしれません。しかし、美容師国家試験では、服装についても審査対象となっているため注意が必要です。筆記試験の際には特に気にかけなくても良い服装ですが、実技試験の際には衛生上の取扱いが順守できているかというポイントから審査されています。まず、守るべき基本の条件として清潔であることと、試験中に作業を行いやすいものを着用するようにしましょう。上半身は作業衣を着るため更なる特別な注意はありませんが、下半身に着用する服装は審査を意識した服装を選ぶ必要があります。スカートの着用をする場合、足の動きを制限するようなタイトなデザインは避けましょう。膝が見える膝上長さのものや裾が床面に接触してしまうロングタイプのものも禁止です。ズボンを着用する場合には、大きな破れのあるデザインのものや裂け目のあるタイプのものは着用できません。スカート同様にズボンも膝上長さのものや床面に触れる丈の長いものは禁止となっています。靴についても注意が必要です。まず、基本として安全に作業ができることはもちろんのこと、毛髪が足の甲などに付着しやすい素材のものは不衛生とみなされるため避ける必要があります。試験では厚底の靴やハイヒール、サンダル、スリッパも禁止されているため留意しておきましょう。アクセサリーについては、指や腕に装着するような時計や指輪、ブレスレットは作業の邪魔になるため禁止ですが、ネックレスなどは着用を認められています。ただし、試験時間中は着用している作業衣から出ないように装着することが決められていて、露出していると減点となってしまいますので、できれば装着していかないか、着けていく場合には試験前に必ず露出していないかをチェックしておきましょう。

私でも受かる?美容師国家試験の合格率

美容師国家試験は、毎年1000人前後の人が受験しています。多い時には2000人~3000人を超える受験者がいた年度もありました。美容師国会試験の合格率は年度によってさまざまです。試験は1年につき2回実施されていて、その2度の試験でも合格率は異なります。実施回によって80パーセントを超えるときもあれば、受験者数のおよそ半分となる50パーセント前後にとどまる回もあります。美容師の国家試験を受験するためには、美容に関する専門的な知識を学ぶことができる厚生労働省指定の美容師養成施設の課程を修了することが条件となっています。試験に出される内容は特別に難易度の高いものが出されているわけではありません。各養成施設で学んだ内容をしっかりと理解し、試験当日は定められたルールをきちんと守り臨めば、合格することは難しいことではないのです。また、美容師国家試験では試験の免除規定が設けられています。実技試験と筆記試験の両方を受験して筆記試験にのみ合格し、実技試験については不合格となってしまった場合には、次回の試験だけという条件はありますが、筆記試験を受けずに実技試験だけを受験することが可能となっています。また逆に、実技試験だけが合格した場合も次回の試験で筆記試験のみの受験が認められているのです。このように、合格の可能性も広げられている試験であるため、一度の試験でミスがあってもあきらめずにチャレンジすると良いでしょう。

万全の準備が大切!事前に知っておきたい対策と勉強法

美容師国家試験に合格するために必要なことは、専門学校などの養成施設で学んだことを正しく十分に理解しておくことです。筆記試験では出題されるすべての項目において無得点となる項目を出してはいけないという合格基準があるため、勉強科目に得意・不得意で大きな偏りを出さないように平均的に学習しておくことが望まれます。試験は4択のマークシート方式であるため、授業で学んだことをしっかりと頭にいれておけば難しく感じるものではありません。授業で習ったことの復習を欠かさずに行い、過去問題集を使用し完全にすべてが正解となるまで繰り返し解くことが合格への道につながります。実技試験については、養成施設での実習やスクーリングなどで行った内容を繰り返し練習し、模擬試験や学内のコンテストを受けるチャンスがあれば積極的に参加することが、本番に向けての良い練習となります。試験が近づいてきたときの対策として大切なことは、当日に向けての健康管理です。筆記試験、実技試験ともに、当日にいかに力を出し切れるかが合否を左右します。今まで積み重ねてきた努力が無駄にならないためにも、体調管理に気をつけて過ごしましょう。試験前日は十分な睡眠をとり当日に集中して試験に取り組めるように、万全の準備をしておくことが大切です。試験中には試験会場の係員の指示に従い、落ち着いて試験に臨むように心がけましょう。

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