叱るのではなく、問いかけることで人を育てる!『Hair Salon Bottoms』
型にはまらない自由な空気感で楽しませながら、気配りの行き届いたホスピタリティを提供してくれる『Hair Salon Bottoms』。子供っぽさと大人っぽさが同居するその雰囲気は、まさにオーナーである岡元コースケさんの人となりがそのまま映し出されているようです。
破格の個性が魅力の岡元さんですが、お店はひとりで作るものではありません。スタッフをどのように育てて、チームを作っているのかについて話を伺いました。
精鋭メンバーがそれぞれのやりたいことを実現していける美容室に
――『Hair Salon Bottoms』は、岡元さんが初めて持たれた自分のお店なのですよね。大切にしているのはどのようなことなのですか?
「大切にしているのはスタッフです。『Hair Salon Bottoms』にはいまスタッフが8名います。少人数ということもあり、精鋭メンバーだと思っています。僕はそんなスタッフが自由に動き回れるようにサポートしていきたいのです。そのためスタッフ間のコミュニケーションをとても重視しています。僕は『Hair Salon Bottoms』を型にはまらない美容室にしていきたいので、スタッフそれぞれの“これがやりたい”“あれがやりたい”という発想が出せる環境が必要だと感じているのです」
――なんでも言い合える環境を作るために、どのようなことを工夫されているのですか?
「スタッフとは仕事が終わってからよく食べに行ったり飲みに行ったりしています。お酒を飲むことが好きじゃないスタッフもいるので、もちろん飲みを強要することはありません。そういう時代じゃありませんからね(笑)。でも、仕事中にする話と食事をしながらする話では、内容も変わってきます。食事どきには仕事中には見えない素の部分が出てくるし、本音で話す雰囲気にもなりますから」
スタッフのことは叱らない。でも、気になることはどんどん問いかける
――スタッフ育成にはどのような取り組みをされているのでしょうか?
「毎週1回、技術を身につける時間を設けています。僕が技術を伝えることもあれば、スタッフ同士で学び合ってもらうこともあります。カットやスタイリングの技術は自転車の運転と同じです。やれば必ず上達します。ですからスタッフそれぞれの意欲に任せたいところですね」
――“任せる”のは難しそうですよね。でも、スタッフはのびのび仕事ができそうです。
「僕がスタッフを叱ることはありません。昔は荒っぽいところもありましたけれど、叱ったら伸びるかといえば、必ずしもそうではないと気づいたので。
そのかわりスタッフの動きに目を配りながら、気になることは質問します。たとえば、『どうしてカップをそこに置いたの?』とか。理由がちゃんと答えられるのならいいんですが、答えられないのなら、ちゃんと考えて動くことを伝えます。スタッフの個性は人それぞれでかまわないのですが、どんなサービスを提供できるのか常に考えながら動ける人になってほしいと思っているので。
スタッフの技術には個性が出るものですが、それはお客さまが納得してくださる内容ならばよいと思っています。お客さまに質の高い満足感を提供することが大切で、それには技術だけでなくスタッフそれぞれの個性も大切なのではないでしょうか」
『Hair Salon Bottoms』に人が育つ環境を作れるかが勝負どころです
――なるほど。そのほかスタッフのモチベーションを高めるために取り組んでいることはありますか?
「社員旅行の実施です。去年はみんなで海外に行きました。もちろんお店のお金ですよ。この行事はできれば続けていきたいです。お店の売り上げが悪ければ近場の娯楽施設に出かけるだけでもいい。それが “今年の成果”ということなのですから、それを噛みしめればいいのです。“来年はまたみんなで海外に行きたいね”って、それがモチベーションにつながればいいなって思っています」
――わかりました。では最後に『Hair Salon Bottoms』の今後の展望について聞かせてください。
「もっとも力を入れたいのはスタッフの育成です。自分で考えて動くことができて、ハイレベルなホスピタリティを提供できる人が育てば、2店舗目、3店舗目と、お店を増やして、その人に店長を任せていきたいと思っています。 “この人になら任せられる!”という人を、育てることができなかった場合は、いまのお店だけで十分。『Hair Salon Bottoms』が広がっていけるかどうかは、ここに人が育つ環境があるかどうか。僕も『Hair Salon Bottoms』がどのように育っていくのか、楽しみにしているところです」