自分への挑戦でサロンをオープン『FALCO NAIL』
サロンオーナーとネイリスト、さらに契約メーカーとの商品開発やセミナー講師と、トップネイリストならではの多忙な毎日を送る立石さん。後編となる今回は、自身のネイルサロンを開いた理由やネイルに対するこだわりなどについて教えてもらいます。
月に1度癒されに訪れる空間作り
――ネイルの道に入って10年目でご自身のサロンをオープンさせたのには理由があるのですか?
「僕自身、何がなんでも自分の店を持ちたいという考えではなかったのですが、自分の年齢を改めて考えた時に、そろそろ店を持つのもいいかなと思って決断しました。店を持つ以前はネイルメーカーでの仕事が中心だったので、サロンをオープンするとなると、ほぼ1から顧客を得る必要があります。ネイルサロンの数そのものが増えている現在において、かなりチャレンジングな決断かもしれないが、あえて挑戦することでネイリストとして成長できるのではないかなと。実際は不安もありましたが、路面店にしたことでお店の存在を知ってもらいやすく、ありがたいことに多くのお客様がリピートしてくださっています。実は一般職からネイリストに転身する時、母は応援してくれたのですが、父は口には出さないものの少し心配をしていたらしく、今こうして店を持ったことで、父も安心してくれたのではないでしょうか」
どの角度から見ても美しいフォルムに
――ネイリストとして常に意識しているのはどういった点ですか?
「デザインのバランスや美しさはもちろんですが、僕は爪の形に非常にこだわりがあります。爪は横から見た際に中央に程よく膨らみがあるのが最も美しい形だと思うので、ジェルを乗せる際には、すべての爪を均一に美しいフォルムに整えることを重視しています。ネイルは平面ではなく立体として、またそのネイルに続く指先までが美しく見えることが僕にとっての基本。また、細かな部分ですが、ただ塗るのではなく爪と指との境目まで丁寧に塗ることが、ネイルそのものの持ちを良くし、仕上がりに差が出てきます。指先は毎日の生活の中でも一番よく目に入るボディパーツなので、ふと目に入った時にテンションが上がるような指先を作ること。これが僕にとっての使命だと思っています。あとは、お客様が月に1度行くのが楽しみな場所になれるように、施術中の会話も楽しんでもらえる工夫したりと、とにかく居心地の良い空間であることを目指していますね」
ラッキーの積み重ねの基礎には努力が
――現在も商品開発や講師のお仕事をされていますが、そういったお仕事の声がかかるようになったきっかけは?
「ブログでネイルデザインとそのデザインに使った製品を紹介したことが発端で、これも僕が最初にネイル商材のメーカーと契約したきっかけと同じです。僕自身はラッキーの積み重ねだと思うのですが、これも普段から作品をアップしていたからこそ、目にとめてもらえたわけで、そう考えるといかに作品を作って人に見てもらうことが大切なのかがわかりますね。今は様々なネイル関連のお仕事に携われているので、その立場を活かして、今後はネイルの技術をより多くの人に伝えていければと思っています。僕にとってネイリストという仕事は、とにかく楽しくてやりがいを感じられる仕事。この楽しさを伝えられるような店づくりや活動が今後の新たな目標ですね」
ネイル講師を務める際には、サロンワークですぐに使える実践的な内容をしっかり伝えるように気をつけているそう。自身の店を持つのがゴールではなく、そこを足がかりにネイルの世界の魅力や楽しさをもっと広げたいと語る立石さんの活躍は今後も見逃せません。
Profile
立石準さん
オーナーネイリスト
大阪出身。IT関連の企業で勤めていた時に、趣味として何気なく始めたネイルスクールでその才能を見出されネイリストに転身。現在は自身のネイルサロンでのサロンワークを中心に、アジア各国で開催される美容関連イベントでのデモンストレーションをはじめ、ネイル関連のセミナーで講師も務める。
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