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たかの友梨 interview:理容師見習いをしながら定時制高校へ……。そして「幸せな人生を送る」お手伝いを

エステティシャンを志す人は、誰もがそこを目指している。そう思わずにはいられない、エステティック界の象徴・たかの友梨さん。16歳で理容業界に入り、日本一となるべく邁進してきたその人生を語っていただきました。転職に悩むリジョブ読者には、必ずや道しるべとなるはずです。

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16歳で理容師見習い。その頃から『人生は二毛作』

たかの 友梨さん

「私が仕事を始めたのは17歳の時です。定時制高校に通いながら16歳で理容学校に行き、当時の学校は一年だったので、17歳でインターン、18歳で一人前になるわけです。いわゆる『二足のワラジ』ですが、これは、学校と現実世界の違いを実感できて、大変いい経験になりました。私の座右の銘は『人生は二毛作』。この頃から実践しているんですよ(笑)。 当時の理容学校でいちばん教えられたのは、道具のお手入れです。昔は、自分の道具は自分で作るんですよ。剃刀やハサミを研いだり、象牙をやすりで削って櫛を自分で作るのです。櫛には、解櫛、荒櫛と、目の細かいセット用の櫛、3種類がありますので、それぞれ角度を変えて削るのですが、これが難しくて苦労しました。 カミソリを研ぐこともまた難しく、大変な思いをしました。理容室には顔剃りがありますが、男の人の多くて濃い髭は、よく研いだカミソリでないとなかなか綺麗に剃れませんからね」

『女性も手に職を』。母の思いを胸に

「修業時代の失敗談はいっぱいありますが、子供をカットする時は失敗しちゃいけない、と特に緊張しましたね。子供はじっとしていないので怖かったのですが、先輩はいとも簡単に、子供をあやしながらサクサクと切っていくのです。やはり勉強よりも経験がものをいう世界なのだと気付かされましたね。 そもそも理容師を目指したのは、母に『女性でも手に職を持たなくちゃダメよ』と言われたからなのです。反発もしたのですが、ちょうどその頃、母が実母ではないということが分かり、育ててもらったのだから、この親に感謝しなくちゃいけない、言う事を聞こう、と決心しました。理容師になると決めたら、じゃあ日本一の床屋にならなければ! と闘志が湧いてきたのです。 私が働いていたのは群馬の理容室。群馬のコンクールには出れば入賞というところまで行きましたが、ここで満足してはいけない、日本一を目指すならやはり東京に行こうと思い、上京して住み込みで働き始めました」

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初めての失敗は「パステルカラー」

たかの 友梨さん

「オフィス街の理容室に勤め、住み込みで日曜が定休日。その日曜日は住宅街の理容室で働き、夜はその帰り道にあった小料理屋さんで皿洗いのバイトをしました。おでんなどは食べていいよと言われたので、好きなこんにゃくやイカ巻きなどをいただいて衣食住を浮かしつつ、休みなく働いていました。ところが、ストレスによるニキビやクマで、自分の顔がひどい有様になってしまったのです。すっかり落ち込んで、将来のことも悩み始めました。でもそこで、運命の出会いをするんです。 通っていた薬局に化粧品売り場があり、そこの販売員さんが髪は栗毛、肌は真っ白で、見たこともないような綺麗な人だったのです。後から聞いたところによると、その人はハーフだったらしいのですが(笑) その美人さんが、『あなた、綺麗だけどニキビがなくなったらもっと綺麗になるわよ』『これを使ってごらんなさい』って勧めてくれたので、なけなしのお金で化粧水などを買って、少しだけ良くなったんです。それで、こういう仕事も素敵だな、化粧品の勉強をしたいな、と思っていたら、『会社に入れば教えてくれるわよ』と(笑)。そうして、その方と同じ化粧品会社に入社したのです」

女性は美しい方が得だと、身を持って知った

「化粧品の会社で研修をして、メイクもヘアーカットも上手くなり、見違えるほど綺麗になりました。また、下働きだった時のクセで、研修中にも教室やトイレ、鏡の掃除などをしていたら、先生が私を見込んでくれたんでしょう、『ひとつ上のプロモーション課に行かないか』と言ってくれました。そこで、接遇、ホスピタリティなどを学び、ぐんぐんと外見が磨かれていきました。まるで映画『マイフェアレディ』のようでしたよ。 すると、中身は変わってないのに周りの人が圧倒的に優しいんです。女性は綺麗な方が得だ、と、そこで初めて気付きました。『綺麗であること』がどれだけ重要な意味を持つか、身を持って知ったのです。 そんなある日、新聞に『フランスでエステティックが静かなブーム』という記事が載りました。これだ、と思った私は、それまで休みなく働いて貯めたお金をおろしてフランスに飛び、人を頼り、口コミを頼ってエステサロンへ研修生として入ることに成功しました。言葉はカタコトの英語でしたが、理容・美容ができて、しかもよく働くので、とても重宝されました。もちろん努力もしましたが、運も良かったと思います。いろいろな人に助けていただきました」

私の辞書には『依存』と『退屈』の文字はない

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「下積みも多かったですが、仕事がつまらないなんて全く思わなかったです。だって覚えることがいっぱいあって、悩んでいる暇なんてなかったですから。私の辞書には、『依存』と『退屈』という言葉はないですね。転職をしたのも、当時の仕事に不満があって辞めたわけではないですし。自分の要望に応えてもらえないことが不満になるのかと思うのですが、私の場合は最初に勤めた床屋は4年と決めていたし、東京で就職した床屋も、そこが不満だったわけではなくて、化粧品会社に勤めたくなったからですし、化粧品会社を辞めたのはフランスに行かなくちゃいけなくなったからですし(笑)。やりたいことをやるために辞めたんですね。 『辞めた』という結果は同じでも、『不満があって辞めた』人とは、その後吸収できるものが全く違うのではないでしょうか」

女性がもっと前向きに、幸せに生きられるように

「私は自分の肌にも興味がありましたが、人の肌にもとても興味がありました。床屋にも美顔メニューがあり、ひげ剃り後に美顔をやっていたらすごく楽しかったのです。特に女性のお客さまが顔そりでいらっしゃると美顔をやって差し上げたら、女性からのご指名が多くなりました。それがすごく喜ばれて、私も嬉しかったです。そういう肌に興味のある人はエステティシャンに向いていると思いますよ。 私は、理容・美容・化粧品販売、そしてエステといろいろな仕事を体験しました。それぞれ今の人生にとても役に立っていて感謝をしていますが、中でもエステが一番ワクワクして楽しく、これが私の天職だと思っています。やっぱり、女性が好きなんですよ。 この仕事は、女性がもっと前向きに、もっと幸せに生きていけるようにサポートする仕事。女性がいちばん美しく見える時って笑っている時だと思うのです。でも、シワや歯並びなど気になるところがあると、本当は笑いたいのに思いきり笑えなくて、悲しい思いをすることもあるでしょう。それはとてももったいないことです。 女性が思いっきり笑顔で、輝く人生を送れるように、私はこれからも全力でそのお手伝いをしていきます」

愛情を持ったホスピタリティを目指して

たかの 友梨さん

「今、私がいちばん接する女性といえば、会社のスタッフです。彼女たちがみるみる洗練されていくのを見るのも嬉しいものです。うちの会社はたくさんの研修をするのですが、私が化粧品会社で受けたような笑顔の練習や第一印象の教習なども実施しています。そして、幹部になった時は管理者養成学校へ行って、人を管理することを学びます。すると、夢が明確になって、実現します。うちの会社は、ある意味技術は二の次で、人を育てることを重視しています。技術は人についていきますから。 エステは女性の笑顔を導きだし、リラックスさせ、非日常性を与える場所。現代人にいちばん必要なものだと思っています。もし、栗毛の販売員さんが売ることばかり考えていた美容部員だったら、私の人生はきっと変わらなかったと思うのです。彼女が素敵で、私に夢を売ってくれたから、今のたかの友梨がある。そういう、愛情を持ったホスピタリティを具現化していきたいですね」

夢を持ち、美しく、豊かで幸せな人生を

「今や、エステは有閑マダムの贅沢ではありません。私は、いろいろな国を回ってその土地の伝承医学を学んでいます。これからのエステは、代替医療の予備軍として捉えられてくると思います。これから少子高齢化で、年配の方がどんどん増えていきます。ちょっと腰が痛いとか、脚が冷えるとか、そういう『病気になる前』の予備軍をケアして、健康な身体作りを応援することによって、本当の病気の予防をする。そういう役割が求められています。みんな幸せに年齢を重ねられるような、そんな生き方を送るお手伝いをしていかなければいけないと考えています。 私は、おかげさまですごく充実して、幸せな人生を送っています。エステティシャンを目指す人はきっとみんな「たかの友梨」みたいになりたいって思っているんじゃないかって自負しているのですが(笑)、逆に、私は精一杯素敵に、幸せな一生を終える役割があると思っています。絶対に不幸じゃいけない。それが、『たかの友梨』の社会への義務だと思っています。おかげさまで、今、稀に見るほどに幸せな人生です(笑)。たかの友梨に会うと元気になる、と言われたいですね。パワースポットみたいに(笑)! 今、夢を持っている若い人は、望みを口に出していきましょう。夢を語りましょう。こうなりたいと夢を語ることで、そちらの方向へ導かれていくものです。夢を持ち、美しくなり、もっと豊かに、もっと幸せな人生へ向かっていってください」

Profile

たかの 友梨さん

たかの 友梨(たかの ゆり)さん

たかの友梨ビューティクリニック創業者 日本エステティック業協会常務理事 日本エステティック振興協議会理事 自身のニキビに悩み、エステティック技術を学ぶためフランス留学。後にたかの友梨ビューティクリニックを設立。エステ業界の草分け的存在として、世界中からエステティック技術を取り入れ、紹介を続けている。また、次世代セラピストの育成にも力を注いでいる。

Company

たかの友梨ビューティクリニック

たかの友梨ビューティクリニック

CMでもおなじみ、たかの友梨ビューティクリニック。フェイシャル、ボディはもちろん、ヘッドスパ、ネイル、ブライダルまで、お悩みに合わせた各種コースを取り揃え、一人ひとりの悩みに対応しています。 公式オンラインショップもあり、エステコスメを購入することも可能です。
オンラインショップはこちら:https://takanoyuri-bs.jp/ 求人案件はコチラ

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