時間短縮でも女性がキレイに「ちょこパ」でなりたいスタイルを『LILIA.』
大阪・堺にある「LILIA.」は“ゲストとメンバーの人生の一部になる”をコンセプトに掲げるサロンです。開放感ある店内には清潔感溢れるセット面、キッズルームや個室風スペース、そしてゆったりとくつろげるカウンセリング専用スペース。オープン以来6年、地元を中心に多くのゲストに愛されるサロンとして人気を集めています。
比較的若いファミリー層が集まるエリアに位置する同店では、お客様の多くが30代の主婦層。オーダーを受けるスタイルも“時間がなくてもオシャレに”“時間が経っても様になるスタイル”と、毎日が忙しい主婦ならではのオーダーが多いんだとか。お客様が満足するスタイルを提案するために、考えだされたメニューとは? そして長く通ってもらうために続けている努力とは? 店長の花岡さんに話を伺いました。
全てはお客様の「人生の一部」を考えて再現性をモットーにした“ちょこパ”とは?
――お客様は30代前後の主婦層が多いとのこと。スタイルのオーダーでは“セットに時間がかからない”ものが多いのではないでしょうか。
「そうですね。お客様のほとんどが主婦の方なので、そこは大切にしています。『人生の一部に』という思いに関わってくることなんですが、お客様が美容室に来れるのは1年のうち限られた日数だけなんです。年に6、7回来て頂くお客様がいるとしたら残りの360日近い日数をお客様自身にケアしていただくことになるわけじゃないですか。主婦の方だと、自分自身に手がかけられない方も多い。そんな中でもオシャレでキレイでいられるスタイル、整えやすいけどちょっとこなれたオシャレな雰囲気に見えるスタイルを提案しています。あとは家でもケアができるシャンプーやトリートメントなど、ヘアケアにも力を入れていますね。髪のケアはキレイを保つために欠かせないものだと考えています」
――その思いはお店のサイトにしっかりと掲げられていますよね。ヘアエステメニューにも力を入れておられるようですが。
「そうですね。例えば、カラーやパーマの施術を受けると必ず髪にダメージを受けますが、多くのヘアサロンにおいてトリートメントは別メニューで、お客様が別途でオーダーしない限りサービスを受けることは出来ません。でも施術後にトリートメントをやるのとやらないのでは髪のダメージが違うんです。そこでヘアケアに強い思いがある当店では、カラーやパーマの施術を受けたお客様全員に高品質なトリートメントを提供しています。扱っているトリートメントはとても高品質なものなのですが、全てのお客様に必ずトリートメントを提供することで、サービス単価を下げ、結果としては割安でよりよいサービスを提供することができています」
――他にこだわっているメニューは?
「スパとパーマメニューです。なかでもパーマは少し特殊で。お客様がしたいと考えるパーマスタイルは、いわゆる一般的なパーマスタイルじゃないですか? 僕らが考えるスタイルは普段のスタイリングが楽になるかどうかにも気を配ったものなんです。スタイル写真では、「これってパーマなの?」っていうふんわりとした動きが必ずどこかに入っていたりしますよね。それをコテではなくパーマで再現することによって、毎朝の忙しい時間に“もうちょっと内に巻きたいけど、時間がない”といった悩みを解決する。それだけで普段のケアが楽になりますよ、というアドバイスをするんです。僕らは『ちょこパ』、“ちょこっとパーマ”と呼んでいるんですけど、そういうスタイルの提案からパーマのオーダーがすごく多いんです。あと、パーマに対して、髪のダメージや施術時間の長さ、不明瞭な料金システム、薬剤を頭にかけていくときの不快さとか、ネガティブなイメージを持ってらっしゃるお客様って案外多いんです。当店ではそれらを全て解消できるよう施術を行っています。刷毛で髪に薬を塗り、そのままワインディングするので髪にダラダラと薬剤をかけることもない。そのあとはシャンプー台で2液をかけるんですが、それも3分ほど、寝ている状態で終わってしまうので、時間が圧倒的に早いんです。それと、カットにも関係してくるところですが、“ちょこパ”などのスタイルだとワインディングを少ない本数で効果的に出すために、カットでかなり作りこんでいく必要があります。レイヤーの位置などをしっかり計算してパーマをすることで、毛先巻きだけで終わらせる。さらに、コテ巻きでお客様にイメージをお見せしやすいので、お客様のネガティブなイメージをかなり払拭することができる。カットに合わせたパーマというのはかなりこだわりがありますね」
――そのスタイルを実現するためにはカウンセリングも重要になってきますよね。カウンセリングで重要視していることはありますか?
「カウンセリングが終わった時点で“この店に来て良かった”、そう思ってもらえるようにすることを心掛けています」
――施術が終わったあとではなく、カウンセリングの時点でですか?
「そうです。お客様は出来上がりの状態が分からない状態で施術を了承して、そこからお金を払うことになる。なので少しでも、カウンセリングの時点で安心感を与えることができるようにしています。もちろんスタッフにも指導をしていることで、かなり細かい部分までお伺いするんですよ。なりたいスタイルはもちろん、イメージや雰囲気。服装や持ち物からも判断しますし。生活スタイルではいつシャンプーをするのか、いつお風呂に入るのか。シャンプー後はすぐに乾かすのか、乾かす時間はどれくらいか、朝は髪を濡らすのか…」
――確かにかなり細かいですね。
「そこまで聞かないとその人の生活リズムがわからないし、再現性に繋がらないんです。そういったことから『人生の一部に』繋がっていけると思うんです」
メンバーの「人生の一部」も大事に今後の「LILIA.」の展開とは
――これまでお伺いしたお店のポリシーをスタッフに伝えるため、スタッフ育成で心掛けていることはありますか? オーナーは男性ですが、「LILIA.」は女性スタッフが多い印象もあります。男性と女性、スタッフとの付き合い方も違いがありそうですが。
「来年には新卒で男性スタッフが入る予定ですが、確かに女性スタッフが多いですね。店のルールは特にありませんが、『ゲストの人生の一部になる』お店とはどういうものだろうか。『LILIA.』で働く人たちはどうあるべきだろうかと、ミーティングではかなりしっかりと話し合いますね。例えば挨拶をしっかりする、お客さまの名前をしっかりと呼ぶ。人として当たり前のこと、そういう部分を大事にして、徹底的に指導しています」
――スタッフのみなさんが名札をつけているのも印象的でした。
「名前はすごく大事にしています。お客様のお名前はもちろん、何度か通っていただいたお客様からはスタッフの名前を呼んでいただける、そういう関係性を大事にしています」
――年に数回しか会わないお客様。それでも名前を呼んでもらえるというのはスタッフ冥利に尽きますね。名前を呼ぶ、それだけでも信頼感を感じることができますし。
「そうなんです」
――今後の「LILIA.」の展開を教えてください。
「もちろん、出店がどんどんできるようにと考えています。『人生の一部に』には一緒に働くスタッフのことも含まれています。実は当店ではスタッフのことをあえて『メンバー』と言い換えているのですが、共に働くメンバーの人生を考えたとき、活躍できる場を作っていかないといけない。このお店だけだと、8、9人いればお店は回ります。でも、それだけだとその人数のメンバーの人生の一部にしかなれない。そうではなく、新しく入るメンバーたちが活躍できる場所、新しいお店を出して『LILIA.』の社風を引き継いで、新しく『お客様の人生の一部に』なれるお店、その思いを引き継いでくれるメンバーが広がっていくことを願っています」
「LILIA. is a life part」を理念にゲストとメンバーの人生を彩るサロンへ『LILIA.』>>