ミネシンゴ interview#1:ミネシンゴ流・人とのつながり方はこうである!

元美容師という異質の経歴を持つ出版社アタシ社代表のミネシンゴさん。SNSを見ても人とのつながりは計り知れず。というわけで、誰もが悩みを持つ「人とのつながり方」を教えていただきました。編集者なので、独特な部分もあるかもしれませんが、そのメンタルに学ぶ面は多いはずです!

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ミネシンゴさん

とにかくなんでもやる。そこからつながりが生まれていく

――『髪とアタシ』には様々な背景を持った美容師が登場します。どのようにつながりを作られているんですか?

「創刊号、2号目に関しては今まで仕事でお世話になった人や僕が好きな美容師さんばっかり出ています。自分の知り合いの中から選んでいきました。3、4号目に関しては、読者の人から『あの方を取材してくれないか』と言われたり、『私の髪を切っている美容師さんがおもしろいから取材してほしい』とオーダーがあったり、過去に出てもらった美容師さんからの紹介だったり、そんなところからオファーをかけました。とにかくアナログ的ですよ」

――5号目は芸能人がたくさん出ていますが、どのような経緯で実現させたのでしょうか?

「5号目については、誰が切っているんだろうというのをリサーチすれば突き止められるんですね。例えばALの小山田壮平さんの場合は、知り合いの美容師さんに聞いたら、『自分が小山田くんの髪を切っているよ』というので、『取材させてください』と。たまたまですよね。三戸なつめさんはFACEBOOKで『三戸なつめさんの髪を切っている人を知りませんか?』と書いたら、知人が誰々だよって言ってくれて、事務所に確認したらそうだった。SNSを使いましたけど、教えてくれるのは結局知り合いであって、やっぱりアナログなつながりなんです」

ミネシンゴさん

――日頃からの付き合いが、こういうときに役に立つってことでしょうか?

「そうですね。コアなコミュニティを作ろうと思ったわけではなくて、雑誌を作り続けてきたら、雪だるま方式でいろんな人とつながっていっただけだと思います」

――読者とはどのようにしてつながっていくんですか?

「イベントもそうですし、一番多いのが手紙をくれたりとか、メールが来たりとか、そういうのがありますよね。うちのHPにアドレスを記載しているので、そこへよく届きます」

――イベントといえば、トークイベントをよくやられておりますよね?

「ただ雑誌を作っているだけでは読者の顔って見えないじゃないですか。イベントをやれば、読者の顔がダイレクトに見えるので、どういう人が『髪とアタシ』を読んでくれているのかが分かります。そのときに次号の話をサラッとするんですよ。6号目はこういうことをやろうと思っています、みたいな。するとネタが入ってくるんですね。あえて人を巻き込むというか、それがつながりになっていくのかなとも思います。あとはトークイベントをやるメリットとして直売できるので、本が売れるんです(笑)」

――ミネさんは『髪とアタシ』を売るために、直接本屋さんへ営業に行くとも伺っています。

「個人だと取次はなかなか相手にしてくれません。そうなると直接書店へ行ってその場でプレゼンして、置いてもらうしかないんです。飛び込み営業です(笑)。リクルート時代に飛び込み営業ばかりやっていたので、その経験を活かして営業しています。地方へ出張に行ったときは、必ずその土地の書店さんに挨拶がてら足を運ぶようにしています」

ミネシンゴさん

――書店側からしたら、『何この人?』みたいな……。

「ありますよね(笑)。でも本のビジュアルが良かったせいか、食いついてくれるケースが多かったです。プレゼンといっても別に会議室が用意されてやるわけではなく、レジ前での立ち話です。断られたらヘコみますけど、売り込みに行くこと自体、つながりができる一つの手法だと思います」

――ものすごいバイタリティですね。

「なんでもやらないといけないので(笑)。意外と僕、こだわりないんですよ。毎月1回『渋谷のラジオ』というのもやっていますし。言われればなんでもやるタイプです。営業もやるし、写真も撮るし。そういうこだわりのなさが、自分を拡張できると思っているので」

ミネシンゴさん

――基本的にはノーは言わない?

「そうですね。言わないですね。できるか分からないけどやってみますって感じです」

――その姿勢が人脈につながっていくんでしょうか?

「そうなっていればいいですけどね(笑)」

Profile

ミネシンゴさん

ミネシンゴさん

出版社アタシ社代表、髪とアタシ編集長

出身地・神奈川県
座右の銘:人は簡単に死なない
1984年生まれ。横浜fカレッジ美容科卒業後、神奈川や東京・青山で美容師を2年、髪書房で美容業界誌の編集を2年、鎌倉にて美容師を2年、(株)リクルートで企画営業を3年半経験したのち、合同会社アタシ社を設立。リクルート在籍中に美容文藝誌『髪とアタシ』を出版する。毎月1回、渋谷のラジオで『渋谷の美容師』のパーソナリティーを務める。

HP
https://kamitoatashi.fashionstore.jp/
Facebook
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Twitter
https://twitter.com/kamitoatashi

Information

道を継ぐ

道を継ぐ

アタシ社初となる単行本『道を継ぐ』が3月25日に発売。
1,512円(税込)

美容ライターの第一人者、佐藤友美さんが取材期間1年半かけて書き下ろした渾身の1冊。49歳という若さで他界したMINXの“母”、鈴木三枝子さん。彼女の生き方、働き方、厳しさ、そして優しさは、今なおMINXのスタッフやOBたちの中で生き続けている。短くも太く生きた鈴木さんの人生を、関係者の声をもとにノンフィクションという形で実現。ミネさん曰く「存在が見えなくなっても、生き続けているということをみなさんが体現しているし、僕らは“道として継ぐ”ということをメッセージとして発信したいということもあり、このタイトルをつけさせていただきました。美容師はもちろん、一般の人にも通じる話なので、幅広く読んでもらいたいです。アタシ社初めての単行本がこの本で良かったと思います」

道を継ぐ

たたみかた

アタシ社から新雑誌が刊行。創刊号は4月10日発売。
1,512円(税込)

世の中をどう「たたむ」かをテーマにした30代のための社会文藝誌。小さい問題も大きい問題も、風呂敷を広げすぎるあまり、問題の所在がどこにあるか分からなくなっている。だとするなら、どう収めていくのが正しいのか。A案とB案とで対立構造がある場合、C案を示すことで収束することが多々ある。合意形成学も駆使しながら、様々なテーマをタブー視せずに取り上げるのが『たたみかた』だ。創刊号のテーマは福島。

道を継ぐ

美容文藝誌 髪とアタシ第五刊「音楽と髪」

発売中
1,404円(税込)

切っても切り離せないのが「音楽と髪」。気になるミュージシャンとそのヘアを手がける美容師たちのエピソードを優しい文章で綴っている。尾崎世界観(クリープハイプ)、U-zhaan、
小山田壮平(AL)、高橋海(LUCKY TAPES)、三戸なつめ、鹿野淳(MUSICA)、ベッド・イン、Bose(スチャダラパー)、辻野孝明(衣装デザイナー)が登場。

ミネシンゴ interview#2:美容雑誌の新しい形を問うた新進気鋭の編集者>>

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