女性ならではの感性と視点で可愛いを作る『eNu -KAWARAMACHI-』
京都に7店舗を展開する「NAVEL COMPANY」の1ブランドである「eNu -KAWARAMACHI-」。この店舗はスタッフ全員が女性であるだけでなく、会社全体でもスタッフの9割が女性という女性が主体の企業となっています。そのため提案するヘアデザインは女性の目線から見た可愛さやおしゃれさが際立つものが中心で、女の子が感じる「可愛い」や「きれい」を追求しているのが特色。さらにスタッフの平均年齢は25歳と若く、そのためかサロンの雰囲気そのものも明るく華やか。そんなサロンの人事を担当し、「女性が楽しく長く活躍できる職場環境を目指したい」と語るスタイリストの熊洞美香さんにお話を伺いました。
女性がくつろげる空間に
――NAVEL COMPANYが今年で17年目を迎えますが、スタッフの9割が女性で平均年齢は25歳とお若いですね。熊洞さんは人事としても活躍されていますが、あえて女性を中心に採用する理由は?
「当店のお客様が女性中心ということもあり、女性同士の方がなりたい髪型のイメージの共有がお客様との間でしやすいのではないかと考えています。私自身も経験がありますが、例えばこういうスタイルでとオーダーしても、男性の場合だとそこに男性自身が考える可愛さを落とし込むことがあり、その結果、なんだかニュアンスが違うかな?と思うことも。特に河原町店はいわゆる青文字系というか、個性的だったりナチュラルな可愛さを求めてご来店くださる若いお客様が多いこともあって、店長をはじめスタイリストもアシスタントも20代前半の女性を中心としています。また、会社としては数年前から女性をメインに採用していますが、これには美容師イコール女性が長く働きづらい職場である、というイメージを払拭したいという思いがあってのこと。女性が楽しく長く働ける職場環境を作るために育児休暇などの制度も充実していますし、仮に出産や産後の復帰などに関してもスタッフが女性同士の方が分かり合えることが多いですよね。なお、現在は全スタッフ66名のうち女性が60名と本当に女性中心の職場なので、女性がどんどん意見を出し合ってより良い職場環境を作れるような土台はできています。」
一員であることを誇れる
――熊洞さんご自身はスタイリストと人事の仕事を兼任されていますが、そもそもNAVEL COMPANYに入社した経緯は?
「子どもの頃から美容室へ行くのが好きで、中学生の頃には将来美容師になると決めていました。私は専門学校を出てすぐNAVEL COMPANYに就職し、今年で入社10年目になりますが、10年も変わらずに不満なくひとつの店で働き続けられるというのは、人の入れ替わりが激しい美容業界において非常にありがたいことだと思っています。自身の就職活動の際にも数多くのヘアサロンが候補にありましたが、ここに決めたのはやはり“人”でした。最初に応募の電話をして職場を見学させていただいた際の対応がとても親切で丁寧で、就活生にこんなに親切ならきっとお客様への接客はもっと丁寧なんだろう、こんなお店で働きたい!と強く思ったのが入社の理由です。今は人事として、また後輩にとっては先輩スタイリストとして仕事をしていますが、私が最初に感じたスタッフの温かさというものはずっと引き継いで行く会社の財産だと思っています。」
同期や店同士の繋がりが財産
――女性ばかりの職場だからこその強みや特徴はありますか?
「当社では新入社員を1年生、2年目になると2年生というように、入社年数ごとに○年生と呼んでいます。学校で上級生が下級生にアドバイスするように、1つ上の先輩は1つ下のスタッフを育てるという仕組みを取り入れているので、必然的に先輩と後輩の絆が強くなり、今までは教えてもらう立場だったスタッフが次は教える側に立つことで学べることも多いように思います。また、同期生同士の食事会なども多く、店舗の枠を超えた横同士の繋がりも深いですね。中には女性ばかりだとギスギスするんじゃないかと思われる方もいらっしゃいますが、実際は女子校のように和気藹々とした雰囲気で、一体感が強いです。特に店単位での結束が強く、同性代の女の子同士だからこそ分かり合えたりサポートしたり、というのは当社の特徴ではないでしょうか。」
学校のような雰囲気で先輩から学べるeNuでは、新人教育のカリキュラムやスタイリストまでの期間にも独自のシステムが。後編では、アシスタント時代を徹底的にサポートしてくれるカリキュラムを中心にお話を伺います。