へアドネーション

髪を切ることでボランティア!ヘアドネーションを知っていますか? #1

ボランティアに興味はあっても、仕事が忙しくて時間がないと、なかなか行動にうつせないもの。そこで今回は、“髪を切ることで”社会貢献できる「ヘアドネーション」を紹介します。
ビューティ業界で働いている私たちならば、内容を理解し、できることはぜひ協力したいものです。乳ガンで亡くなった小林麻央さんがブログで紹介して、話題にもなりました。
#1は、NPO法人として活動をしている、「Japan Hair Donation & Charity」の事務局の今西由利子さんにお話をうかがいました。

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破棄していた髪を、ウィッグの原料に

ヘアドネーションとは、頭皮・頭髪に関わる何らかの病気が原因で髪の毛を失い、ウィッグを必要としている子ども達に、医療用ウィッグの原料となる毛髪を寄付する活動です。普通に髪をカットすると破棄されてしまいますが、ヘアドネーションをすることで、髪が有効に活用されるのです。

へアドネーション
ヘアドネーションのためのカットをしています。必要な髪の長さをクリアすれば、だれでも協力できます。

Npo法人Japan Hair Donation & Charity(JHD&C)は、2009年9月に設立。ヘアドネーションの受付けを開始した日本初の団体です。

「現在、代表理事を務める渡辺は、もともと美容師です。仕事柄、これまでたくさんの髪の毛をただ無為に破棄してきました。自分たちのお店をオープンするにあたり、何か髪の毛に恩返しをしたいと考え、この活動を始めました」と今西さん。

活動を始めた2009年は、まだまだ認知されてなく、ボランティアに意識が高い、特別なサロンだけが活動に賛同してくれました。でも今では、月間150~200件の賛同サロンへの申請が寄せられています。9年目にしてようやく、一部の人だけでなく、広く社会に認知されるようになってきたと感じでいるそうです。

今西さんに、いろいろ質問をしてみました。

Qヘアドネーションした髪は、どんなプロセスでウィッグになりますか?
カットした髪がウィッグになるためには、たくさんの工程を経ることになります。順番に紹介します。

  1. ヘアドネーションの希望者(ドナー)が髪をカットし、JHD&C に送る。
  2. JHD&Cに髪が届き、毛髪の仕分けと選別を行う。
  3. 梱包し、海外の原毛処理工場に送る。工場で丁寧に化学処理を行い、毛髪を均等に加工する。
  4. 美容室でレピシエント(ウィッグが必要な子ども)のメジャーメント(頭の型をとる)を行う。
  5. 均等に加工された毛髪が日本に戻り、4の頭の型とともにウィッグ工場に送られ、ウィッグが製作される。
  6. 完成したウィッグをレシピエントに届けられ、賛同サロンでスタイルカットをして出来上がり。
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全国各地からのヘアドネーション。開封作業がラクなように簡易包装が希望だそう。

Qウィッグにできる髪の毛には条件がありますか?
髪の長さが“31㎝以上の長さ”があることです。
ウィッグを作るのに必要な長さなのです。また、ロングヘアのウィッグを希望されるお子さんも多く、50㎝以上の髪は常に不足しています。長さ以外には特に条件はなく、くせ毛などの髪質、年齢、性別、国籍は問わないし、白髪でも大丈夫。引っ張って切れてしまうほどのダメージがなければ、パーマ、カラー、ブリーチをしていても問題はありません。

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子どもの頭の型を計るメジャーメント。ピッタリあったウィッグを作ります。

Q行きつけのサロンでカットをしてもいいですか?

大丈夫です。サロンに頼んでほしいのは、「濡らさない」こと。湿っている髪はカビや雑菌が繁殖することがあります。カットするときに、JHD&Cのホームページの「ヘアドネーションの流れと方法 05カットの流れ(束ね方とカットの方法)」を、スマートフォンなどで美容師さんに見せて下さい。詳しいカットの仕方は全て書いてありますので、美容師さんならどなたでもできると思います。
https://www.jhdac.org/hairdonation/hair.html
活動に賛同してくれている、ドネーションサロンがあります。全国各地にあるので、ホームページを参照してください。ヘアドネーションに慣れているので、このようなサロンを活用してもいいですね。

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加工された髪の毛でウィッグを製作。1人1人に合わせたフルオーダーです。

Qヘアドネーションサロンになるためには、心構えはありますか?
最低限の心構えとして、ドナーから託された髪の毛は、責任を持って必ずJHD&Cに送るようにして下さい。「ちゃんと届いているんでしょうか?」というドナーからのお問い合わせが多数寄せられています。

詳しくはこちらをご覧下さい。
https://www.jhdac.org/hairdonation_salon.html
また今秋より、美容師さんに向けて、ヘアドネーションに対する理解を更に深めるための取り組みを新たに始めます。このようなプログラムに参加されるのも、良い機会になると思います。

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完成した子どもたちのウィッグを送付。受取り後はそれぞれが好きな髪型にカットします。

ヘアドネーションが普通のことになるのが理想

カットした髪の毛は、もともとゴミだったものです。それを再び誰かの役に立てるようにアップサイクルするのがヘアドネーション。

「『自分はいいことをしているんだ』と自意識過剰になるのではなく、ヘアドネーションが普通のことになるように、美容業界が先頭を切って意識を変えていくのがいいと思います」と今西さん。

髪の毛の寄付以外に、寄付金によるボランティア協力も可能です。たとえば、3,000円の支援で1~2名の毛髪のトリートメント処理費用に、15,000円で5~10名分のトリートメント処理費用になるそうです(ウィッグ1体には、およそ30体分の髪が必要)。

自分でできることから、協力を始めたいですね。

取材・文/大橋史子(ペンギン企画室)
取材協力/NPO法人Japan Hair Donation Carity
https://www.jhdac.org/index.html

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