美しいイエローラインを作るためにネイリストができること

フリーエッジの形だったり爪の色つやだったり、自爪の美しさが決まるポイントはいくつかあります。そのなかでも一見地味ですが、美爪の条件に欠かせないのがイエローラインです。イエローラインがガタガタしていると、ぱっと見が美しい爪であってもよく見るとそれほどきれいではないと思われてしまいかねません。

また、イエローラインの矯正は難しいため、普段から気をつけて生活をすることが重要です。それでは早速、イエローラインにありがちな悩みと対処法をご紹介していきます。


イエローラインが気になる人はどのポイントを気にしている?

イエローラインとは、フリーエッジと爪の間にある線のことであり、文字通り黄色いライン状になっています。イエローラインの役割は、爪と指の肉が離れないようにすることです。イエローラインは私たちの体にとって必要不可欠なものなので、取り除いたり手術で形を変えたりすることはできません。形を変えようと無理に針状のものでつつくと、ハイポニキウムと呼ばれる爪と指の間からウィルスやバクテリアが入ってこないようにする部分を傷つける恐れがあります。

美容の観点から見ると、ピンク色の爪の部分と白いフリーエッジに挟まれているイエローラインは、色のコントラストの影響で人によってはかなり目立ってしまう場合があります。特に色味の度合いが強い場合はラインがはっきりと見えてしまい、爪全体が美しく感じられないことがあります。また、イエローラインは軽いカーブを描いた1本の線のため、そのカーブがガタガタしているとやはり気になってしまいます。

お客様の爪のイエローラインをよく見てみると、一部分が膨らんでいたりへこんでいたりするのが発見できるかもしれません。完璧に美しいカーブを描くイエローランを持っている人はそれほど多くはないので、多少の歪みは施術に影響を与えませんが、例えばイエローラインの中央部分が大きく盛り上がっている場合や、イエローラインが逆カーブを描いている場合は、イエローラインを通常の形に矯正する必要が出てきます。

イエローライン改善に適した施術とは

イエローラインを施術によって変化させることは大変困難なので、ネイリストが何かをすればすぐに改善できることはありません。ただし、イエローラインがガタガタになる原因のひとつには、爪の噛み癖や缶のふたを開けるなど外から不自然な力が加わることが挙げられるため、まずはそのような状態がしばしばあるのなら、お客様に直すようアドバイスをすることが重要なポイントとなります。

フリーエッジの形を決めるのにイエローラインを気にするのがプロのネイリストとしては当然ですが、多くの人のイエローラインは左右対称のカーブではないので、ネイル全体の形状を決めるのが難しいケースがあります。イエローラインを気にしすぎるとフリーエッジの形まで左右非対称となり、不恰好に見えてしまいます。そのため、お客様のイエローラインが少しでも美しいカーブになるように、爪のカットの仕方にこだわりを持つようにしましょう。

ネイリストがイエローライン改善のためにできることは、爪切りを使って爪をカットするのをやめるよう促し、エメリーボードを使用して形を整えるのを徹底するよう助言することです。エメリーボードで毎日ファイリングをする必要はありませんが、2〜3日に1回はファイリングをして形を整えた方が良いでしょう。お客様が自分で上手にファイリングができないようであれば、最低でも1週間に1度はファイリングのためサロンに来るようにアドバイスしてください。


イエローラインを整えるために知っておきたいこと

イエローラインを整えたり美しいイエローラインを保ったりするポイントは、エメリーボードを使用する以外にもあります。そのひとつが保湿です。爪は案外乾燥しやすい部分です。家事などの水仕事をする場合はもちろんのこと、トイレに行った後で手を洗うときでも、すぐに手を拭いて爪から水分を取り除くことが大切です。

爪に水分が付いていた方が乾燥しないのではないかと思われがちですが、実は爪についた水分が蒸発するとき、爪の中の水分まで一緒に蒸発してしまいます。また、洗剤やハンドソープが落としきれずに爪に付着してしまった場合も、爪にダメージを与えたり乾燥を促したりする原因となるので、しっかりと洗い流すことがポイントです。イエローラインに悩んでいるお客様がいたら、これらのことに気をつけるよう助言しましょう。

加えて、洗い物を多くするお客様や水を扱う仕事に従事しているお客様に対しては、グローブを着用して手に水をつけないようにすることも、未然に乾燥を防ぐためには重要なことだとアドバイスをしておくべきでしょう。ただし、長時間グローブをしていると汗で蒸れて爪に水分がつくことがあるので、木綿のグローブを着用した上からビニールやゴム製のグローブを着用することも併せて伝えておきましょう。助言だけではなく実際イエローラインについて悩んでいるお客様がいたら、爪用の保湿剤(オイル)を使用して保湿をしてあげると、イエローラインが美しく整えられていくことでしょう。

イエローラインを目立たせたくない!どうすればいいの?

イエローラインは誰でも持っているものなので、特に不自然な色や形をしていなければ、それほど目立つものではありません。イエローラインをあまり目立たせたくない場合は、健康的な指先を手に入れることが1番の近道といえることでしょう。では、一体どうすれば爪の健康を手に入れられるのでしょうか。

・血行を促進させる
爪に十分な血液が行き渡らないと、爪の色が悪くなり、伸び方も遅くなります。爪の伸びが遅いとイエローラインの改善までに時間がかかってしまったり、うまく改善されなかったりする恐れがあるので、血行を促すことはイエローラインにとっても大切なことです。指先のマッサージをして血行促進させたり、体を冷やさないようにしたりすることをお客様にアドバイスしましょう。

・爪に栄養を行き渡らせる
爪は死んだ細胞といわれることが多いですが、栄養を行き渡らせることで伸びるのが早くなったり、強くツヤのある爪になったりします。皮膚の一種である爪は、お肌に良い栄養素をたくさん摂ることで健康的となります。ビタミンは皮膚や粘膜を作るのに欠かせない栄養素で、爪の健康にも影響を与えます。

特に摂取しておきたいビタミンは、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB2などとなります。また、鉄分をしっかり摂取することもポイントで、鉄分が不足してしまうと指先まで酸素が行き渡らなくなるため、爪の状態が悪くなります。極端なダイエットをしているお客様がいた場合は、爪にはあまり良いことではないと伝えておいてください。

イエローライン対策が万全ならリピーターも増えるかも

イエローラインのトラブルは、ネイリストであってもすぐに改善することが困難な難しい問題です。ネイリストでもそうなのですから、ネイリストに相談にくるお客様もどうしたら良いのかわからずきっと深い悩みを抱えていることでしょう。もしかしたらお客様のなかには、自分でどうにか対処しようとして失敗し、よりイエローラインを悪化させてしまった人もいるかもしれません。

ここでネイリストができることは、時間をかけてゆっくりと対処することです。イエローラインは敏感な部分であり、手術でメスを入れて形を変えることは困難です。爪切りを使わないこと、保湿を心がけること、爪に不必要なストレスを与えないこと、健康状態を改善させることの4つを徹底すれば、時間とともに爪の状態が良くなって、イエローラインの色や形もまた改善されていくことでしょう。イエローラインは知識がなければなかなか対処することが難しい部分です。

その一方で、爪の美しさを決める重要な要素でもあるので、無視できるものではありません。ネイリストがイエローラインの問題を解決してくれれば、お客様はそのネイリストに信頼を寄せてリピーターになってくれることでしょう。基礎的な知識をマスターして、悩めるお客様をサポートしてあげてください。


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