高い技術力を支えているのは30年守り続けた「遊人」イズム『QUATTRO HOMME』
技術集団として知られる「遊人」のメンズサロン「QUATTRO HOMME」。近年話題のメンズサロンにおいて、「遊人」の技術力が最大限に発揮され、この人気につながっているということが分かりました。後編では、その技術力はどのような育成法によって築かれているのかを、引き続きオーナーの伊勢田穣さんにお伺いしていきます。
――メンズサロンの人気の背景には、卓越した技術を持つ「遊人」ならではのテクニックがあると思いますが、そのような技術を持ったスタッフを育成される方法とは。
「僕たちの店では、一人一人の骨格や髪室、生えグセ、日々のお手入れなどさまざまなことを考慮したうえで、お客様に似合うデザインを提案させていただきます。そしてそれは家での再現性の高さを持ち合わせている必要があります。これらを実現する技術を育成するために『遊人』では30年間貫いてきたことがあります」
――それはどのようなことでしょうか。
「まず『遊人』では、他店からスタイリストを中途採用したことはありません。全スタッフはここで一から学んできた人間ばかりです。他店で働いていた経験があったとしても、ここではシャンプーから、つまりイチから学んでもらうということです」
――全員生粋の『遊人』スタッフというわけですね。
「スタイリストになる人は、下の子に全部教えられなければダメ。しかも誰が教えても同じように教えられなければダメです。歴代、教わった人が下に教えていく、というスタイルをとっています。誰に教わっても同じ内容で学ぶことができます」
――なるほど。『遊人』スタイルを全員が正しく学ぶことができると。
「さらに週に1回、心斎橋の店に集まってトレーニングを行います。そこにはカット担当、カラー担当などの教育担当がいて、彼らがスタッフに教えていくという形です。また、最終段階ですべてのスタイリストに対して僕が直接教えています。これは30年間続けてきました」
――それが『遊人イズム』ということですね。
「僕はこれを守っていたからこそ、30年間やれてきたのだと思っています。今後も、どんな時代で何か流行っても、この形だけは絶対変えません。このポリシーを理解してくれるスタッフが増えてくれば、私どもも店を増やしていくことでしょうし、逆にスタッフが増えないならそれでもかまわない。それほどこのスタイルを重視しています」
教えるスタッフも優秀
――なるほど。具体的なカリキュラムはどのようなものでしょうか。
「カリキュラムは、シャンプーからスタートします。その後、以前ならパーマを習得する工程に入っていたのですが、現在はカラーの工程に変えています。パーマを施術される方は15%程度。カラーをされるお客様の方が圧倒的に多いですので。カラーが終わるとブロー、そしてパーマとなります。各工程において優秀なスタッフから選抜されたトレーナーがほぼマンツーマンで付いて教えます」
――なるほど。かなり懇切丁寧な教育スタイルですね。
「しかも、教える側のトレーナーも優秀でなければなりませんから、だいたい月80~100万ぐらい売り上げていることが条件となります。さらに人間性も求められます」
メンズ専門スタッフも
――では、実際にデビューするのは何年目ぐらいでしょうか。
「デビューはだいたい3年。でも3年でデビューした人はほとんどいないですね。早くて3年半ぐらい。デビューしたらまずジュニアランクとなります。その後もサロンワークをしながらのトレーニングを続けます」
――デビューしてからも技術の向上を目指すということですね。
「そうです。さらに、今期からメンズだけを専門にやるスタッフを採用していきたいと思っています。このスタッフに限っては1年短縮して2年半か3年でデビューしてもらいます。男性のみを施術するため、例えばセットやブロー、ロングヘアーのパーマなどの習得などは省いていきますので、早いデビューが可能となるのです。まあ、別途男性特有のスタイルなどを習得する必要はありますが。そうやって、現在のメンズサロンの質もさらに向上させていきたいと考えています」
Salon Data
QUATTRO HOMME
大阪府大阪市北区芝田1-10-5 ケリービル2F
06-6375-7444
http://www.hairmake-yujin.com/salon08.php
技術集団「遊人」が手掛けるクリエイティブメンズサロン『QUATTRO HOMME』>>